はてさて、なんでプールに行くのが最終手段なのか?……と不思議に思う者もいるかもしれない。
だがしかし、よーく考えて頂きたい。今の俺が、どういう状況にあるのか……ということを。
「そうだね、見た目だけなら完全にハーレムクソ野郎だね!」
「実態としては要介護者とその介護をしてる人、みたいな関係性なんだけどね」
やかましい。
……MODさんの軽口に思わずムスッとした表情を返したのち、現状を思い出してまたはぁ……とため息を吐く俺。
そうなのである。
実態がどうなのかということは脇において、今の俺の状況を見てみると。……なんとも不思議なことに、人間のクズヤローみたいな羨まし過ぎるシチュエーションの渦中にいるように見えるのである。
見るがよい、両手に花とかいうレベルではない、誰がどう確認しても美少女以外の何者でもないこの面々を!……まぁ、代わりに中身はわりと残念なのだが。
もし仮に、将来的に彼女達とお付き合いをしたい……などと考えた人がいるのだとしたら、その前に色々と考え直して頂きたいと具申する次第である。
まずはAUTOさんについてだが……この中では比較的マシにな方に見えるが、その実微妙に仕切りたがり屋な面があったり、不正についてうるさかったりする。
それから、基本的にどんなことでも卒なくこなす器用
続いてCHEATちゃん。彼女は小生意気な面があったり、かと思えば引っ込み思案なところがあったり……と、いわゆる躁と鬱の差が激しいタイプ。
流石にメンヘラのレベルまでは行かないが、迂闊に付き合うとその辺りの感性の違いで振り回される可能性大な美少女である。……あと、単純に中学生に手を出したら犯罪です。()
んでもってお次はMODさん。彼女はそもそも
また、学生身分ながら色々と後ろ暗いお仕事とかもしているご様子なので、彼女の抱えているものを一緒に支えられるかどうか?……みたいなところまで、将来的には求められてくるかもしれない。
それからダミ子さんに関しては……うん、基本的に彼女の生活を介護するような感じになるので、そこら辺から蹴躓く可能性大である。
私の評価おかしくないですかぁ、と喚く彼女は放置して、最後にTASさんの評価に関してだけど……正直取る行動が突拍子もなさすぎるため、まずそれに付いていくのに多大な労力を払う羽目になるだろう。
例えそれを越したとしても、彼女の持つ特殊な視座に付いていくのに対し、更なる負担を背負わされることになるのは想像だに難くない。……正直、常人に付いていけるようなものではない、というのは明白というか。
ざっと語ってみたが、ご覧の通り。
恐らくは、この面々の中で一番付き合いやすい部類に入るであろうダミ子さんでさえ、彼女の持つトラブルに誘引されやすい体質を思えば、一般人には荷が重いとしか言いようがあるまい。
ゆえにそんな彼女達に囲まれていたとしても、別に全然嬉しくないし大変すぎて命が危ない、なのである。いやマジで。
「それはこちらの台詞」
「まさかのロケット頭突き!?」
……というような胸の裡を吐き出したところ、返ってきたのはTASさんからの熱い
でもまぁ、今のは悪いところをひたすら列挙する……みたいな感じだったので、彼女達が怒るのも仕方がないといえば仕方のないこと。
なので、バランスを取るために良いところも語るとすると……。
ええと、AUTOさんは根が生真面目なため、とても面倒見がよい。そして、多くの物事に通じているということは、それらを教える筋の方も良い可能性が高い、ということ。
得てして教師役として大成しやすいタイプであり、事実彼女の教えが実を結ばない、などということはほとんどない。
なので恋人などではなく、彼女を先生役として教え導いて貰うのが一番いい付き合い方なのではないだろうか?
CHEATちゃんに関しては……二面性を持つということは、相反する感情を持つことに対して一定の理解がある、とも考えられる。
最近ではそういうのは心が二つあるとかなんとか言われるみたいだが、そういう二律背反じみた状況においては頼れる先達となることだろう。
また、配信者としてもわりと長いキャリアを持つため、人前で話すことについても一日の長がある。
緩急のある話が得意でもあるので、話術の学び相手としてはとても優れていると言えるだろう。
MODさんはAUTOさんとは違うタイプの万能選手であり、また相手の気持ちにはわりと寄り添ってくれるタイプでもある。
……時折そういう自分に疲れることがあるのか、こちらに甘えてくるように寄り掛かってくることがあるので、そこで対応を誤らなければ良きパートナーとして手を取り合えることだろう。
無論、その時々の相手の姿形に惑わされず、彼女自身を見ることこそが一番肝要なことに変わりはないわけだが。
ダミ子さんに関しては──良いところと言うとちょっとアレだが……多くを失っているがゆえにということなのか、実は包容力がこの面々の中で一番高い。
彼女に甘える、というのはなんだか罪悪感が湧いてくるかもしれないが、たまにはそういう態度で接してあげると、頼られていると実感して喜ばれたりするかもしれない。
……なんか、途中から良いところをあげるのではなく、彼女達とどう上手く付き合っていくか?……みたいな話になっていたような気がするが、それでもご機嫌取りとしては十分なはずぼへぇ。
「こここ、こっ恥ずかしいことを大声で捲し立ててんじゃねぇよ!!」
「おお、落ち着いてCHEATちゃん!気絶してますから!その人気絶してますから!!」
「……いやー、まさか口説かれるとはなー、あっはっはっ」
「そういうのじゃないと思いますけどぉ……なんというか、よく見てらっしゃるんですねぇ、この人」
顔を真っ赤にしたCHEATちゃんの全力張り手により、俺は壁の染みになりましたがスプラッタ過ぎやしないです?
……あと、TASさんに関しては他の人に被害を広げないために、対応マニュアルは非公開です、あしからず。