うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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一番そういうのに縁のない人

「……まぁでも、他の人に対応させる場合、CHEATの補助が合った方が確実なのは確か」

「……!そそそ、そうだよな私の力は必要だよな!いやー、頼られちゃって困るなーあははー!!」

「CHEATちゃん……」

 

 

 なんでこの子はこう、ちょくちょくお労しいのだろうか?

 そんな思いを抱いてしまうようなCHEATちゃんの反応だが、そこを素直に指摘するとふて寝するのは目に見えているので、敢えて触れないでおく俺である。

 

 ともあれ、今回の案件に関してTASさんが普段ほどあてにならない、というのは確かなようで。

 そうなってくると、誰がこれを解決するのか、という話が浮かび上がってくるのだが……。

 

 

「……んー、AUTOさん?」

「恋愛耐性がない、ダメ」

「言い方ぁ」

 

 

 まず始めに挙げたのは、我らがAUTOさん。……だったのだが、彼女もまた洗脳系の攻撃に耐性はなく、更にはDJ AUTO的な技能部分以外はわりと普通の少女でしかないため、仮に恋愛系の話となれば下手すると骨抜きになるからダメ、とのTASからのお言葉が。

 ……なんというか酷い言われようだが、言われてみれば確かに彼女に恋愛方面に強そうなイメージはないので仕方ない。

 

 となると、他のメンバーを挙げていくことになるのだが……。

 

 

「……MODさん?」

「確かに、なんとなくイメージ的に恋愛とかそういうものには強そう」

「おお!」

「……けど、彼女には特殊な能力はない。……いやまぁ、姿が変えられるのは確かに特殊だけど、例えばCHEATの時みたいに誰かが向かってくる、となると人数によっては厳しいことになる」

「oh……」

 

 

 俺達の中では一番そういうのが得意そうなMODさんは、確かに恋愛関連()()ならばどうにかなるような気がするけど、彼女自身の職業というか所業というかに問題があった。

 そう、今回のあれこれは、周囲に対して無差別に発揮される恋愛空間。

 そのため、彼女が仕事の際にワンナイトラブとかしてたら、その時点で瓦解するのである。……いやどこの諜報部員だよ?

 

 

「おや、君達からすると私はそんなイメージなのかい?」

「そりゃまぁ、なんというか男も女も手玉に取ってるイメージがあるというか……」

「ふむふむ。魅力的な人、と言っていてくれていると受け取っていいのかな?」

「まぁ、そうかも。……ところで、いつの間に?」

「AUTO君の話の辺りからかな?まぁなんとも愉快なことになっているようだね、今回も」

 

 

 ……なお、いつの間にか横にやって来ていたMODさんからは、私はそんな気の多い人間ではないよ、と否定されることとなったわけだが。……これわりと失礼な話だったんじゃね?

 当人の居ないときにあれこれ言うのって、わりとリスクだよなぁ……と土下座をしつつ反省する俺である。

 

 

「まぁ、意図してそういう感じの人物に見せてるのは私だからね、そこまで気にはしないよ」

「貴女が神か……っ!!」

「大袈裟では?」

 

 

 ともあれ、今回の事件に適性のありそうな人が居ない、というのも確かな話。

 いやまぁ、正確にはどうにかなりそうな人もちょくちょくいるのである。だが、本人が良くても本人に纏わる人間まで大丈夫か、と言われると疑問が出てくるわけで。

 特に、どうにかなりそうな二人が周囲からあれこれ思われてそう、という共通点がある以上、うちに居る面々では難しいのでは?……なんて気持ちになるのも仕方がなく……。

 

 

「ただいまですぅー」

「同じくただいま、です。……それにしても今日は、なにやら仲睦まじい方が多かったような気が致しますわね?」

「ですねぇ」

「ん……?」

 

 

 なんて風にみんなで首を捻っていると、見計らったかのように帰って来た二人の声が。……ん、二人……?

 

 ほくほく顔で買ってきたもの──コンビニに行っていたので、肉まんとかコンビニスイーツとかが多い──を漁るその人物は、そもそもが上書きされている……()()()()()()()という風に解釈できるがゆえに、そういうものに強そうな気がするし。

 自分以外の誰かに思われているという可能性も、彼女に関してはそもそも過去と今が直接繋がっていない……断絶しているので、その可能性も一切ない。

 

 考察すれば考察するほど、先程までの問題点を全て解決しているように思える、そんな彼女の存在に思わず顔を見合わせる俺達。

 行けるのだろうか?行けちゃうのだろうか?……そんな疑念のこもったその視線は、行けちゃうかも、行けるんじゃないか?……という確信へと変わっていく。

 

 

「……ん?えと、あれ?どうしましたかぁ、皆さん?その……お顔が怖いですよぅ?……あっ、もしかして欲しいんですかぁ?大丈夫ですよぉ、皆さんの分もちゃんと買って……あの?」

「──そうだ、君こそが勝利の鍵だ」

「えっ?ななな、いきなりなんなんですかぁ!?」

 

 

 ゆえに、俺達は彼女に詰め寄り、その肩を掴んだ。

 そう、現状唯一の希望──ダミ子さんは異様な空気を纏った俺達の姿に、思わず涙目になりながらいやいやと首を左右に振っていたのであった──。

 

 

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