うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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君よ閃光の先に行け

 引き続き爆発を目の前に暮れなずむ俺達である。

 いや真面目に、とんでもないものを置き土産にしてくれたもんである、流石は呪術師だな!

 

 ……どこからか『私のせいにすんなー!』という抗議の声が聞こえてきた気がするけどスルー。

 いやスルーするにはちょっとばかり勿体ないというか、あの人確かに同人ちゃんと同一人物だったんだなー……みたいなしみじみとした感慨がないわけでもないけども、それでもスルー。

 なんでかって?TASさんがこっちを見てるからですね……正確には俺の脳裏に響いた抗議の声の元である呪術師さんを見てる、というか。

 

 あれだ、漫画的表現になるけど枠外で話してるキャラが居て、枠内にいるキャラには気付かれないはずなのにずっと目で追われてる……みたいな?

 あるいは猫が何もないところをジッ……と見詰めてるみたいな感じ。

 なんにせよロックオンされてることに間違いはなく、下手すると意識だけTASさんに取っ捕まるとかいう凄まじく可哀想なことになりかねないのでスルーしてる、というわけである。

 

 

「長い、三行」

「TASさんの熱い眼差しが呪術師さんをいつか滅ぼすだろう……」

「……三行じゃないし、お兄さんは人のことをなんだと思ってるの」

「ん、TAS」

「…………」

 

 

 あっ、不貞腐れた。

 こうなると長いんだよなーしかも今は機嫌取りもしにくいんだよなー、と唸る俺の横でMODさんは『なにやってるんだこいつら』みたいな眼差しをこちらに送ってきているのであった。

 

 

 

・A・

 

 

 

『仲が良いのは宜しいが、いい加減対策を考えないかい?』

 

 

 いつまでもこうして固まったままでいるわけにもいかないだろう?

 ……という墓守さんの鶴の一声でようやく奇妙な硬直状態から脱した俺達。

 とはいっても問題が根本的解決を迎えたわけではなく、単に後回しにされただけなので終わってからが怖いわけだが。

 

 そんなわけで、一つの爆弾を放り投げ、もう一つの爆弾に向き合い直した俺達だったわけだが……うん。

 

 

「考えようって言うけど正直何も思い付かない件について」

「これに関しては彼に同意だね。わりと真面目に取り返しの付かないタイミングでポーズボタンを押した感じだから、正直この後はじわじわと迫り来る滅びを前に、意味のない命乞いを続けるしかないんじゃないかとすら思うよ」

「余りにも後ろ向き。でも悔しい否定できない」

「なんで微妙に如何わしい表現なのさ……」

「ん、闇の読書家としての特徴の発露」

「それ今やる必要あった?」

「あった。だって最早遺言タイムみたいなものだから」

「ツッコミ辛いこと言うのも止めない???」

 

 

 止めろよ本気なのか冗談なのか判別に苦しむだろ、ただでさえ君TASさん属だから表情読み辛いんだし。

 ……いやまぁ俺は読めますけどね、読んだ結果大真面目に適当なこと言ってることに気付いたんで困ってるんですけどね?

 

 まぁ、気持ちはわかる。

 対策を練ろうにも練った作戦を披露しようにも、どちらにせよ時間が足りない。

 だからって逃げようにも……うん、逃げきれない可能性大だね。

 なんやかんや逃げきれそうなTASさんはともかく、他の面々は爆発に巻き込まれる可能性大だろう。

 いや、TASさんにしても真っ当に逃げると言うよりは、爆風やらなにやらをその場で華麗に回避し続ける……みたいな方向になるだろうから決して余裕ってわけでもないだろう。

 

 この中で一番生存確率の高いTASさんがそれなのだ、他の面々にできることなんてほぼ何もない、と言い換えても問題ないだろう。

 辛うじて、爆発に変身してごまかすなんて手段の取れそうなMODさんくらいのものだろうか?

 

 

「いや無理だよ、変身するにしても時間が掛かるんだ、一瞬で変身するわけじゃないからどう考えても爆発に呑まれるよ」

「ダメかー。……真面目に呪術師さんに恨み言を残して死ぬしかないのでは?」

「決意が後ろ向き過ぎる……」

 

 

 とは言っても、現状詰んでるのは変わらないからなぁ……。

 一応こうして永遠に悩んでれば時間は止まったまま、俺達も生存したままだが……それもそれでそのうち発狂しそうで怖いし。

 

 

『なるほど打つ手なし、と。……こうなっては仕方がない、私がなんとかするしかないようだね』

「え、ここから入れる保険があるんですか?!」

『あるよー、保険ではなく地獄への片道切符だけどね』

「はい?」

 

 

 そんな中、何かを決意したような声をあげるのは墓守さん。

 前と比べればなんとなく表情が読めるようになったその顔面には、なんとなく自信のようなものが見え隠れしている。

 

 ……つまり、この事態を解決する策があって、それの成功すら確信しているってことなんだろうけど……それは一体?

 期待と困惑混じる俺達の視線を受けながら、彼は勿体ぶるようにゆっくりと、自身の案を披露して見せたのだった。

 

 

『こう考えるんだ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、とね』

「……へぁ?!」

 

 

 ……聞いといてなんだけど、やっぱりダメかもしれない(白目)

 

 

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