「冥界で滅亡の危機、とか言ってたら別方向の危機が襲ってきた件について」
『いやホント、君達は相変わらずだねぇ。そもそも冥界の案件も完全には解決してないって辺りが筋金入りだ』
「解決してないの?!」
『いやそりゃそうだろう。冥界がこうして健在な内は解決した、なんて口が裂けても言えたものではないよ』
あくまで沈静化しただけだよ、と宣う墓守さんに思わず唖然とする俺。
……いやまぁ、言われてみれば確かにって感じでもあるんだけどさ!
冥界のシステム自体が危険物なのだから、それを利用できる状態で残っているってのが危ないのは理解はできるよ!
でもここまで来たのならサクッと解決してて欲しかったなーというか!
「それは無理」
「なんでさ!?」
「終わってたら同人もここまで来るはず、他のみんなと一緒に」
「oh……」
なお、その辺はバッサリTASさんに切り捨てられました。
……ってかこの様子だと、これがあくまで一時的な処置であることを承知の上でここまで進んできた感あるなこの子?
と、ともかく。
どうやら今までの類似例とは違い、同人ちゃんと呪術師さんが同じ空間にいるのはダメというかヤバいというか、とにかくそんな感じなのでどうにかしないといけないらしい。
ついでに言うとさっきまでは(取り憑かれてた)呪術師さんを止めることが目的だったけど、ここからは寧ろ彼女にはあれこれやって貰わないといけないというか。
「……はい?」
『まぁそうなるよねぇ。同じ存在が同じ場所に居てはいけないというのだから、片方はどこか他所の世界に行かないといけないわけなのだから』
「は、はぁ?!」
その言葉を聞いてすっとんきょうな声を上げた呪術師さん。
直前まで
……とはいえ、こっちとしてはぼけーっとしたままで居てくれた方が(色んな意味で)楽だったことは間違いない。
なんでかって?今まで語ったことを総合するとなんとなーく予想できると思うよ()
「異世界への移動のための技術は基本、
「ま、まさか……!」
「ん。他所に行く人間が航行技術を覚えていてもこっちには何の問題もない。言い換えると
「……ふ、ふふふざけるなー!!?」
……流石に何も知らせず唐突に他所の世界に放り出すのは気が咎めたのかなぁ、なんて風に考える俺なのでありました。
はい、現状の危機回避のため、呪術師さんには自身の手で他所の世界に渡って貰う必要があるわけなのですが。
そりゃまぁ、いきなり生まれ育った世界から出ていけと言われて「はいそうですか」と出ていける人間が何人いるんだ、って話でして。
「いやまぁ正直なところ、こうして冥界関連であれこれ問題起こした状態でこの世界に居座れるか、と言われると微妙なので渡りに舟なところもあるんですけどね!?」
「あれ、そうなんだ。だったらそのまま行けば良くない?」
「それができないからこうして声をあげてるんでしょうがー!?」
おお、同人ちゃんとは別方向だけど打てば響く人間性だ。
……とまぁ冗談はともかく、意外なことに呪術師さん本人は生まれ故郷を捨てる形になることにそこまで忌避感はないとのこと。
元を辿れば彼女が迂闊にも冥界の封印を解いたことで今回の騒動が始まった、ということでもあるのでその辺の責任を取る意味でも他所の世界に行くことに異論はないのだとか。
じゃあ何が問題なのかと言うと、そもそも異世界移動の手段なんて知らないよ、って部分。
もっと言えば、こっちの人間がそれを知ってると困る以上、これから彼女は独力でそれを発見しないといけないということになるわけで。
……言われてみればとんだ無茶振りである。
『幸いにしてこの場所は現在時間の流れからは切り離されている。老化しないに等しいわけだから、覚えるまで延々と研究ができるね?』
「死という安寧すら許されないと仰る!?」
「ん、エネルギーは足りてるというか、移動の際に消費してくれることも込みの状況だから覚えて貰わないと困る」
「責任を取ると言わなければこんなことには!」
「言ってない場合無理矢理放り出されることになるよ?」
「どっちにしろ地獄!?」
……なんか段々可哀想になってきたけどその話は置いといて。
今しがたTASさんが告げたように、実は呪術師さんの異世界移動には冥界に蓄えられたエネルギーの消費先、という面も兼ねていたりする。
裏を返せば
なんというかこう、変に巻き込まれるというか無茶振りされる辺りが同人ちゃんと同一人物なんだなぁ、と感じさせてくれる呪術師さんなのであった。
……え?ほっこりしてなくていいからなんとかしてくれ?無理ですね、はい。