うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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コスプレ集団が行くのだからそりゃハロウィン

「じゃあお兄さんの格好はどうする?」

「こうなるから止めてほしかったんだけどなぁ!?」

 

 

 そういうのは君らだけでやってほしいなぁ!?

 巻き込まれるの勘弁なんだけど、と思いつつみんなにされるがままの俺である。

 ヒエラルキー最低の人間に逆らえるわけがないからね、仕方ないね(白目)

 

 ってなわけで、俺の格好は平戦闘員みたいな全身黒尽くめにされた。探偵ものの正体が明かされていない犯人でも可。

 ……いやまぁ確かにアクション系の見た目ではあるけどね?でもこれ俺の方が狩られる側の雑魚のノリなのでは……?

 

 

「ん、お兄さんがカッコよくスタイリッシュに決められるわけがない。だったらハロウィンらしく単なるコスプレに留めるのが吉」

「そもそも私達がこうして気を衒うような姿をしているのは、偏にやっていることをコスプレの延長だと誤認させるためですもの。それならば、貴方様にはその格好が適正ということになるのですわ」

「……まぁ、基本的に変なことはできんけども」

 

 

 やれて精々バグ染みた空中歩行とかだけど。

 基本的に移動性能特化の生存重視だからこういう話の時役に立たんけども。

 言われりゃ確かにそうなんだけど、それを面と向かって指摘されるのはそれはそれでなんというか……。

 まぁ、言ってもその辺は是正できないというか、その必要が基本ないので仕方ないんだけど。

 

 ……ってなわけで、俺の側の愚痴はその辺にして、いい加減魔境と化した寮内へと足を踏み入れる俺達である。

 

 

「選手入城です……はいいんだけど、今回特に奇抜な動きはしない予定なんだよな」

「これが早解きなら急降下キックの連打によるミシン走法をお見せするところだけど、今回はそうじゃないから一歩一歩踏みしめて行く」

「その格好でやることじゃないでしょ、ってツッコめばいい?」

 

 

 あれだ、それはデビルじゃなくヴァンパイアをハントする人達の技というか。

 いやまぁ観客達からするとそっちの方が既視感強いんだろうけどね?

 

 ってなわけで普通に歩く変態と化した俺達がまず始めにたどり着いたのは、固く閉ざされた寮の入り口。

 その道中でもゾンビっぽいものを蹴り砕くTASさんやバチバチに撃ち壊すAUTOさんとかがいたが、ここからはさらに派手になりそうな予感である。なんでかって?

 

 

「……これ、何処の何を由来としたやつだと思う?」

「さぁ?こういうノリならこういうのが居て然るべき、みたいなイメージから発生したものだと言われても私は納得するけどね」

 

 

 隣で柱時計とか構えてるMODさんに声を掛けつつ、目の前に鎮座する相手を眺める俺。

 ……いやよく考えたらMODさんの手持ちも大概おかしいな?なんなのその場で使えるもの錬成するフリーのカメラマン的なムーヴなの?

 とはいえ彼女だけが変というわけでもないのでほどほどにスルーし、改めて入り口前に陣取る相手に視線を向け直す俺である。

 

 寮の入り口の手前に陣取るモノ、それは巨大なゴーレム。

 煉瓦造りの塔のような質感を持つそのゴーレムは、瞳に仄暗い光を灯しながら起動、ゆっくりと立ち上がっていく。

 高さとしてはおおよそ三メートルほどくらいだろうか、その巨体をこちらにひけらかすようにして仁王立ちするそのゴーレムは、己が役目である門番という責を果たすために大きく腕を振り被り、

 

 

「早さが足りてない」<ドヤッ

『!』

 

 

 その拳が叩き付けられるよりも早く飛んできたTASさんにより蹴り砕かれ、その隙に接近した不良少年みたいな服装のギャル子さんにより、

 

 

「滅!」

 

 

 の一言とともに殴り壊されてしまったのであった。

 ……やだ、所詮は中ボス……。

 

 なお、砕かれた体はそのまま地面に落ちて板チョコになった。

 山ほどのチョコの塊とか、明らかに子供向けのアトラクションでしかないので、サクッと新聞部君主体で集めておく次第である。

 

 

「実際、私達も迂闊に触れるべきではない……となるとこれが一番確実なんですよねー。これって悪意に強い神々にお願いして地面を動かし移動させる、という問題の起きようのない手段ですから」

「そういうとこ利便性の鬼だなー、ってなるよ」

 

 

 間接的だから変な心配一切ないし。

 ……ってなわけで、ばら蒔かれた板チョコ達は無事回収。

 そのまま置いとくとこっちの目がなくなった隙に取りに来る子供とかが発生しかねないため、ダミ子さんに持たせた特製袋に全部しまっておく。

 

 え?彼女の見た目と合わせてダミ子さんだけ季節を間違えている気がする?

 下手なコスプレとかできないのがダミ子さんだから(姿がサンタになるのは)仕方ないね!()

 

 

「……元々サンタをこの世界に寄せ付けないためにぃこの顔になったぁ……みたいな話だったと思うんですがぁ、何の因果か今では私がサンタですぅ……」

「ん、ダミ子は他にも妖怪とかにも変身できるけど、そっちはハロウィンと相性良すぎるから今回は封印推奨だから仕方ない」

 

 

 あれだ、お前も百鬼夜行の一員にしてやろうか、的なことになりかねないというか。

 ……まぁ、そこをツッコむのならそもそも怨霊達とダミ子さんの相性が宜しくない、ってことでコスプレとかせずに待機させて置いた方がいいのかもだけど。

 こういうのって一人で置いておく方が問題なので連れていくしかないんだよね、悲しいことに。

 

 とかなんとか考えながら、寮の扉を開けそそくさと入寮する俺達であった。

 

 

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