「……なんか、ゲームとかで見たことある鉱石が幾つか転がってるような……」
「
「……うーん?なんか思ってるのと違ったような?」
かーんかーんと鉄と岩肌がぶつかる音を響かせながら、有用な鉱石を探す俺達。
最悪
「TASさん、ダイヤモンドの装備を作るのはまた今度にしよう?」
「あと一つ、あと一つだけ……もう一つ出たら止めるから……」
「完全にイケない遊びにはまった人、みたいになっとる……?!」
……ご覧の通り、TASさん本人の意思では止められそうもなかったので、仕方なくMODさんとAUTOさんの二人に頼んで、強制退場の運びとなるのだった。『やだー、離せー』などと宣うTASさんなんて、早々お目にかかることはないだろう。……それが良いか悪いかと言われると、正直返答に窮してしまうわけなのだが。
ともあれ、メンバーをCHEATちゃんとダミ子さんに入れ換え、改めて炭鉱再開である。
「……意外とっ、重労働っ、だよなっ!」
「だなぁ、振り上げて、振り下ろす。単にその繰り返しなだけなのに、意外と力を使うような?」
「でも、思ったほど疲労はありませんですぅ。一体どうして……はっ!?」
「どうしたダミ子さん、一体なにに気付い……はっ!?」
「……いや、なにそのあからさまな反応……」
そうして崖を掘り進める中、ふとCHEATちゃんが呟いたのは、ピッケルを使うのって意外と大変だな、というような意味の言葉。
汗水垂らし岩肌を崩す今の俺達が、夏とか海とか全然関係ない──いわゆる
……そう、こんな重労働、普段そこまで運動していない俺達が、筋肉痛にもならずに続けられていることには、必ず理由があると。
いきなりなに言ってるんだこいつら、みたいな視線を向けてくるCHEATちゃんに対し、俺達二人は(暑さに茹だった頭で)こう告げるのだった。
「そう、全ては結果にフィットした結果だったんだよ!」
「あのリングは、すなわち今のあれこれを察してのことだったんですぅ!」
「──よし、一回休憩するか」
「「はい……」」
……なお、彼女の感性にはフィットしなかった模様。ですよねー。
「つ、ついに完成したぞ……っ!」
「苦節うん十時間、素材集めが大半を閉めたとはいえ、ようやくここまで来ることができたな……」
「胸熱、というやつ」
目前の威容を見上げながら、うんうんと頷く俺達。
必要な素材を集めきり、AUTOさんの指示のもとそれらを組み上げた結果、そこに完成したのは新品同然のクルーザー。
……いやまぁ、流石に最初の時の奴に比べるとちょっと小さくなってしまっているのだが、それでもこの規模のものを俺達の力で作り上げた、というのはやはり驚嘆に値するだろう。
「……まぁ、TASさんが余計なものを付けようとしなければ、もうちょっと早く終わってたとは思うんだけど」
「なにを言う。こういう時にジェット付けなくてどうするの?」
「貴女のその、異常なまでのジェットへのこだわりはなんなのですか……?」
とはいえ、当初の予定よりずれ込んでしまった、というのも確かであり。……その理由が、TASさんが色々と機能を増設しようとしたから、というところにあることには、なんというか頭の痛くなる思いというか。
……まぁうん、早さを求めるTASさんのこと、最悪
代わりに懐かしの錬金鍋をし始めたため、効率がいいからとかなんとか言ってゲテモノ料理を出されたりしたけど……背に腹は代えられないというやつである、うん。
「……ま、まぁ!これでようやく家に帰ることができるってもんだな!」
「?帰りたいの?」
「やーめーろーよー!!お前それ新しい場所に行こうとしてるやつだろー!!?」
暗い空気を払うように、CHEATちゃんが声をあげる。
……が、直後にTASさんが首を傾げたため、話が変な方向に。これ、帰るだけなら他に手段があるよ?とか言い出すやつである。
つまり、この船を作るのになんの文句も挟んでこなかったのは、この船によってなにか新たな騒動に飛び込んでいく羽目になるから、ということなのかもしれなくて。……CHEATちゃんが悲鳴をあげるのも仕方ない話である。
「むぅ、じゃあ今回は置いとく。また今度」
「乗らねー!!もう二度と船なんか乗らねー!!」
渋々といった感じに諦めの声をあげるTASさんに、もう二度と船には乗らないぞという誓いをCHEATちゃんがぶち上げて、それにはいはいと声を返しながらTASさんが船に乗り込んでいく。
他の面々は思わず顔を見合わせて、苦笑いを溢しながら彼女に続き。
──こうして、思ったより長くなった無人島サバイバルは終わりを告げるのだった。
……え?帰りの運転?MODさんにやらせると元の木阿弥だから、仕方なくAUTOさんにやって貰いましたがなにか?
「……ええと、いいのでしょうか、これで……」
「流石に二度も転覆はしたくないから、仕方ないね」
「はっはっはっ、おかしいなー!私の信頼度がいつの間にか底値に落ち込んでるぞー?!」
「寧ろなんでまだ信頼されてると思ってるんですかぁ!?」
びっくりだよ、とばかりに声をあげるダミ子さんに、MODさんはえー、と心底心外そうな声を返していたのだった。