「……要するに、欲張った結果滅びかかっていると?」
「端的に言うとそう。冥界のシステムが厄いのはみんな知ってるでしょ?」
「いやまぁそれはそうだけど……」
正直なところ情報の濁流過ぎてまともに理解できてるか怪しいのだが、ともかくこのままだとヤバいってことに間違いはない……ということでいいようだ。
その根本理由が相も変わらず国の重鎮達の欲深さによるものだというのだから、正直一度国としては滅亡しといた方がいいんじゃないかなーとも思わなくはないんだけども。
「……その結果周囲ごと巻き込んで滅ぶ、ってなると止めないわけにも、ねぇ?」
「というか色々聞きたいことがあるんだけどその辺質問大丈夫かな?」
「ん、ここまで来た時点で時間制限は解除されたから大丈夫」
「逆に言うとここまで来てなかったら制限ありだったのか……」
悠長にしてられるのもあとわずか、みたいな感じだったのか……とか唸りつつ、一先ず疑問点について議論することにした俺達。
その結果わかったことはというと。
「まず、王女はここにはいないと思っていい、と」
「ん。今のこの場所は色んな並行世界も混じってるから、何処かの王女がたまたまいる可能性はある。寧ろちょっと頑張れば誰でも呼び寄せられるから、ここでリセマラしていくのもあり」
「リセマラて」
まず始め、MODさんの出した疑問である『王女様の所在』について。
こちらに関しては、
代わりに現状のアンダーランド内は時間軸の入り乱れるいわゆる『なんでもあり』の世界と化しているため、逆に特定の人物をこの場に引き込んで来ることも可能とのことであった。
……要するにTASさんがとても喜ぶ環境ということになるので、彼女の挙動については目を光らせておく必要性がある、ということにもなるわけなのだが。
「俺が色々見え辛いのは……」
「ん。今のこの場所が色々混ざってるから。端的に言うと選択肢自体が無限に増えてる上にそれぞれのタグ分けが難しくて、貴方の能力の仕組み上受け止めきれない」
次いでROUTEさんの疑問、『自分が選択視を使えない理由』については、現状のこの空間に可能性が溢れすぎているから、ということになった。
彼女のそれは必要のない選択肢を振り落とし・纏めることで主に二択に持っていくという形式のものだが、この場所だとどうしても二択にならないどころか、下手すると四桁五桁どころの話ではない選択肢に埋め尽くされ脳がパンクする可能性大であるとのこと。
一応、見る範囲もとい期間を極端に絞れば選択肢をゴリッと減らせるため、現状の彼女の能力はそれを前提とした省エネ稼働になっているのだそうな。
……本人に自覚はあまりなく、能力側がある程度負担を考えて制限してくれてる辺りは明確な利点ということになるのだろうか?
「これから私達がすべきことは?」
「基本的には最深部を目指す。一番の問題というか懸念点だったダミ子とかDMとかについてはクリアしてるから、奥まで行って元凶をどうにかすれば終わる分話としては簡単。……まぁ、誰々倒せばいい、みたいな単純な話ではないけど」
それから、これが一番大きな疑問になるが……これから俺達はどうすればいいのか、という部分。
これに関してはTASさんの言によると、この場所の一番奥にあるはずの元凶をどうにかすればよい、ということになるらしい。
……同時、そのあとに続いたTASさんの不穏な物言いによって、向かう場所は単純でもたどり着いたあとがややこしい可能性が示唆されたわけなのだが。
「……奥に行って、何をするんだ?」
「その辺は行ってからじゃないとわからない。さっきも言ったけど現状のこの場所はなんでもありの状態。言い換えると
「まごうことなきクソゲーじゃねぇか!?」
何すればいいのか今現在決まってないってどういうことさ!?
……などと思わず叫んでしまった俺を誰が責められようか。
とはいえTASさんによれば、これも仕方のないことなのだそうな。
一応、向かうべき場所としては『この場所の一番奥』で決まっている。
決まっているが、同時に色んな人を呼び出せるようななんでもありの環境、というのが大分悪さをしてしまっているらしい。
わかりやすいところでは、例えば他所から新しい邪神組・まだ見ぬ邪神組を呼び出す、なんてことも今の状態なら可能だが。
同時にそれをした場合、彼なり彼女なりの加入イベントが現状のイベントに追加される、という形になるらしい。
……わかりやすく言うと、最深部で邪神とバトル!……みたいなことになるとか。
これはわかりやすい例だが、例えば他所から王女様を呼んだ場合は地下の怨霊達の鎮魂のためのあれこれに派生したりするし。
例えば他所からTASさんを呼んだ場合、唐突に冥界崩壊RTAが始まるなんて可能性もあるとのこと。
「そして一番の問題は、恐らく最深部に向かうまでに誰一人としてこの世界に呼び寄せない、なんてことが不可能だってこと。本来なら墓守が地下の怨霊達をみんな自身に取り込んで『こんな繰り返しはここで終わりにしよう!』とかなんとか言いながら平和の礎になるためにボスと化すんだけど、そのルートはもう選びようがない」
「そっちでよくねー!?話としては悲しいけどちゃんと纏まるしそっちのルートでよくねー!?」
──幻のルートと化した墓守さんラスボスルート。
それが良いことなのか悪いことなのか、現状の俺達には判別しきれないのであった。
……個人的には話の纏まりの面でそっちのが良かったと思います()