「いやー、なんというかあれだね、怖いね君達」
「ん、これは日常茶飯事。朝飯前朝飯前」
はい、立ち塞がったラスボスは吸血鬼だったわけなのですが。
そこまで一人一人で立ち向かっていたのがみんなで一斉にボコる、ってことになったのもあって瞬殺も瞬殺。
悲鳴すら聞き取れないレベルでタコ殴りにあった彼は、そのまま爆発四散しつつお菓子の山へと変化したのでした。
……こんなにあっさりやられた辺り、やっぱ戦闘云々よりもこの無害そうなお菓子をばら蒔くことの方が相手にとって重要なんだろうなぁ、なんて気もする俺である。
無論その辺はみんな理解しているので触れることなくさっさと回収して圧縮してポイ、だが。
「見た目だけだと凄まじく悪いことしているようにしか見えないのが問題だね……」
「観客の皆さんもこれだけは困惑していらっしゃいますからね……」
まぁ、一つも取り零さず全部まとめて圧縮しているのを見て、流石に何かあるのだろうなと察してくれてはいるみたいだけど。
……でも端から見ると、出てきたお菓子を食べもせずにゴミに捨ててる風にしか思えないのは間違いない。
文句を言われないうちにさっさとラスボスを倒せてよかった、と考えておくしかないだろう。
「そういえば、こうしてDBさん助け出したんだからお菓子の呪いも解除されてたりしないの?」
「んーそれはないね」
「それはなんで?」
「呪いって感じで外から付与されたものじゃなくて、あくまでも
「そっかー」
まぁ、食べて洗脳ないしは汚染される、って部分に関してはなんとかなるけど、とも述べるDBさんである。
……なんとかなると言っても、別に汚染や洗脳を解除できるわけではなくその状態で好き勝手させずに捕まえられる、みたいな方向性らしいので結局あんまり意味ないな、って話に落ち着いたわけだが。
ともかく、ラスボスを倒したのだから今回の話も終わり、これにて万事解決……ってなるはずだったのだが。
こうしてああだこうだと話を続けていることからわかるように、どうにもこれで終わりというわけではないようで。
「ん、二周目スタートのお知らせ」
「なんで???」
「取り逃しがあるから。一応今度はDBを連れて行けるから難易度は下がる」
「取り逃しって何さ???」
みんなでしらみ潰しに倒してたじゃん?マップも無茶苦茶やって埋めてたじゃん?
なんで二周目なんて必要なんです、と困惑する俺に対してTASさんは当たり前、みたいな姿勢を崩さない。
曰く、確かに自分はマップの形状とか無視してマップを埋めていたけど、それでも
「……つ、つまり?」
「二周目限定のDLC。それに関しては二周目にならないと解禁しようがない」
例えば、仲間にDBがいる時しか開かないもとい入れない部屋とか。
……ああはい、たまーにあるよね最初明らかに何かあるなーと思いつつもスルーするしかない謎の扉とか。
ってなわけで、半ばなし崩し的に二周目攻略が始まったのでした。
なんなら寮の外までいつの間にか飛ばされていたので、入り口のゴーレムとも再戦だぞ()
「簡単になるって言ったじゃないですかやだー!!」
「ん、同じボスは簡単になる。新しく出てきたのは別」
「なんで連戦になってるのさー!?」
なお、そのゴーレム自体はさっくり倒せたけど、飛び散った瓦礫が再度集まって新しいゴーレムになったことに関しては要審議である。
……明らかに攻撃パターン変わってるし動き早いし攻撃範囲も広がってるんだが???
「足元がお留守って言われたから浮遊状態がデフォになった」
「だから上空から攻撃できるようにする必要があったんですね。……いや難易度上がりすぎだよこれ!」
その他、巨大悪魔が空を飛び出して途端に面倒な敵になったり。
「無限稼ぎしてたら敵の体力まで無限に増えてくんだけど!?」
「なるほどペナルティタイプ……。それを見て無限に殴れる、とばかりに殴りに行く君も君だけど」
「君が!死ぬまで!撃ちまくるのを止めない!!」
ボーンロードの体力が倒された戦士達の体力分増えることに気が付き、それならば無限対無限じゃー!とばかりにさらにトリガーハッピーになるCHEATちゃんがいたり。
「なるほど巨大戦闘拒否ですのね?でしたら繊細に詳細に一切を制裁させて頂くだけのこと!」
「こわー……」
巨大天使を巨大な獣で噛み砕くと小さな天使に分裂して尚且つそこから再度合体してくる……という変なギミックが加算された戦闘では、AUTOさんが髪を自在に変化させ高分子ブレードのように扱い相手を粉微塵にする、という力業にも程がある対処を見せ。
「これが俺達の力だー!(ヤケクソ)」
「ウボァーッ!!?」
「ん、汚い花火になった」
そして再度戦う羽目になったラスボス・吸血鬼は、何もさせる間もなくみんなで再度総攻撃して出オチさせたのであった。
……あれ、結局一周目より早くねこれ?