うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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カボチャを用意しろ、お菓子もだ

「……うん、溶け込んでいってたんだけどねぇ」

「いやはや、まさかこんなことになるとはねぇ」

 

 

 ええまぁはい、DBさんの影響もそのうち消えるだろう、なんて悠長なことを言っていた俺が悪かったというか。

 もしくは、今の時期のイベントごとを失念してたのが悪かったというべきか。……理由として大きいのは後者かな?

 

 はてさて、何があったのかを端的に述べるとしよう。

 答えはハロウィンの季節、である。

 

 

「うちでは基本的にあんまり祝わないタイプのイベント」

「まぁ、日本でやるハロウィンなんてコスプレイベントの一つ、みたいなイメージしかないもんね。私はこの時期限定の服とか視聴者に見せることがよくあるけど」

「そういえばこの子配信者(tuber)だった」

 

 

 その設定も根強く残ってるよね。……え、設定とか言うな?

 

 まぁCHEATちゃんの反論はともかく、である。

 日本における『ハロウィン』がコスプレして練り歩く日、みたいなイメージがあることは間違いないだろう。

 なので忘れがちだが、本来ハロウィンとは()()()()()()である。

 

 

「誤解を恐れずに言えば海外でのお盆、ですからね。……ええまぁはい、お盆相当なんですよね、ハロウィンって」

「今まで邪神組がそこまで問題になってなかったから失念してたけど、ハロウィンの元々の意味的にそりゃ引っ掛からん方がおかしいよね、って話だよね今回のあれって」

「おぅい、そんな悠長なこと言ってなくていいから助けてくれないかなー!?まさか囚われの姫みたいなことになるとかまったく想定してなかったんだよ私!このポジションすさまじく嫌な予感しかしないから早急に解消して欲しいんだけどー!?」

 

 

 ええはい、今回問題になったのはDBさん……ではなく、正確には彼女の引き連れている怨霊達の方。

 どうにも時節ゆえの空気感にでも呑まれたのか、彼等の様子がおかしなことになっていき、かつその流れにブロックさんが巻き込まれ事態は深刻化。

 

 結果、ハロウィンタウンとでも呼び変えた方がいいような様相へと変貌した我らが寮が目の前に鎮座する、などという意味不明な状況に陥ったわけなのであります。

 ……いやまぁうん、散々ソシャゲとかで奇怪奇天列なものを見続けてきた人達からすれば大したことないように見えそうだけどね?

 

 

「ここ○○市では、突然現れたハロウィンテーマパークのような飾り付けに集まった市民や観光客がごった返しています!見てください、おどろおどろしい建物を背景に写真を撮る人々の姿が──」

「別方向に厄介なことになってるんだよなぁ(白目)」

「そりゃ私も面倒くさくなって配信始めちゃうよ、ってね。ってなわけでおはこんこんー、今日は噂のハロウィン宿舎にやってきたよー☆

「本格的に配信始めやがったこいつ!?」

 

 

 いやまぁ投げ出したくなる気持ちはわからなくもないけどさぁ!?

 ……ってなわけで、観客大量のためどこまでやっていいものか困惑しつつのイベント攻略です。張り切って逝ってみよー(やけくそ)

 

 

 

´・Δ・

 

 

 

「今回は早解きはできない」

 

 

 というTASさんの言葉から始まったハロウィンイベント。

 はてさてでは何故に早解き……もといTASさんがスピードラン(いつも通りに)しないのか、というとだ。

 

 

「はぁ、亡者共のせいだと?」

「そう。より正確に言うと、亡者を倒した際に発生する影響のせい。これが周囲に集まっている観客達に悪影響を及ぼす」

「ほへー」

 

 

 今しがたTASさんの語ったように、迂闊に亡者共を蹴散らすとその余波で周囲の人によくない影響が発生してしまうから、ということになるらしい。

 

 今でこそハロウィンのせいでおかしなことになっているが、元々DBさんが連れてきた亡者達というのは数百年ものの(敢えて区分けると)大怨霊に相当する存在。

 属性的なあれこれで彼女に従えられているものの、本来彼等の調伏とはその道のプロを何人も引き連れて望まねばならないレベルの話なのである。

 まぁ、うちの面々は大抵一人である程度、もしくは一部の面々ならまとめて討伐できちゃうような人がいるので、色々と感覚が狂うかもしれないが。

 

 ともかく、そんな感じなので倒すこと自体は意外となんとかなるのだが、問題は倒した後の話。

 一応彼等は亡者かつDBさんに紐付けられた状態で現世に縛られているものなので、仮に倒したところでそのうち復活するのだけれど……。

 この場合の『倒す』とは、一個体として成立している亡者を散り散りにすること。

 そうして散った亡者というのは、個性のない悪意の欠片のようなものとしてしばらく周囲を漂うのだそう。

 

 

「アクションゲームで敵を倒した時に出てくる育成用アイテムとかそういうの」

「言いたいことはわかるけどいきなり俗っぽくなったな……」

 

 

 このアイテム、然るべき人間が回収する分には問題ないのだが、普通の人々──耐性のない人が触れると一時的にその相手を悪意で染めてしまう、などの不都合なことが起きるらしい。

 なので、単に倒すにしても散らしたアイテムを即座に回収できるようにする必要性がある、と。

 

 

「なので早解きは非推奨。ちゃんとこの手で倒すのが一番」

「だからエアガンとか持ち出してきたのかこの子……」

 

 

 ……はい、結論から申しますとアクションゲー編開幕です。

 そりゃDBさんも悪い予感がしてきますわ(アクションゲームにおける建物の末路を思い浮かべながら)

 

 

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