はてさて、取っ捕まったわりに強情なTASさんの姿を見て、何やらややこしいことになってそうだと察し始めた俺達である。
いやだってねぇ?
どう考えてもさっさと真相をゲロった方が早そうなのにこの態度、少なくともしばらく時間を稼ぐ必要性がある……くらいの話にはなりそうだというか。
「……ソンナ、コトハ、ナイヨ?」
「あからさま過ぎる片言!?」
「こうなるとどっちかわからなくなるね……」
『ああなるほど、普通の人なら動揺と受け取るけど、彼女の場合は状況の調整とかそういうパターンも想定しておくべき、ということになるわけだね』
「はぁ、なるほど」
「……みんなが私のことよく理解してくれてて嬉しい」
そのわりには嬉しくなさそうですが?
……そんなわけでいいからさっさと事情を吐け、とTASさんを詰めたところ、判明したのは次のような情報であった。
「……ええとつまり?この呪術師さんは他所の世界の同人ちゃんだと?」
「正確には同人の方が他所の世界の人。丁度MODの妹とは逆」
「えっ」
「本人が言う必要もないと思ってるというか、そもそも例のあれこれをこっちが知ってると思ってないから話してこないけど……経緯もほぼ同じ。……というかぶっちゃけるとMODの妹と入れ換わりにこっちに来たのが彼女」
「そんな馬鹿な!?」
「だって三周目で増えた設定だもん、知らないのも当然」
「はぁー!?」
いや色々ツッコミ処多すぎやしないかい?
……ええとつまり、MODさんの妹である不思議さんが他所の世界に飛ばされた際、入れ換わりにこっちにやって来たのが同人ちゃんである、と。
とはいえその事件自体俺達の繰り返しの範囲の外であること、及び
……ついでに言うと例の黒曜について彼女はそれを神の力と認識しており、それを為したであろう邪神を奉ずることにも繋がったと。
「なんで邪神を崇めてるのかと思ってたけど、そういう繋がりだったのか……」
「というか、他所の世界に連れてこられたのに崇めてるんだね」
「ん、人智の及ばぬ現象に人が抱くものなんて恐れか尊敬かくらいのもの」
「……言ってることは間違ってないはずなのに、TASさんがそれを言うと途端に胡散臭くなるのはどういうことなのだろうか」
「
「聞こえてるじゃないですかヤダー!!?」
わぁ、久しぶりのTASさんの噛みつき攻撃だー(白目)
……それはともかく、なんやかんやと細かい謎が明かされて来たような気がするものの、それをTASさんが黙ってた理由がよく分からないような?
なんて風に首を傾げていたら、脳裏に響く彼女の声。
(だってMODはまだ例の黒曜が
(あれそうだっけ?)
(あれ違ったっけ?)
……んん?
ま、まぁともかく。
どうやらTASさん、呪術師さんの正体について語ることで、連鎖的に邪神組が不思議さんの転移の原因である、とMODさんに気付かれることを嫌った結果、あんな感じに黙っていた様子。
こっちとしてはどっかのタイミングで知られてたような気がするのだが……本人が『なるほど、あの黒いのは彼女達の仕業だったのか……』とか言ってる辺り、少なくとも知らなかったと言う体で済ませるつもりである、ということは間違いなさそうだ。
(……そういえば下手すると俺が刺されるかも、みたいな心配をしたこともあったっけなぁ)
(ん、とりあえず刺されなくてよかったね)
本当にね!
……とりあえず、隠していた理由がそれってことは、特に他の問題はないと判断してもいいのだろうか?
そんな感じに改めてTASさんに尋ねたところ、返ってきたのは次のような言葉であった。
「それで間違いないはず。あとは呪術師と同人が顔を合わせないようにすれば一先ず終わり」
「なるほどなるほど。……ん?顔を合わせないように?」
「?そこ疑問に思うところ?別世界の同位体が至近距離に存在すると反物質との反応みたいになって世界が滅ぶ、なんてのは常識中の常識だと思うけど」
「ちょっと待って?」
初耳というか初めて聞いた設定なんだが???
いやというか、今までも散々他所の世界の同一人物が揃う機会なんて幾らでもあったじゃん、主に俺とかTASさんとかTASさんとか!
……ってな感じに尋ね返したところ、彼女は何を言ってるのかわからない、みたいな感じに首を傾げたのち、
「……あ、なるほど。同位体と同一人物は違う。ピ◯チュウが幾ら集まっていてもそれは同種であれ同位体ではないから」
「なんでピ◯チュウで例えた?いやまぁわかりやすいけども」
と答えを投げ返して来たのであった。
……ええとつまり、今までのは同一人物イコール同種族みたいな扱いであって、彼女達は本当に同じ存在である……みたいな?
そんな感じに答えたところ、TASさんはその通りとばかりに大きく頷いていたのであった。
……わ、わかりにくーい……。