うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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いわゆる流行りのものの一つ

「さて、それでは改めて自己紹介と行こうか。私はかつて君達が墓守と呼んだもの。ただそれだとややこしいから、どうぞ気軽にDBとでも呼んでくれたまえ」

「……一応聞いておきますが、どういう意味ですのそれ?」

「さて、ゴミ箱もとい冥界(ダストボックス)とでもいわゆる先人(データベース)とでも、好きなように解釈してくれたまえ」

「なんなのこの人……」

 

 

 いや本当にね!

 かつて墓守さんと呼ばれた多分男性だったはずの彼は、現在なんかフワッとした……言い換えると非常に胡散臭い女性へと変身?転生?していたのだ。

 

 いやまぁ、胡散臭いという面ではこうなる前から結構あれだったけど、こうして肉の体を得た結果それが加速した感じしかしないというか。

 ……っていうかしれっと性転換してるっぽいんだけどその辺も、どうなんです?

 

 

「おや、気にするのはそこかい?私としてはそういうのは既に乗り越えたものだと思っていたのだけれど」

「はい?」

「いやほら、君ってば結構頻繁に女の子になったりしているんだろう?最早性別の差なんて気にする要素がないんじゃないかなって思ってね」

「なるほど……?……いや待ったアンタの前で性転換なんぞしたことなかったと思うんだが?」

「おやそうだったかな、これは失敬失敬」

 

 

 ……うわー面倒臭ぇー。

 不定形だった時はもうちょっと自重が利いてた気がするんだけど、今となっては威厳の欠片もありゃしねぇ。

 その癖元々持ってた胡散臭さと面倒臭さは据え置き・もしくはグレードアップしてるってんだから、最早早急に縁を切り他人のフリをし見なかったことにして帰りたくなることうけあいである。

 

 

「酷いなぁ、君達のために色々失ってまで助けてあげたというのに、命の恩人に感謝するどころか面倒臭いと投げ捨てる気満々とは……いや本当に現代の人々は薄情だなぁ」

「めんどくせー……」

「貴方様、その意見には同感ですがそこを指摘しても話が進みませんので、ここでは一旦置いておきましょう」

「置いておかないで欲しいんだけどなぁ……とはいえまぁ、私としても詳しい解説が必要だと思うのは間違いないね」

 

 

 とはいえ、その辺を言い続けても何も進展しない……。

 というAUTOさんの言葉を聞き、それもそうだと頷いた俺。

 

 何せ墓守さんが()()()()()のは、弾け飛ぶエネルギーに彼が飛び込んですぐのこと。

 何が起きたのか理解できてない俺達に対し、彼女は『驚いているところ悪いけど、さっきので爆発が完全に止まったというわけではないんだ。この広間の周囲が巻き込まれる程度の範囲に縮小したとはいえ、爆発は爆発。生き埋めになりたくないんなら早急に回れ右、だ』などと俺達を急かし、広間からの脱出を優先させたのである。

 実際墓守さんが飛び込んだことで勢いの弱まったと思っていたエネルギーは、彼女の言葉の直後に鈍く輝きを取り戻し、俺達を大いに慌てさせたことは記憶に新しい。

 

 ……その結果、詳しい話を聞くまえに逃げ出すこととなったため、実のところ目の前の相手が本当に墓守さんなのか?……ってのもいまいち納得できていないのであった。

 あれだ、そのタイミングに託つけて何方か様が飛んできた……みたいな話の方が納得できるレベルというか。

 

 

「丁度あそこって新キャラ発生率上昇中だったわけだし」

「あはは、ガチャの話を引き摺りすぎじゃないかい君?とはいえ君の疑問ももっともだ、ここからは詳細な自己紹介タイムと洒落込もうじゃあないか」

「……なるほど?」

 

 

 ってなわけで、自称墓守さんであるところのDBさんの自己紹介が始まったのだけれど……。

 

 

「あーうん、これは間違いない。この人は紛れもなく墓守さんだ」

「わーい」

「いやわーいってどういう喜び方?」

 

 

 話を聞けば聞くだけ、彼女が墓守さんであると──それも前周回に出会った彼が生まれ変わった姿であると納得せざるを得なくなってしまったのであった。

 前周回の話を子細に語られた上、そうして話す姿を見続けて・聞き続けていればそれも無理のない話である。

 

 というのも、見た目こそ似ても似つかないものの、仕草や話し方の癖がMODさんと似ていたのである。

 

 

「……まぁうん、確かに私もちょっとだけ、ほんのちょっとだけそう思ったけどね?でもそれを判断基準にするのは何かおかしくないかな?」

「いやいや、おかしくはないよ()()()()。聞けば君の妹君にもどことなく似ているとのことじゃあないか、これは血の繋がりを感じざるを得ないね!」

「止めてくれ君が私の行く末、みたいな感じになるだろうそれだと!?」

「そんなに嫌がらなくてもいいじゃぁないか、このこのぉ~」

「うわぁ……」

 

 

 そう、本人も今しがた述べた通り、DBさんから感じる空気感がMODさんプラス不思議さん(その妹)のそれだったのだ。

 それはもう、遠かろうと血の繋がりがあるのだと思わざるを得ないレベルのものというか。……不定形の時はそこまで思わなかったのに、不思議なもんである。

 

 

「というか、君は確か後継を残さなかったんだろう?!血なんて繋がらないだろう普通!」

「いやいや私はこうも言ったはずだよ、私の家族から系譜は繋がっているとね」

「あああああああああああ」

(どんだけ嫌なんだろう……)

 

 

 認められるかぁ、とでも言わんばかりに発狂するMODさんを楽しそうに眺めているDBさんを見て、こりゃ面倒なことになってきたぞと溜め息を吐いた俺なのであった──。

 

 

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