うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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秋にしたいことはとても多いから多分夏休みより短い

「とんだ酷い目にあった……」

「自業自得では?」

 

 

 はてさて、例の爆発する黒パン騒動からはや一週間。

 秋らしいことをしよう週間……月間?季間?いやまぁ、季間などという言葉は存在しないわけだが。

 ともあれ、相も変わらず秋を満喫しよう、みたいなキャンペーン?が継続中なのは変わらず。

 今日も今日とて、TASさんに付き合って秋を探す俺なのでありましたとさ。

 と、いうわけで今回の秋らしい行動だけど。

 

 

「前々回が芸術の秋、前回が食欲の秋だった」

「正確にはワープの秋、爆発の秋だったけどな」

「細かいことは気にしてはいけない。とりあえず、この流れなら次にするべきはやはりスポーツの秋」

「スポーツ、スポーツねぇ……具体的にはなにをしようと思ってる感じなんで?」

「今の私達の人数は総計六人。二つに割ると三対三にできるから、その辺りの人数でできるものが好ましい」

「……となると、バスケとかになるわけだけど……」

 

 

 TASさんの言うところによれば、どうやら体を動かす系統のものが良いとのこと。

 ……三人組を作ってやるスポーツ、となると三人制バスケ(3on3)が真っ先に思い付くわけなのだけれど。

 

 

「……戦力差を考慮すると、五対一でもまだ甘いんじゃないかな?」

「……一応聞いておくけど、その一ってお兄さんだよね?」

「んなわけあるかい、分かってて聞いてんだろお前さん」

「むぅ……」

 

 

 正直、TASさんにボールが渡った時点でゴール確定……みたいなことになりかねないので、戦力を均一にするのであれば五体一でも見通しが甘い感じがしてくる俺である。

 うん、投げればどこからでも全部入るとか、はたまた満塁ダンク(一回で四点入る)で早々に逆転とかしてきそうな彼女が居る限り、まともな試合にゃならねーよなーとしか言えないというか。

 

 ……というようなことをぼやいたところ、何故かTASさんは不満げな表情を浮かべていたのであった。

 いや、そんな顔されても事実は事実だし……。

 

 

「わかってないなぁ君」

「おっとMODさん?わかってないとはどういう……?」

「わからないのかい?彼女はそんな風に君に尻込みして欲しくないんだよ」

「えっ」

「……なに?」

 

 

 そんな俺に声を掛けてくるのは、壁に寄りかかり人差し指でバスケットボールをくるくると回すMODさん。……なにそのなんかわけありキャラみたいなムーブ、とこちらがツッコミを入れる間もなく、彼女は次々と言葉を並べ立てて行く。

 その内容を端的に言うと、こうである。──曰く、最近の君はちょっと小ぢんまりとしてしまっているのではないか、と。

 

 

「だってそうだろう?昔の君はもう少し尖っていた。敵わないと知りながら、それでも牙を剥く貪欲さがあった。それがどうだ、今の君は牙を抜かれた狼、尻尾を巻いて逃げ帰るだけの存在……」

「なんだとォ……ッ!」

「あの、この茶番はいつまで付き合えば宜しいのでしょうか……?」

「しっ、静かにAUTO。これはアイツが再起するために必要な儀式。黙って見守るんだ……っ!」

「……あ、貴女もそちら側でしたのね……」

 

 

 MODさんのその言葉は、俺の心にじんわりと染み渡って行った。……確かに、最近の俺は小綺麗に纏まり過ぎてしまっていた。

 昔の俺は荒々しく、もっと貪欲で、勝てる勝てないではなく誰にでも牙を剥くある種の『怖さ』があったはずだ……!(多分)

 

 つまりは腑抜けてしまった、ということ。

 正直それをMODさんに言われるのは違うのでは?みたいな気持ちもちょっと無くはないが、それでもその言葉が俺の心を叩いたことに間違いはない。

 

 

「──ゆえに俺は、今こそかつての熱を取り戻し、TASさんに挑むことをここに宣言しよう!そう、勝てないから挑まないなんてダセぇことはしなウボァーッ!!?」

「き、君ぃーっ!!?……はっ、殺気!」

「……そういうのじゃないのに。MODは時々悪ノリが過ぎる」<ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「……は、ははは。その、あれだ。可愛い悪戯、ということで許して貰えたりは……」

「のー。ぎるてぃ。反省して」

「はっはっはだよねへぶぇっ!!?」

「わぁ、汚い花火ですぅ」

「秋の花火というのも乙なものですねぇ」

(……う、迂闊に関わらなくて良かった……!?)

 

 

 ……まぁ、無表情ながらすっごい不機嫌そうなTASさんにお空の星にされたため、その辺りの無駄な闘争心はあっという間に叩き折られたんですけどね☆

 

 

 

;-A-

 

 

 

 というわけで、今回の顛末。

 結局普通にバスケをすることとなった俺達だったわけなのだけれど。

 

 

「三点六点九点十二点……」

「早い早い幾らなんでも加点速度が早い早い」

「屋外コートはやっぱりこうなる運命ですのね……」

「はっはっはっ、これ私達居る意味ないよねー!?」

「おとなしく、そこで、みてて」

「うわぁまだ怒ってるーっ!!?」

「MOD、今日はもう諦めようぜ」

「わぁ、そこはかとなく一日が終わりそうな台詞ですぅ」

 

 

 ……まぁうん、TASさん大ハッスルなことは変わりませんでしたとさ。

 いや、結局ばかすか入れるのは変わらんのかい、という俺のツッコミが彼女に届いたかどうかは、それこそ神のみぞ知るというやつである。

 

 

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