うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

690 / 728
この国やっぱり一度滅ぼした方がいいって!!

「お兄さんが『未練持ち』と言ったけど、その見方はそこまで間違ってない。一つミスがあるとすれば、それは彼らが世界に焼き付いた残像のようなものだ、という点」

「……????」

 

 

 あ、これはアカンやつですわ。

 誰も内容がよくわかってないというか頭に入ってきてないやつですわ。

 唐突な世界滅亡発言もあれだし、周囲の半透明の人達の説明についてもそうだし……何にせよ、こちらの受け止められる範囲を大幅に越えすぎていて、そりゃまぁ誰もわからん……とばかりに宇宙を背負うしかないですわ。

 

 

「……?みんなどうしたの?」

「どうしたも何もどうにかなりすぎてて受け止めきれないんだよ!!」

「なるほど、じゃあもっと詳しい説明しても受け止めきれない感じ?」

「え、それは……」

「例えばダミ子を置いていかないといけなかったのは、彼女がここにいることで全ての状況が取り返しが付かなくなるからだとか、他にも仮称・邪神組がここに来てたらあっという間にリソースとして吸収されてたとか、それから現在ROUTEがまともに選択視を使えないのは今のアンダーランド内が可能性の交差する一種の異空間となっているからだとか、説明されても受け止めきれないってことで間違いない?」

おう、絶対無理だな!

 

 

 今のではっきりした、全部説明されてもフリーズ時間が延長されるだけで何の解決にもならんわこれ!()

 なので、現在の俺達が何をすべきなのか、ということだけを聞くことにした俺達は。

 

 

「ん、そっちは単純。呪術師を止める、それだけでいい」

「わぁ簡単」

 

 

 目下やるべきこと──特に難しいことを考えずに目指せる目標だけを聞くことにしたのだった。

 ……前後の話と比べて余りにも簡単だったため、若干拍子抜けしたんだけども。

 

 

 

・A・

 

 

 

「ややこしい話になるけど、一通り説明することで立つフラグが必要だから今から話すね」

「ええ……」

 

 

 それ理解しなくてもいいし聞き流してもいい、みたいなノリじゃね?

 ……なんて思った俺だが、確かに今の状態で理解しきれるか微妙なのでとりあえず聞く態度だけ取るのであった。

 それは他の面々も同じだったようで、その姿を確認したTASさんは満足したように頷きながら話し始めたんだけども。

 

 

まず今回の黒幕は呪術師で間違いない。

 この呪術師は風の噂でこの国の地下に眠る冥界の話を聞き付け、それを利用して富を得ようと画策していた。

 実際それだけだと別に国の上層部と敵対する理由もない、っていうのは前周回の際この国に来たことのある面々は理解できると思う。

 毎回毎回滅びの危機って名目で冥界を利用してた、ってのは私達の中では周知の事実だから。

 そう、それだけなら問題なかったからこそ、こうして国を挙げての町興し……もとい国興しの様相になった。

 なんなら土産物の売上だけでも、わりと国の財政を立て直すに足る利益を挙げてると言っても過言じゃないレベル。

 そこまでなら何の問題もなかったけど、例の墓守は色々と心配してその呪術師に取り憑いてたみたい。

 生憎その呪術師にも、国の重鎮や王女様達にも気付かれないくらいに弱ってたみたいだから、本当に見守ってただけだったみたいだけど。

 それが変わったのは、私達が来る少し前のこと。

 件の呪術師は意外と力の強い人物で、それを使っての未来予知も行えたりするくらいだったんだけど……。

 その未来予知の中でダミ子の姿を見てしまったからさぁ大変。

 と言っても、ここで大変なことになったのは呪術師でも墓守でもなく、この冥界に蔓延る悪い気の方。

 呪術師の力が意外と強かったこと、それから彼らにそこまで強い意志がなかったからこそ問題はなかったんだけど、ここに来てダミ子というある種のブースターが来る、という未来を知ってしまった。

 それをきっかけに悪い気──敢えて悪霊と呼ぶけど、彼らは活性化。

 とはいえその状況下で迂闊に動くと、墓守にバレてしまう。

 墓守は弱っていても墓守、悪霊かつこの場所に縛られた彼らは墓守には勝てない。

 そこを重々理解していた彼らは暗躍を開始。

 徐々に徐々に呪術師を蝕み自らの傀儡にする、という方法を取った。

 墓守が彼らの企みに気付いたのは、呪術師がすっかり彼らの操り人形になってしまってからのこと。

 その時点で力関係は逆転したようなものであり、墓守は近くにあった狛犬に封印されてしまった。

 ……その狛犬をダミ子が破壊したこと、及びそれをやったのがダミ子だったことで、僅かな時間ながら墓守は力を取り戻し、呪術師に憑依して現状を打開しようと行動を始めた。

 ……んだけど、現状上手くいってないしこのままだと時間制限に引っ掛かって憑依が解除、再び呪術師は悪霊の手に落ちてしまう。

 それは不味い……と、とにかくダミ子から離れること・およびダミ子を中に入れないよう徹底し、かつこの事態を解決してくれるだろう私達(めんめん)がアンダーランドに確実に突撃して来てくれるようにするために『王女もここにいる』という噂を流し、自身はせめて墓守としての力が発揮できる冥界の奥深くに向かっている。

 なお、仮に今の状態の呪術師が冥界の奥深くに到達するとその時点でゲームオーバー。その辺はちょっとややこしいからここでは省略。

 

 ……わかった?」

わかるわからんの前に長いわ!!

 

 

 一話終わりましたけどぉ!?

 ……などと俺がメタいツッコミをしてしまうのも無理のない話、みたいなことになってしまったのであった。

 これでも幾らか説明を省いているってどういうことだよ!?

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。