うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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嘘かホントか残像だ

「どうですざまぁみさらせですわー!!」

「AUTOさんAUTOさん、口調がおかしくなってるおかしくなってる」

「おおっと失礼、つい興奮してしまいました」

 

 

 そんなテンションのAUTOさん初めて見たわ……。

 てなわけで、そんな彼女の意外な一面に驚きつつ、改めて捕まえたTASさんの方を見てみると。

 

 

「……ん?なんか持ってらっしゃる?」

「ええと、スケッチブック……?」

「あっ」

 

 

 おかしいななんか嫌な予感がするぞ?

 具体的にはこのあと酷い目に遭う予感がする!

 

 突発的な危機予測によりTASさんの行動を阻止しようとした俺だが、一瞬気を緩めてしまったのが災いして彼女は俺の拘束からするりと抜けてこちらに向き直し、そのままスケッチブックをこちらに向けて一言。

 

 

「『おめでとう、アンタが大将』」

「……はい?」

「ここまで含めて予定調和。まぁAUTOの頑張り次第なところもあったから個人的には五分五分だけど」

「は……???」

 

 

 表の紙を捲った先に記載されていたのは、今しがたTASさん自身が述べたのと同じ文言。

 言い換えるとAUTOさんの勝利を祝う文、ということになるんだけれども……うん、それを素直に受け取れるかって言うと、ね?

 

 実際、その言葉を視認した直後のAUTOさんは暫く呆けたような姿を晒していたけど、徐々にそれがどういうことなのかを察して頭に血が上り始めたかの如く顔を真っ赤に染め。

 

 

「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!」

「ぐえーっ!!?」

「にいちゃーん!?」

「……はっ!?すすす、すみません貴方様!?大丈夫ですの!?」

 

 

 その怒りを思わず()()()()()()()()()にぶつけることとなったのでありましたとさ。

 ……はい、脳天から何か噴き出してますけど私は元気です()

 

 

 

´;・A・

 

 

 

「危うく冥界を彩る灯りの一つになるところだったぜ……」

「それ欠片も大丈夫じゃなかったってことだよな?」

 

 

 黙るんだROUTEさん、目の前で必死に頭を下げるAUTOさんの姿を前にしちゃ余計なことは言えんのだ()

 

 まぁ冗談はともかく、である。

 どうにも事ここに至るまで全てTASさんの思惑・手のひらの上っぽいことを思えば、正直巻き込まれただけのAUTOさんを責める気にならないのは当たり前の話というか。

 

 

「あん?」

「こうして俺が殴られて死の縁を彷徨うことまで予定調和だった、ってこと」

「はぁ???」

 

 

 それを聞いたROUTEさん、安定の疑問の意の提示(首傾げ)である。

 ……まぁうん、俺も他の人がこんなこと言い出したら、多分頭の心配するかもしれないのでその辺は気にしないけど。

 

 ともかく、ここまでが全てテンプレ……もといTASさんの予測通りであると感じた理由があるので、それを伝えることから始めるとしよう。

 

 

「そりゃ一体どんな理由だ?」

「殴られてから今に至るまでそこらに半透明の人が見える」

「……はい?」

殴られてから今に至るまで、そこら中に半透明の多分幽霊らしい人達が見えるようになった

「明らかにヤベー影響が出てる!?」

 

 

 ええまぁ、はい。

 今の俺、そこらに人の姿が見えてるんですよね。

 それも一人や二人ならず、結構な団体様の姿が見える、というか。

 ……これを安直に『幽霊』と呼ぶのはどうかなー、って気もするんだけども、正直そうとしか呼べないというか、仮に別の名前を付けようとすると『未練持ち』とかになりそうというか……。

 

 

「……ええと、未練持ち、ですの?」

「うむ。何せそこらに見える半透明の人々、俺の気のせいじゃないならアンダーランドに入場するために並んでた人が混じってるわけで……」

「ひぃっ!?」

「撤収ー!!ここ真面目にヤバいところだから撤収ー!!!」

 

 

 そこで、俺の発した単語に引っ掛かりを覚えたらしいAUTOさんが、前述の謝罪BOT状態から復帰。

 そのままその言葉の真意を問い掛けて来たのだけれど……こちらとしてはそのままの意味、としか言いようがない。

 

 だってねぇ?

 周囲を見渡して『私・俺はなんでこんなところに居るんだろう?』とか、はたまた『ええと、何をしにここまで来たんだっけ?』とか呟いているのが聞こえてくれば、そりゃあ嫌な予感しかしないでしょうよというか……。

 

 なお、そんな俺の言葉を聞いて現場にパニックが発生したが、TASさんの鶴の一声によって収まるまで大体数分掛かりました。

 

 

「お兄さんに現状を把握して貰うためのあれこれだったけど、それを聞いて周囲がパニックになるのは宜しくない」

「どの口が仰ってますの?!」

「私はパニックにはなってないもの。この状況を作り出したことを責められても『必要だった』としか言えないし」

「よくもまぁいけしゃあしゃあと……」

 

 

 ……はい、まぁ色々ありましたけどようやく落ち着いて話ができるようになりました。

 なったのでいい加減TASさんがなんのつもりでこんなことをしたのか、っていう部分を尋ねたんだけども。

 

 

「仕方ない。だってもう世界は滅びているのだから」

「……はい?」

 

 

 結局のところ、ここからが本当のパニックの始まりであったので大して意味はないのであったとさ。

 ……いや、どういうこと???

 

 

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