「折角の機会なのに……色々呼べるのに……」
「はいはい、後でお菓子作ってあげるから」
「むぅ、お兄さんは私がそんなもので買収されると思ってるの?とりあえず三段ホットケーキメープルバター乗せを所望」
「アイスも付けるか?」
「ん」
(……これ、買収サレテルってコトでいいんデスよね?)
文句を言うTASさんを宥め賺し、行き当たりばったり()で進むことを決定した俺達。
下手に相手を決め打ちするとそれはそれで問題になりそう、ということからの決断であったわけだが……はたしてこれが吉と出るか凶と出るか。
ともかく先に進むしかない、ってことで再びアンダーランドの奥へと向かい始めたんだけど……。
「なんか早速後悔しそうなんだけど」
「気をしっかり持ってくださいまし!その調子ですとTASさんが大義名分を得てしまいますわよ!?」
「そうは言うけどさぁ~……」
開始数分、既に心が折れそうな俺です()
なんでかって?この数分の間に俺達が出会ったものを見ればわかると思うよ(遠い目)
「我々宇宙人汝糧此処終着」
「
「非道」
まず一組目、見た目わかりやすい宇宙人(何故か似非中国語)。
パチもん臭凄かったから思わず殴り飛ばしてしまったが、そのまま虚空に消えていったので多分それで正解だったんだろう。
……殴った際に脳裏に過った『星1』ってどういう意味だったんだろうね()
開幕から意味不だが、二番目も中々に理解し辛い存在であった。どんなものかというと、だ。
『み゛に゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛』
「うるせぇ!!」
『に゛ぎゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛』
「猫なのに全然可愛くない!?何あれ!?」
「子供の落書きの方が遥かにマシと断言できる見た目だったな……」
目力の強い白い猫、みたいな感じの見た目の薄っぺらな謎生物。
それが、次に現れたモノだったのだ。……辛うじてフォルムと鳴き声から猫だと判断したけど、アレを猫と認めるのは色々と無理だったので一つ目と同じく殴り倒したのは言うまでもない。
なお、脳裏に過った言葉は『星5』であった。
……途端に厄物の香りがしてきたけどあれ本当に殴り倒してよかったんですかね?()
「ん、不要なキャラを換金しているようなものだから問題はない。例えどれほどイカれた相手であれ、システムの壁に反抗するのは難しい」
「そこで不可能って言わない辺りがTASさんだよね……」
自分を基準にすると、分厚いシステムの壁もグリッチとかバグとか多用して回避するから参考にならない……みたいな思考が脳内で繰り広げられたんだろうなー……。
ってな感じで、何故かドヤ顔で解説してくれるTASさんにジト目を向ける俺である。
今のやり取りで気付いたかもしれないが、どうやらこの場所で現れるモノというのは、一種のガチャに近い抽選形式で発生しているらしい。
その上で、遭遇確率が低い相手は高い評価が定められている、と。
……すわなちさっきの猫もどき、あんな見た目で高レアってことになるんだけど……どういう意味合いで『レア』だったんだろうか、あれ?
「ん、聞きたい?」
「止めとく、TASさんがそういう時って大抵ろくでもない話だから」
「ん、お兄さんは懸命」
……あ、絶対ヤベーやつだったんだわあれ。
思わず背筋を震わせつつ、変わらず先を急ぐ俺達。
どうにも走行距離がガチャのタイミングと密接に関わっているようで、ある程度の距離を進んだ時点で謎の生き物達がポップしてくる形になっているようだ。
なんなら相手が出てくる場所もランダム。
さっき例に挙げた二匹は普通に俺達に立ちはだかる形で出現した(ので邪魔になったから殴り倒した)が、他にも近くの地面からひょっこり頭を出していた巨大なモグラ(止まらんかいー、とか聞こえたけど丁重に無視した。過った言葉は『星3』)だとか。
はたまた、上からポロポロ落ちてきた雪みたいなふわふわの毛玉(珍しくわかるように名前が付いていた、ぬいぐるみのタグのように。それによればケセランパサランでリアリティは星1)とか、いつの間にか頭に乗っていた謎の小さなパンダ(星2)とか……まぁ、現れ方も様々である。
「ここまで人が出ていない、というのは不気味だねぇ」
「ん、人間タイプは例外なく高レアリティ。そんなに簡単には出てこない」
「……このガチャ最高レアは幾つ?」
「星5」
「さっきの猫もどきで運を使い果たしてやがる!?」
いやまぁ、このノリで行くと出てくる人間も大概アクの濃ゆい面子になるのが目に見えているので、正直出てこないのなら出てこないでまったく困らんけども!
とはいえこう、なんか変に損した気分になるからよくないなこれは!
『み゛に゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛』
「とか言ってたらまた来たんだけどぉ!?」
「ん、このガチャ最大十凸だからそこまでは被っても問題なし」
「敢えて言わせて貰おう、
貴重な星5枠二回も潰してんじゃねぇよオラァ!!
……ってな感じに猫もどきを再度吹き飛ばした俺なのであった……。