うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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いっそ笑えば福来る

「はーおかし。そんなに思い詰める必要もないだろうに、ねぇ?……ってあれ、みんなどうしたんだい?」

「お前がどうかしてたんだよ!!」

 

 

 十数分後。

 ようやく気が済んだのか笑いが止んだDBさんを前に、皆が皆疲れたような表情を見せていた。

 それもそのはず、笑っている間の彼女は何か特殊なパワーでも働いていたのか、こっちの話をまったく聞いていないどころか、そもそもこっちの干渉に気付いていない様子だったんだもの。

 いっそ殴り飛ばしてやろうかとも思ったけど、流石に見た目女性を殴るのはちょっと……って感じで躊躇が勝ったし。

 

 ……え?DBさんの背中に向けて、執拗にドロップキックしてたTASさんを横目で見てたからだろうって?

 ついでにいうと明らかに人体から鳴るような音じゃない金属音がゴンゴン響いてたから余計にやる気がなくなっただけだろうって?ソンナコトナイヨー。

 

 まぁともかく、ようやくこっちに気付いて貰えたのだから、何が起きているのかの説明責任を果たして貰うのが先だろう。

 この様子だと何がどうなってこうなったのか、というのは理解しての笑いだったのだろうし。

 

 

「え?私が笑っている時何故無敵だったのか知りたいだって?」

「いやその情報はいら……いら……いやいらん!聞いた結果TASさんが真似し始めたら色々不味い!」

「もう遅い」<ガキーン

「TASさんが鋼鉄のTASに!?」

「唐突にフルメタルカラーになってますけど多分それ別系統の技術ですわよね?」

 

 

 一体どこで鉄の帽子()拾ったんだ、そんなもの捨ててきなさい!

 ……とまぁ、地味にわかり辛いネタは置いとくとして、だ。

 DBさんの無敵の秘密はどうでもいいので、なんで王女様が唐突に首を差し出してきたのかを確認したところ、次のような答えが返ってきたのであった。

 

 

「……帰って来た王?」

「ほら、私と言えば初代冥界行の結果富をもたらした者だろう?まぁその実態は体のいい生け贄だったわけだが……私の雰囲気がMOD君に似ているというのと合わせると、彼女からは初代の怨念が国を滅ぼしに来たように見えるわけだね」

「……そうなんです?」

「え?ええとはい、というか貴方はどなた様……先代様がお二人!?

「えー……」

 

 

 前の周回の際、変なノートが王女様を操っていたりしたことがあったのを覚えているだろうか?

 MODさんと王女様、共通の曾祖母の祖母である先代様が未来を見て絶望し、国ごと世界を滅ぼそうとしていたあれである。

 あの時、操られていた王女様は彼女を先代様と呼んだが……なるほど、今のDBさんはその先代様にも空気が似ているようだ。

 

 ついでに言うと、件のノートへの干渉権すら持ち合わせているようで、結果として王女様はDBさんを先代の亡霊だと勘違いした、と。

 あれだ、ノートの方は変わらず永遠の安寧のために国を、ひいては世界を滅ぼそうとしているのだから、その似姿が現れたのであれば至らぬ自身を叱責しにきたのだろうと考えるだろう、みたいな。

 ……まぁ、王女様も洗脳されてないうちは滅びが正しいなんて思ってないだろうし、ノートの意思に抗うのも当たり前と言えば当たり前なのだが。

 

 というか王女様がこっちにやって来るイベントが発生してない辺り、ノートの支配力も弱まってるんじゃないのかなこれ?

 

 

「まぁ、それはあるね。何せ前回この子に触られただろう?例え時を隔てたものであれ、一度そうしたという因果があるのならそれがもたらす影響は甚大だ。君達風に言うと、前までは確率ゼロだったけど今なら一に満たずともゼロではない……みたいな感じかな?」

「あー……そりゃTASさんの影響ガリッガリに受けますわ。遠方だろうが気にせず邪魔されますわ」

 

 

 なるほど、どこか遠い世界であれ『それが起きた』という因果があるのなら、それはすなわち『可能性がある』ということになる。

 しからばTASさんに操れない道理もなく、しない理由もないのだから遅延戦略マシマシにするくらいは余裕だろう。

 

 結果、この国は呪術師さんを誘致しテーマパークを開く、なんてわけのわからんルートを開拓するに至ったと。

 ……うん、滅びの回避方法がテーマパーク経営なのは色々ツッコミたいところだが、そのお陰で決定的な面倒ごとに直面せずに終わったことも確かなのでなんとも言えんなこれ。

 特に今回なんて前と同じノリだと邪神三人組が吸収されて大幅パワーアップ、みたいなことになりかねなかったわけだし。

 

 とまぁ、裏で色々やってたTASさんへの感謝と前以て伝えておいてくださいという注意を兼ねたお話へと移行したわけなのだけど。

 

 

「!?、!?、?!?!?!」

「なぁ君、これって叩けば直ると思う?」

「いやー、無理じゃないかな?王女様の中では衝撃の展開ゆえに整理が追い付いてないんだろうし」

 

 

 さっきからDBさんとMODさんを交互に見て、驚愕し我が目を疑うように目を擦ってる王女様はどうしたもんかね?

 ……まぁたしばらく時間掛かりそうっすね、これ(呆れ顔)

 

 

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