はてさて、攻略の余韻もすっかり冷めてしまったくらいのタイミングで、ようやく墓守さん達と話をする機会を得られた俺達である。
……え?お前らが勝手に死にかけてただけで、向こうはずっとこっちと話をしようとしてた?知らんな()
『ははは、君は相変わらずだねぇ』
「そっちも相変わらず……うん?」
『そうだね、
「oh……」
……今の短いやり取りで色々判明しちまったんだが?
この墓守さん、俺達がよく知ってる
いやまぁ正確には本人ではなく、前の周回に存在した墓守さんから記憶を受け継いだ別人もとい別墓守、なんて可能性もなくはないけども……。
うん、あの笑い方からして本人で間違いないだろう。
胡散臭さが限度という天井を突破してらぁ。
『酷い言われようだねぇ、まぁ私が胡散臭いことは否定しないけど』
「自分から肯定して行くのか……」
『そりゃまぁ、別に否定してもいいけど今回それはメインの話じゃないからねぇ』
……まぁ、確かに。
仮に彼が俺達のよく知る墓守さんだったとして、今回の騒動の説明に関係あるかと言われると微妙だろう。
特に何事もなければ、彼自身はこの冥界と共に眠り続けていた──何も問題が起きることはなかったのだろうし。
「……えっと、もしかして早々に私の話に移行してます?」
『そうだねぇ、過程はどうあれこの事態を引き起こしたのは君だからねぇ……』
「うぅっ、やっぱり性格悪いよこの人……ええと、詳しい説明が必要ですか?」
「そりゃまぁ必
「!?」
そのまま、話題は彼の隣にいる呪術師さんについての話に移行……するかと思われたのだが、それに待ったをかけたのがTASさんである。
スキップ不可のイベントが差し込まれる気配でも感じたのか、彼女は唐突に俺を突き飛ばしたのだ。──ダンプにはねられたような衝撃!?
そのまま異世界転生でもしそうなダメージに思わず話は中断、近くにいた呪術師さんも弾みで吹き飛ばされて尻餅を付き、目深に被っていたフードが捲り上がって……。
「……あれ?同人ちゃん?」
「誰ですかそれは!?」
「うーむ、見れば見るほど似ている……」
『私はその『ドウジンチャン』?とやらに会ったことがないからなんとも言えないけど……そんなに似ているのかい?』
「それはもう、生き別れの双子かはたまた親子か、ってくらいには」
『ふぅん?そりゃまたなんとも、だ』
はてさて、自己紹介キャンセルを食らった呪術師さんが気まずそうに座っている姿を、みんなで周囲をぐるぐる回りながら確認しているのだけれど……。
うん、見れば見るほど同人ちゃんとそっくり、という言葉しか浮かばない。
一応細かい違いはあるものの、それは互いを完全な別人と結論付けるには弱いものばかりで、結局『二人が瓜二つ』という結論を覆すまでには至らないのであった。
まぁ、本人が言うことに間違いがなければ、少なくとも呪術師さんの側に同人ちゃんについての情報はない、ということになるのだが。
「あれかな、世界には自身と同じ顔の人間が三人はいる、みたいな話だったり?」
「もしくはどっちかが姿を真似ている、とか?この場合呪術師さん側に覚えがないってのが本当なら、真似してるのは同人ちゃん側ってことになるけど」
「……なんのために?」
「さぁ……?」
そんなのわかるわけないじゃん、というか?
ただでさえこの場に同人ちゃん本人が居ないのである、当人の反応も見られないのに考察したところで答えにたどり着けるわけないだろ、としか。
……いやまぁ、約一名ほどその辺を正確に認識できそうなのがいるけども。
「…………ん?!私は違うよ!?」
「いや闇読書家ちゃんじゃなく……ってあれ?!TASさんがいねぇ!?」
「いや待て、これは居なくなったんじゃない、気配を極限まで薄くして私達の索敵範囲から隠れているだけだ!」
『なるほどそういうことなら私の出番だね。お任せあれ、瞬きの間に終わらせよう』
その約一名──TASさんに視線を向けようとした俺達だが、さっきまでが彼女が居たはずの場所に代わりに立っていたのは闇読書家ちゃんであった。
あれだ、背格好がほぼほぼTASさんだから入れ換わってたことに気付かなかったというか。
幸いにして彼女が姿を消してからさほど時間も経っておらず、ちぇーと残念そうにするTASさんを確保することに成功したのだけれど……。
「吐け!吐くんだ!何を知っているTAS!」
「ツーン。黙秘権を行使する」
「貴様ー!!?」
ご覧の通り、彼女は何も言うつもりはありません、とばかりにそっぽを向いていたのだった。
……そこまでして隠すって何があるのさこの話?