「……やはり、こういうのは見知った人を呼ぶのが一番の安牌なのでは?」
「そりゃまぁ普通に考えたらそうかもだけど……この場合、優先的に選ばれるのって多分サンタさんとかだぜ?」
「一瞬は穏便かもしれないけど、後々ハチャメチャなことになるやーつ」
というか、一応向こうの世界との繋がりを断った(はず)なのにこっちから繋ぎ直す……みたいなことになるのに問題がないはずがない、っていう別の懸念も湧いてくるというか。
……ってな感じで、一体誰と遭遇すべきかを真剣に話し合ってる俺達である。
本来なら完全ランダムなんだけど、TASさんがいる場合その辺はなんとかなるからね、仕方ないね。
あと、話題のTASさん当人はこの会議には不参加……もとい参加拒否である。
彼女を参加させると、これ幸いとばかりに『この機会にしか会えないキャラ』とかを挙げてくるのが目に見えているので仕方ないね。
……収拾付かなくなるのがわかってて止めないのは職務怠慢、とか言われても言い返せないから本当にしょうがない。
「むぅ……お兄さん達は酷い思い違いをしている。好き勝手にじゃなくて、ちゃんとこれからの話に必要な人を呼ぶのに」
「
「……ちっ」
「今舌打ちしたよこの子!?」
ご覧の通りTASさんは不満そうにしていたが……このまま行けばノーマルモードで終わるのに、わざわざハードモード用の人員を呼ぼうとしているのはわかりきっていたので当然の処理である()
……とまぁ、そんな感じで話していたんだけども。
会議は中々に難航していた、というのもまた間違いではない。何故かと言えば、呼ぶ相手が決めきれなかったからだ。
「まず、既にこっちにいる人は却下。ドッペルゲンガーじゃないけど、同じ人間がいることでどんな反応が発生するかわかったもんじゃない」
「……というか、明らかにTASさんが喜ぶ環境でしかありませんから、なおのこと却下ですわね」
提案頻度が高かったのは、既に見知った人間を呼ぶ案。
まったく未知の人間を呼ぶよりは対処が容易かろう、という予測から特に三周目組から多く挙がった提案だったが……今しがた俺とAUTOさんが述べた理由から却下。
既にDMさんを筆頭とする邪神組で似たようなことになっているのだ、これ以上変な因果を背負いたくはない……ってな感じの理由である。
なんならいつぞやの『ID被り』云々の話が再発しかねないので余計の事、という話だ。
「妹をこっちに連れ戻す……みたいなのは良くないんだろうね、多分」
「そもそも呼ばれて出てくるの、貴方の妹本人じゃないかも」
「……あー、並行世界出身・同じ顔の別人が来るかもってこと?」
「そういうことー」
次いで挙がった案は、MODさんのもの。
彼女の妹さんは他所の世界に吹き飛ばされてしまったため、この機会に乗じて戻ってきて貰うという案だ。
意外といい案に思えたが、これに関してはTASさんから止めた方がいい、との訂正が入った。
なんでも、確かにこの空間は現在数多の可能性が入り乱れる場所となっており、好きな相手を呼び寄せられる可能性が非常に高いけど……相手側の世界、すなわち相手の
なので、例えば他所の──MODさんと一緒に平和に暮らしている妹さんをそこから引き離す、みたいなことにもなりかねないので止めておいた方がいい、と。
一応乱数調整とかすれば、明確にMODさんの妹本人となる相手を選択することもできるみたいだが……。
その場合、無理矢理こっちに引っ張ってくる形になる上、向こうに戻る手段もないので別れの挨拶もできずに終わってしまう……という、明らかに妹さんに恨まれる事態に陥るので非推奨、ってことになるらしい。
因みに似たような理由で部長さんとかを呼んでくるのも却下。
あの人精神だけでの他世界旅行とかやってるみたいだけど、それでもこの『ダミ子の檻』()に包まれた世界から戻るのは無理、みたいなことを言っていたので確実に一方通行になる。
それって要するに誘拐じゃん、ってことになるので自動的に却下となるわけだ。
……まぁ、部長さんに関してはこっちに来たあと色々とうるさそう、って面でもお断りなんだが。
……どこからか聞こえてくる『なんか私への扱い酷くないかしらー!?』という幻聴を聞き流しつつ、他の案への考察も進めて行くけど……。
「うん、微妙!決め打ちするのはほぼ不可能、としか言いようがないや!」
「だったら私が好きなの選んでも……」
「それは却下」
「むー!!」
……うん、大丈夫そうな相手を選んでから出現させる、って方法には無理があるとしか言いようがない。
ってなわけで、ぶっつけ本番でやるしかないという風に決まってしまったのだった。
TASさんのブーイングの声がうるさいけど無視だ無視!