カンストエンジョイトレーナーは頂に届く夢を見るのか   作:流々毎々

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一部、胸糞描写があります。苦手な方は申し訳ありません。


飛ぶ竜虎。白夜の一撃

 

「ワウ!」

「避けろ、ドラパルト!」

「オォン!」

 

 マックスの手からバトルフィールドへ降り立ったウインディは、マックスの指示を待たずに即座にドラパルトへ”かえんほうしゃ”を仕掛けた。

 先手を取られたドラパルトだが、ダンデの指示に従い危なげなく”かえんほうしゃ”を浮遊した独特の動きで横にずれていなす。

 

 しかし一瞬だけ”かえんほうしゃ”に気を取られたドラパルトに”しんそく”で駆け出したウインディが突っ込んで来た。

 

「”まもる”だ!!」

「ギャオ!」

 

 ドップラー音を立てながら高速で迫るウインディを相手に、名前を呼ぶ手間さえ惜しんだダンデは反射的に技の指示を出す。迷いなく”まもる”の体勢に入ったドラパルトは目の前にまで迫っていたウインディをギリギリで弾き飛ばす事に成功した。

 

 ”しんそく”を防がれ弾かれたウインディだが空中で器用に体を反転させ体勢を立て直す。そのまま足から地面に着地したウインディはまたドラパルトに向けて”かえんほうしゃ”を吐き出した。

 

 ゴウ、と鉄さえ焼け焦がす高温の炎がキラリと光るドラパルトを飲み込んだ。

 

 そこからウインディは一定の距離を取りつつドラパルトを中心に円軌道で走り出す。本来なら攻撃技である”しんそく”を純粋な走力に変えることが出来るマックスのウインディのその走りは尋常なものではない。

 

 己の影さえ置き去りにするウインディは続けざまに”かえんほうしゃ”をドラパルトに向けて吐き続けた。

 

 相手に反撃を許さず、中距離から一方的に”かえんほうしゃ”で相手を焼き倒す。これまでのバトルでウインディが行って来た必勝戦術である。

 対戦ポケモンは視界を炎で防がれ止むことのない火に晒され続けるのだ。これは受け手の精神や肉体を圧迫する凶悪な戦法でもある。

 

 しかし相手は王者にまで上り詰めたダンデとその手持ちであるドラパルトだ。彼らがこのまま一方的終わる事は無かった。

 ドラパルトがウインディの”かえんほうしゃ”に飲み込まれてから約30秒。

 

 沈黙を続けていたダンデの口がその静けさを切った。

 

「跳び上がれドラパルト!」

「何!?」

 

 前後左右から火に飲まれ続けた射線の中心から一つの影が空高くに飛び出す。炎で埋め尽くされた場所が盛り上がり残火を振り切ったドラパルトは漲る竜の力を携え、その姿を目で追っていたウインディの視覚から突然消える。

 

「ワフ!?」

『何と、ドラパルト。速い!速い!速すぎる!!縦横無尽に飛び回る姿がバトルフィールドを見下ろす我々からでもとらえ切れません!!』

『フィールドからある程度距離のある私たちでこれですかね。対峙するマックス選手のウインディからすればドラパルトが消えたようにすら映るでしょう』

 

 一気にトップスピードまで加速したドラパルトの勢いは生物の動体視力を瞬間的に振り切る。コマ送りに見える移動を繰り返すそのドラパルトの速度にはマックスでさえ驚愕の表情を浮かべた。

 

「行けー!ドラパルト。”ドラゴンダイブ”だ!!」

「ロオン!」

 

 ウインディの視覚を置き去りにしたドラパルトはそのまま速度を活かし背後から奇襲をかけた。自分の後ろから跳び込む様に落ちてきたドラパルトの攻撃をウインディは反応することが出来ず、”ドラゴンタイブ”が直撃してしまう。

 

 さらにドラパルトはコマ送りにも見えるその圧倒的速度を利用して即座に折り返し、吹き飛ばされて空中に投げ出されたウインディに一瞬で追いついた。

 そこからウインディの体が地面に着くまでに”ドラゴンクロー”と”ドラゴンテール”ですれ違う数舜の間に立て続けに殴り込んだ。

 

「ウインディ、大丈夫か!!・・・どうなってるんだあのドラパルトは。俺のカイリューより速いぞ!?」

 

 ドラパルト自体、かなりの速度を誇る高速アタッカー型のポケモンである。だがそれを加味したとしてもあのドラパルトの速さは尋常なものではない。

 

(積み技か?だが一体いつそれを使ったんだ。ウインディの攻撃を受けて置いてそんな暇はなかった筈だ)

 

 悩めるマックスはその思考を巡らす。そんなマックスの目の端に先ほどウインディが放っていた炎で覆われ場所から光る何かが消失するのが見えた。

 

「ガラスの破片?・・・いや、そうか!”ひかりのかべ”か!!」

 

 ”ひかりのかべ”は自身の前方に複数枚の特殊な障壁を展開する変化技である。ダンデは事前にウインディの”かえんほうしゃ”に捕まった際は自身の指示がなくともこの”ひかりのかべ”を四方に設置することをドラパルトと取り決めていた。

 

 ”ひかりのかべ”を変則的に一枚ずつ出して自分を取り囲んだドラパルトはその中に籠城してウインディの”かえんほうしゃ”を耐えたのだ。

 無論、まったくダメージをゼロに出来る訳ではないが直火に晒されるよりかは遥かにマシである。

 

 またマックスのウインディ自身、スタミナや身体のバランス能力が優れている分カイリューやバンギラスの様なすさまじい破壊力を持ち合わせていなかったのも”かえんほうしゃ”を耐え切れた要因であろう。

 

 そしてウインディの炎によって、双方の視界が途切れたのを利用してドラパルトは静かに”りゅうのまい”を行い最大まで自分の能力を強化したのだ。

 

 マックスが転生したこのポケモン世界において、ポケモンの積み技とは基本的に全能力を強化するお手軽技だ。一応、使う技やポケモンの種類によって伸びるステータスに差異が生まれるのが、技の発動さえ出来れば出し得なものである。

 

 だが中には技によって伸びるステータスを意図的に偏らせることが出来る方法もあるのだ。これはトレーナー同士のポケモンバトルが発展していく事によって生まれた、どちらかと言うと後天的な努力で得られる技術よりの特性だ。

 取得難易度自体は結構高いものなのでトレーナーの全員がその技術をポケモンに仕込んでいる訳ではないが、一流と呼ばれるエリートトレーナーやトップリーグの選手たちの間ではそれなりに普及している。

 

 ダンデのドラパルトもその例に漏れず、積み技による強化幅を調整できる訓練を受けたポケモンであった。

 

 ドラパルトが積み技を使用した際、ダンデが伸びやすくしたのはすばやさである。これを最大まで強化したドラパルトの速度はマックスのカイリューでさえ凌駕する。

 

 俊足の早さを持つウインディや高速で飛翔できるカイリューが目にも止まらぬ速さだとするのならば、今のドラパルトのすばやさは目にも映らぬ速さである。

 

 物理的な速度で目で負えなくなったドラパルトを再度認識する事は至難である。そして仮にその姿を捉える事が出来たとしても不利な状況を覆すのは簡単な事ではないだろう。コマ送りに見えるその速さ前では、見てから反応していては遅いのだ。

 

 故に光速の世界に突入したドラパルトを相手にウインディは視界を捨てた。

 

 それ以外の四感、特に触角と嗅覚を頼りに神速の飛翔をするドラパルトの攻撃を何とか避け始めたのだ。

 

『マックス選手のウインディ。最初を除けば何とかチャンピオン・ダンデのドラパルトの猛攻を避けています!しかし、それで手一杯なのか反撃は難しそうです!!』

『マックス選手のカイリューがそうであったように、上空からの攻撃と言うのは大きなアドバンテージを得られますからね。いくらウインディが俊足の持ち主だったとしてもそれは地上での話。何とも打開が困難な局面となりました』

 

 多くの生物にとって自身の真上とは死角になる。仮にその場所から一方的に危害を加えられればそのまま勝負を制することだって難しい話ではない。

 制空権を支配するとはそれだけ有利な事なのだ。

 

 だからこそウインディはその不利に陥らぬために、序盤は速攻を仕掛けたのだ。しかしその行いも最速の世界に突入したドラパルトの前では無に帰す。

 

「焦らなくていいぞドラパルト!確実だ。その速度を活かして確実に攻撃を当てて行くんだ!」

「ギャオン!」

「くそ、隙がねぇ。そこまで行ったんなら少しは慢心してくれよ、チャンピオン!」

 

 現在、ウインディは”ドラゴンダイブ”・”ドラゴンクロー”・”ドラゴンテール”の三撃を除けばドラパルトの攻撃技を貰ってはいない。ヒット&アウェーで空から飛来してくるドラパルトの強襲を全身の感覚を研ぎ澄ませる事により辛うじていなし続けているのだ。

 

 だがそれも長くは持たない。今のウインディはただドラパルトから逃げ惑っているだけだ。集中力が切れればいずれは捕まってしまうだろう。

 

 ドラパルトはダンデの狙い通りにウインディの動きが鈍るのを待っているだけで良いのだ。

 

 この不利な盤面においてマックスはそれを打開できるような策を瞬時に思いつくとはできない。そも視界の端を切る速度で飛び回るドラパルトを捉えたとしても、マックスが指示を出す間に手の届かない上空へ離れて行ったしまうだろう。

 

 マックスはポケモンバトルが下手糞だ。より正確に言うのならばトレーナーの指示が重要なバトルルールの設けられている対人戦の才能があまり無い。

 こうしたピンチにマックスは何かをしようとしても、足掻けもせず何も出来ない敗北の屈辱を子供の頃から何度も味わい続けていた。

 

 仮にダンデとマックスの立場が逆だったとしても、ダンデならば何かしらの打開策を思いついたかもしれない。

 危機に瀕した時にこそ逆転の閃きを得る。それが才能のあるトレーナーとそうで無い者の差である。

 

 チャンピオンにまで上り詰めたダンデと比べれば、マックスにはトレーナーとしての才能も対人戦の経験も足りない。

 

 しかし全力を出す瞬間の見極め。後の事を考えずに今ある勝利を掴み取ろうとする思い切りの良さ。この二つだけはマックスに備わっている誰の才能(天才)にも劣らぬ執念である。

 

 故にマックスは奥の手を切った。

 

「ウインディ。もう後の事はどうでもいい!全力の”フレアドライブ”で全てをぶち抜け!!」

「バオーン!!!」

 

 主人の声に呼応したウインディは全身から炎を発火し紅蓮を纏う。一陣の(ほむら)となったウインディは半ば感に任せて”フレアドライブ”で”ドラゴンクロー”を構えて迫り来ていたドラパルトを迎え撃った。

 ドンピシャで自身の行動に合わせられたダンデのドラパルトはその事に驚きつつも、冷静に舵を切ってウインディの”フレアドライブ”避けた。

 

『これは惜しい!反撃に転じたマックス選手のウインディですがドラパルトに当たりません!』

『タイミングはバッチリでしたが、流石チャンピオンのドラパルト。冷静に避けましたね』

 

 ”フレアドライブ”で空から迫るドラパルトに突っ込んだウインディはそのまま10メートル以上の距離を跳び上がった。

 だがその勢いは徐々に失速し、やがて空中で停止する。

 

 飛ぶ翼を持たぬウインディは身動きがろくに出来ない空中の檻に捕まってしまった。自由落下による地面への接着は僅か数秒。

 しかし神速の速度を持つドラパルトからすれば宙に浮くそのウインディを仕留めきるには十分過ぎる時間だった。

 

「オオン!」

『チャンピオン・ダンデのドラパルト。空に捉われたウインディの隙を逃さず、容赦なく突っ込んだー!』

 

 明確な隙を晒すウインディにドラパルトは”ゴーストダイブ”を使いその身に迫る。速度と技の錯乱。二重の隠蔽による一撃がウインディを襲う。

 勝負が決まる。会場にいるだれもがそう確信する中、ダンデだけがそれに違和感を覚える。

 

 何かがおかしい。確かな根拠のないただの感。だがダンデは自分のそれを信じて宙に捉われているマックスのウインディをもう一度見た。

 

 ぐっと体を丸め何かをため込むような姿勢を取るウインディ。その体にはいまだに小さく炎が灯りチリチリと毛先から熱気が揺らめいていた。

 ”ゴーストダイブ”のステルスによって姿が消えているドラパルトであったが、その熱気に触れた事により空間が不自然に揺れる。ウインディはその揺らめきを逃さずにしっかりとその瞳に捉えていた。

 

「ッ、避けろ!ドラパルト!!」

 

 ダンデが半ば反射でその指示を出した一瞬の後、ウインディの体から炎が爆発した。

 

 空中でもう一度、”フレアドライブ”を発動したウインディは纏った炎を全て後方に噴出。それによって生まれた爆発的な推進力で自身に迫るドラパルトへ突撃した。

 

「バオオォン!!」

「オォン!?」

「畜生。おしい!」

 

 ギリギリ。本当にギリギリでダンデの指示に従ったドラパルトは自分の真横を通り抜けたウインディの反撃を何とか避ける事が出来た。

 だが直撃こそ回避が出来たドラパルトであるが、ウインディの突撃によって生まれた衝撃波まではどうすることもできず強かにそれが体を打ち付けた。

 

 それにより崩れた体を何とか取り戻そうと姿勢制御を行うドラパルトにダンデの叫びが届く。

 

「油断するなドラパルト!もう次が来てるぞ!!」

「!?」

「このチャンスを逃すな!ウインディ!!」

 

 ドラパルトと交差したウインディはすぐさま炎を逆噴射。そのままバランス制御に気を取られ速度が僅かに落ちたドラパルトの背後から豪速で迫り強襲する。

 

『ど、どうなっているのでしょうか!?ウインディが、陸上ポケモンの筈のウインディが空を飛んでおります!』

『炎を大量に噴出することで無理矢理落ちないようにしている、のでしょうか?可能かどうかはともかく無茶苦茶な・・・』

 

 背後を取ったウインディが襲い掛かる僅かな瞬間にドラパルトは頭と首を無理矢理真上に向けて急上昇する。ウインディの攻撃が背中を掠めるも直撃を避けたドラパルトはそのまま一回転。逆に今度はウインディの背後()を取ったドラパルトは急降下と同時に”とっしん”をその背中に向けて繰り出す。降下と錨の形をした大きな頭を真下に向ける事によって加速したドラパルトの体はとてつもない物理エネルギーを纏った剛撃と化す。しかしウインディは自らの炎を一気に後方に噴射して真上から落ちて来たドラパルトの技を避け切った。

 

 上、横、下、前、後。360°の空の領域を自由に駆け回る事が出来る二者のポケモンは相手より有利なポジションに付くために熾烈なドッグファイトを繰り広げる。曲線の動きと速度を持って相手との距離を即座に詰めれるドラパルト。熱気の錯乱と炎の爆発によって直線からノータイムで直角の軌道を取れるウインディ。

 一線の炎と黒い残像が描く二つの軌跡は空中で複雑に絡み合い、見る者に幾何学的な構造を映し出す。

 

 どこまでも加速し続ける二体のポケモンの絡みはより密度を増して行き、空を覆いつくす。無限にも思えるその二者の戦いは、しかし確実にウインディが不利になり始めていた。

 

 炎の噴出によって空を飛ぶ。一見聞こえが良く思えるこれも、言い換えれば常に体が爆発しながら飛び続けているようなものだ。

 ドラパルトとの空中戦を繰り広げる今も尚、これによる反動ダメージがウインディの体を蝕み続けているのだ。

 

 マックスのウインディが並外れた体力の持ち主でなければとっくにガス欠となって墜落していたであろう。だからこの技はウインディの切り札であると同時に体に大きな負担が掛かる諸刃の剣なのだ。

 

 その証拠にウインディ自身。既に息が上がり始めている。推進力を得るために行う炎の爆発によるダメージと急加速で生まれる負荷(G)が大きな負担となっているのだ。

 正直に言えばもう体を投げ出したい。だがそれ程の疲労が溜まろうともウインディの動きは止まらない。止めるつもりもない。

 

 いつだってそうであった。長く険しくとも踏み出したその先の景色への渇望こそが常にウインディの心を動かし続けて来た。そしてその喜びを一番最初に与えてくれたのが主人のマックスだ。

 

 それはまだ、ウインディがまだガーディだったころの話である。

 

 マックスのウインディのその生まれはワイルドエリアにある育て屋だ。預り屋とも称されるこの場所には日夜色んなポケモントレーナーがその施設を利用しにやって来る。

 ポケモントレーナーを対象とする育て屋の活動は多岐に渡り、一時的にトレーナーから相棒のポケモンを預かったり、ポケモン同士が作ったタマゴやそこから生まれたポケモンの世話と里親の募集など様々である。

 

 中にはこの育て屋から自分の初めてのポケモンを得るトレーナーも珍しくない。

 

 しかし中には一度来た後、二度この育て屋に来ないトレーナーも存在した。彼等のその目的と行いはポケモンの側に立って見ればとても残酷で身勝手なものである。

 

 確かに育て屋では自分の預けているポケモンがその期間中に相性の良い相手と愛の結晶(タマゴ)を作ってしまう場合がある。その時は持ち主の事情を加味してトレーナーが受け取りを望まない限りは育て屋内で世話をするサービスがある。

 

 だがそんな時の運と巡り合わせと違い、自分の預けたポケモンを迎えに来ない彼等の狙いは初めから育て屋にポケモンを捨て来ているのだ。

 例えばの話。その置き去りする理由が経済的な理由や健康面の悪化などでどうしてもポケモンと一緒に暮らせない。知り合いに相談してもその世話を断られた。などであればまだ同情できる事かもしれない。

 

『預けてたの忘れてたわ。え、引き取りにそんなお金掛かるの!?じゃあもう要らないからそっちで処分しといてよ。はあ、無理?そっちの不親切でこうなったんだから融通利かせろよ!』

『そのポケモン育てるのに飽きちゃって。捨てるにしても野に返すより育て屋さんに置いて行った方が良いかなって。罪悪感も薄れるし。育て屋さんって託児所みたいなもんだからいいでしょ?あれだったら適当に里親でも探してあげちゃってよ。私は気にしないから』

『親のポケモンより強い子供が手に入ったしそっちはもう要らないや。それ、育て屋さんに寄付してやるよ』

 

 実際に育て屋であった無責任なトレーナーたちの一例である。彼らは自分たちの行いに何の疑問も持たずにむしろ良い事をしたと思っている節さえあるので質が悪い。

 

 当然の話ではあるが育て屋には個々のリソースに制限があり、トレーナーの引き取りを前提として営業している場所がほとんどである。なのでこのような事をされても実際の利益面ではマイナスにしかならないのだ。かと言って置いて行かれたポケモンを見捨てる訳にもいかず、大体の場所では育て屋が不満をその飲み込むしかない。

 

 育て屋の運営とは多くの人たちの善意で成り立っているのだ。

 

 こんな非道な行いをする人間は本当に少数とは言え、それでも確実に存在する。

 この様な輩に限って責任を追求すればさも自分が損をしたとでも言わんばかりに被害者面をするので始末に負えない。

 

 こう言う事態に遭遇する度に育て屋の従業員はしなくても良い苦労をすることになる。だが本当に救われぬのは主人から捨てられたポケモンたちであろう。

 

 自分がパートナーから愛されていなかった事を察して心を病むもの。いつか主人が迎えに来てくれる事を信じて健気に待ち続けるもの。

 

 そんな哀れなポケモンたちの姿を目にする度に育て屋のスタッフたちは無責任なトレーナーに憤りを感じつつもそれを表に出さずに胸へ秘め、残された彼等に出来うる限り寄り添って来た。

 

 このような状況を必要以上に増やさないためにも育て屋では預かる際に必要な手続きを増やしたり、ポケモンたちの新しい里親を募集したりなど対策を打ち改善を行って来た。

 しかし残念な事にこれらの被害をゼロにする事はいまだに出来ていない。

 

 ガーディはそんな育て屋を経営していれば少なからずある事例の親から産まれて来たポケモンの一体である。ある意味ガーディは育て屋の―実際育て屋は悪くないが―負の側面の象徴とも言えるだろう。

 だが産まれも育ちもこの預け屋の敷地で過ごしたガーディであるが、その親の仄暗い背景に反してすくすくと真っ直ぐ元気に成長した。

 

 親切な施設の従業員。歳の近い似た境遇の兄弟同然の仲間たち。そして確かな親の愛を受けて育ったガーディは自分の生まれも境遇にも不満を抱かずに毎日元気に過ごしていた。

 

 ガーディがそんないつもの生活に疑問を抱いたのはよく晴れた日の事であった。その日はたまたまポケモンを預けたり迎えに来るトレーナーが多く、育て屋の施設内が非常に混雑していた。

 普段見かけない者たちで一杯になったその風景は大なり小なり、施設内にいるポケモンたちの興味を刺激したのだ。

 

 ガーディもその例に漏れず、他の兄弟の中でも特に仲が良かったイーブイと遊んでいた折に、その活気のある人通りに目が行き物珍しさに彼等の事を目で追っていた。

 

 自分の預けていたパートナーを大切そうに抱えて扉から出て行くトレーナーたち。しばらく会えぬ寂しさをポケモンと抱擁することで誤魔化す者。

 やり取りは人それぞれであったが、用事を済ませた彼らのその後の行動は一緒だった。

 

 育て屋に唯一ある外へと繋がる出入り口を兼ねた大きな扉。そこからを利用して、皆が施設から出て行くのだ。

 その先は育て屋の敷地外。生まれてこの方、育て屋から出た事のないガーディが知り得ない世界である。

 

 普段なら気にも留めない光景の筈だったのだがどうにもガーディは、自分の知り得ない未知の世界に好奇心を刺激されて止まなかった。育て屋と言う周知の世界にしか目が行っていなかったガーディはその時に初めてその外へ意識を向けたのだ。

 

 イーブイとの遊びを抜け出したガーディは、イーブイが呼び止める声を聞き流して柵で仕切られた境界線まで移動した。そしてその場に座り込み改めて外の風景をその目に映したのだ。

 

 自分の眼前に広がる草原。駆け回る野生のポケモンやテントを張り他者と交流しているトレーナーたち。地面から盛り上る岩石は険しい山の様であった。そこから覗く外の空模様は、いつもと一緒の筈なのに何故か初めて見た気がしてガーディの胸を締め付ける。

 

 さらに驚く事にガーディの見るワイルドエリアのその景色はほんの一部で、雄大な大地は視界に収まり切らない程に広がっていたのだ。ワイルドエリアのその全容はとてもではないが育て屋の一面からでは見通す事は出来ない。

 

 その壮大な景色は柵の内側の世界しか知らなかったガーディに多大な衝撃を与えた。

 

『この先にいったい何があるのだろう?』

 

 育て屋と言う箱庭でガーディが初めて自分の中から湧いた疑問であり、満ち足りた生活から生まれた未知への興味(飢え)であった。

 

 それからのガーディの生活は変わる。仲間や親と一緒に居てもどこか上の空で、いつも気が付けば柵で出来た境界線の内から外を眺める日々。

 

 そんなガーディを見兼ねた育て屋の従業員や、心配してくれた仲間たちが何度もガーディを気に掛けてくれたが当の本人はそれに対して生返事しか返す事が出来なかった。

 そんな状態が続く内に、ガーディは面倒をみてくれた者たちに呆れられてしまい親友のイーブイを除けば誰も構わなくなってしまった。

 

 別段彼らが薄情な訳ではない。ガーディの今の状態は蕁麻疹のようなもので、飽きたら勝手に戻って来るだろうと軽く考えていたのだ。

 

 だがガーディの未知への憧れは冷める事は無かった。朝が過ぎ昼が落ち夜が明け。春が訪れ夏が照らし秋に染まり冬の(とばり)が広がる。

 ガーディは未だにその場所の未練から逃れる事が出来なかった。

 

 そしてガーディが外の世界に焦がれて一年が過ぎた時。とうとう粘り強く毎回見守っていたイーブイもガーディの所業に根を上げて去って行ってしまった。

 イーブイにとってこの前まで元気一杯に遊んでいた親友が憑り付かれたように、外を眺め続ける姿を何も出来ずに見守るのは想像以上に辛い事であったのだ。

 

 むしろ一年も良く持った方であろう。

 

 後ろ髪を引かれる思いで去って行くイーブイのその姿に気付かず、ガーディは来る日も来るも外の世界を見続けた。

 正直ガーディ自身も自分のこの欲求の事を正しく言い表せる方法はなかった。

 

 時々、そんなガーディの姿を見掛けたトレーナーが何くれと構おうとしたが、何の反応も返さないガーディに興味を失ったのか直ぐに何処かへ行ってしまう。

 いつしかそんなガーディの姿は育て屋でちょっとした名物の様になっていた。

 

 しかし永遠に続くかと思われたそんな日々も唐突に終わりを迎えた。いつもの様にガーディが外を眺めていると、その隣にどさっと音を立てて誰かが座ったのだ。

 その事にガーディは気がつけれども、特に興味を抱かず変わらぬ姿勢を保った。

 

 そして時間が進み日も暮れ始めそろそろ寝床に戻らねばならなくなった時、ガーディは隣を見て驚く。ガーディがいつもの様に外の世界に目を向けて何時間も経っていたのにも関わらず、いまだに自分の近くに座り続けていた者がいたからだ。

 

 外の世界に興味を持つ様になったガーディに近付いてきたものはいままで何人いた。だがそのどれもがガーディから関心を持たれる事はなかった。

 

 いずれもガーディが鬱陶しさを感じる程に声を掛けて来て、それが無駄だと悟と勝手に失望して居なくなる。中にはせっかく構ってやってるのにと頼んでも無いお節介を無下にされて腹を立てる者もいた。

 

 しかし今、ガーディの隣に座り込んだ少年の様に外の世界から目を離さず黙って一緒に居続けた者は初めてであった。

 むしろこの少年はまだ柵から見える外の世界をガーディ以上に見続けてさえいる。

 

 だからこそガーディは久方ぶりに外の世界の事以外のこの少年に興味を持った。

 

 『自分と同じ様に外を眺める彼は何を考えているのだろうか?』と。

 

 あるいは彼ならば自分の中の消化しきれないこの思いに明確な答えをくれるのではないかとさえガーディは期待をした。

 

 しかしガーディのその期待は直ぐに解決する事が出来なかった。物を知らない昔のガーディであれば気になったものに無邪気に飛び掛かって行ったであろうが、少し内面に変化が訪れていた今のガーディにはその少年の有り様を邪魔するのは悪いのでは無いかと考えたのだ。

 

 自分がそうであったように、望まぬ会話を善悪問わず一方的に仕掛けられるのはそれなりにストレスが溜まる行いだ。

 

 だがこのまま何もせず自分の寝床に帰る気もガーディには起きなかった。仕方なしにガーディは視線を前に戻しながらちらちらと隣に座る少年を盗み見る状態に落ち着く。

 

 このまま夜まで同じ様に過ごすかと思われた膠着状態も、件の少年が口を開いた事により終わりを迎えた。

 

『外の世界が気になるのか?』

 

 その言葉を聴覚で捉えたガーディは弾かれた様に少年に顔を向けた。

 少年もまたガーディに目を向けており両者の視線はその時初めて交差した。ガーディは無表情でありながらも黒曜石の様な少年の瞳を捉え不思議な魅力を感じた。

 

『俺もだ。この世界に来てからずっと見た事の無いもんばっかに圧倒されちまう。自分の知らない未知ってのはどうしてこうも気になるんだろうな?この先には何があるんだろう。どうやったらそこまで行けるんだろう。テッペンから見る世界ってのはどうなってるんだろう』

 

 とうとうと語り出した少年の言葉をガーディは静かに聞いていた。

 まるでその先に自分が今まで知りたかった答えがある様な気がして。

 

『そんな事ばっかで頭が一杯になると、ついつい欲が出来ちまう。そこが気になる。俺なら行けるんじゃないか。ならこの目で確かめてみたい。自分の両足でテッペンに行きてぇんだ。この思いを止めたくない。この胸に生まれた憧れを忘れたくない!』

『――』

 

 少年のその言葉を聞いたガーディは天啓を受けた気分であった。

 これまで消化しきれず自分が漠然と抱いていたその思い。言語化されたその答えが悩めるガーディの霧を払ったのだ。

 

 即ち、俺は外に行きてぇんだ!と言う自分本位の純粋な我欲(願い)。それこそがガーディが一年前から抱き続けていた思いなのである。

 だがようやく自分の思いを自覚出来たからと言ってガーディの状況が好転するわけでは無い。

 

 流石にものを余り知らない文字通り箱入りのガーディとて何の許可もなしに此処(育て屋)から出て、外の世界を好き勝手に歩き回る事が出来ないのは理解していた。

 

 正式にこの育て屋から出て行く方法は限られている。がしかし、ガーディはそのどれとも縁が遠かった。せっかく湧き上がったこの思いも立ち塞がる現実の前では無力なのだ。

 

 酷く落胆した表情を浮かべるガーディではあったが、少年は知ってか知らずかその姿のガーディを気にせずにさらに言葉を続けた。

 

『俺は今、頂点(チャンピオン)を目指しているんだ。前の生活(前世)じゃあ挑戦しようとも思わなかったこの願いも、現金な話。ここなら、もしかしたらが起きるんじゃないかって考える自分がいるんだ。甘い話だと言われればそれまでなんだけどさ、憧れは止められないんだ』

 

 ガーディはいつの間にか少年の話す言葉に夢中になっていた。そして無意識に彼のその話の先に期待を寄せる。

 

『未知の世界に行きたいガーディと頂点に上りたい俺。似たもの同士と言うか。・・・なんかさ、俺たち良いコンビになれると思わないか?だからよガーディ。俺と一緒にその場所を、外の世界を見に行こうぜ!』

 

 ガーディは思わずその少年の提案に目を見開いた。ゆっくりとこちらに差し出す彼の手とは裏腹に、ガーディの心臓の鼓動は煩い程に早鐘を打つ。

 今日、初めて出会った少年が自分と同じ夢を抱く理解者で一緒にそれを叶えようと他でもない自分を誘ってくれる。

 

 それがどれほどの偶然で、どれほどの幸運であるかは、ガーディは正確には分からない。しかし、ありていして言えばこの日。ガーディは運命に出会ったと確信した。

 

 であるならばその答えは決まっている。ガーディは迷いなく差し出されたその手に自分の前足を重ねた。

 

『バウ!』

『!、そうか。来てくれるのか。ありがとうなガーディ。俺の名前はマックス。これからよろしくな、相棒!』

 

 こうしてガーディは憧れて止まなかった外の世界へ足を踏み入れる。

 まあガーディとマックスのその旅路に何故か一番仲が良かったイーブイもひっついて来たのが不思議でならなかったが・・・

 

 ともかく、ガーディはマックスやイーブイと様々な経験を共にした。初めて見る景色。初めて口にする食べ物。初めて出会うトレーナーやポケモンたち。

 そのどれもがガーディの好奇心を満たし楽しい思い出となった。

 

 その合間合間にはさむポケモンバトルもガーディの旅路に程よい刺激を与えてくれた。正直に言えばこの時のガーディにとってバトルでの勝ち負けはそれほど一喜一憂するものではなく、言ってしまえばイベント感覚であった。

 マックスや友であったイーブイと共に外の世界で過ごす事こそが、ガーディにとっての充実感に繋がったからだ。

 

 ゲームはプレイするだけで楽しい。勝てればさらに嬉しいが負けたところでそれは仕方の無い事。皆と一緒に過ごす思い出こそが尊い。正しく、ガーディはエンジョイ勢であった。

 

 だがその生活にも影が差し始める。初めて挑んだガラル地方でのジムチャレンジ。その三番目の炎のジムリーダーにマックスたちは惨敗した。

 負けたその事実にガーディはそこまでの悔しさを感じる事は無かった。

 

 むしろしょうがないと軽く流しまた挑戦する時があるなら、その時に頑張ればいいやと考えていた。

 そのガーディの考えが吹き飛んだのは主人であるマックスが自分とは真逆の思いを抱いていたと知った時であった。敗北によって膝を付き慟哭するマックスの姿を見たガーディの心は大きく揺れ動くほどの衝撃を受けたのだ。

 

 認識の差とは、それが大きいほど当事者等の溝を深める。しかしそれはある種仕方の無い事であった。

 ガーディの未知の世界を知りたいと言う欲求は割とすぐに叶えられた。さらに隣には常にマックスや友であったイーブイがいたため、新しい生活にも孤独を感じずに満足した生活を送れたのだ。

 

 こんな状態が続けば、憧れへの飢えなどすぐに満たしてしまう。

 

 対してマックスは未だに憧れ()へと向かう最中であった。その序盤で完膚なきまでの敗北を味わえばそのショックも大きくなると言うもの。

 そのマックスの姿から受けたショックこそガーディにとっての初めての挫折。なぜ自分はあの時にもっと真剣に戦わなかったのか。マックスがバトルに身を置くトレーナーだと知っていたのにその勝敗に執着しなかったのか。

 

 ガーディの胸から生まれたその後悔は溢れて止まらなかった。ガーディは決してマックスのあんな涙に濡れた悲しい顔を見るために一緒になったのではないのだ。

 

 マックスのあんな姿は二度と見たくない。悲しませたくない。彼にはずっと笑っていてほしい。この思いがガーディのポケモンバトルへのスタンスを変化させた。

 後にほのおの石によってウインディへと進化を果たした事によってその考えはより強固なものへとなった。

 

 だからこそ自分はこのドラパルトとの勝負に負ける訳にはいかないのだ。真剣勝負のバトルに置いてしょうがない敗北など一つも無いのだから。

 

 その強き思いが力となってウインディの体をさらなる炎で染め上げた。

 

 火によって赤く発光していた体に蒼い炎が灯る。体全体を蒼炎で染め上げたウインディの火の勢いは止まらず、さらにその火力を上げ続けるウインディの身体の温度は際限なしに上昇していく。

 そして遂に臨界点まで達したウインディの炎は、全身の蒼炎を塗り替える白焔となる。

 

 白き焔を纏ったウインディのその炎は、ウインディの体を、暗い夜空を、バトルフィールドを白く白く染め上げて塗り潰す。超熱高温生物と化したウインディのその姿は白い太陽であった。

 

『とてつもない眩しさです!正直、白く染まったマックス選手のウインディのその姿は直視する事が出来ません!!』

『とんでもない熱と光源です。こんなウインディは今まで見た事もありません!』

「すごい・・・こんなことがあり得るのか」

 

 その昔、ウインディのその駆ける姿は誰もが目を奪われる程の美しく力強い走り姿だったと謳われていた。その伝説が今、ここで甦る

 バトル会場の誰もが、対戦相手のダンデやドラパルトでさえもすべての闇を照らす神々しき白き太陽に目を奪われる。夜空を染める何よりも輝くウインディ(極星)は日の落ちぬ白夜そのものである。

 

―ウオオォン!!!!!―

 

「これが、マックス選手のウインディの真の姿なのか?」

 

 その神々しい姿はダンデあっても思わず飲まれてしまうものであった。しかしそのダンデの姿を誰が責められようものか。それはマックスとウインディがダンデの予想を上回った瞬間であった。

 

 そしてウインディは同じように足を止めて唖然としてるドラパルトに目を向ける。今のウインディは有り余る熱と体から溢れ出る白焔(フレア)のお陰で空中に留まりホバリングすることを可能としていた。

 先ほどのドラパルトとのドッグファイトの時とは違い、落下を防ぐために常に爆発による推進力を得る必要がなくなったのでその安定感は段違いだ。

 

 狙いを定められたと悟ったドラパルトは慌てて我に返り急いで動き出そうとする。しかしそれより早くウインディの最後の猛攻が始まった。

 

「バオオォォン!!!」

 

 その場の空間を揺るがす一括の叫びを上げたウインディの体が爆発する。その勢いで自身が纏っていた白焔から漏れ出たフレアを周囲に撒き散らしたのだ。白き炎の裁きは全てを平等に燃やし、四方に散る事でドラパルトの退路を塞いでしまう。

 

 さらに空と地上の両方を焦がすフレアは閃光となってドラパルトの目を焦がす。

 

『ま、眩しい。眩しすぎます!我々からではもはや何も見えません!!』

「く、ドラパルト!来るぞ!!」

「ウインディ。このチャンスを逃すな!これで決めるんだ!!」

 

 天空を穿つ程に広がったウインディの白焔は、まるで巨大な翼の様に揺らめきその勢いを増す。そして至近距離でフラッシュバンを受けたも同然なドラパルトは退路を断たれたこともあり、完全に足が止まってしまう。そのドラパルトへ向けて、全身の焔を開放したウインディが突撃した。

 

 人の世界に落ちて来た白夜の流星が全てを飲み込んだ。

 




久しぶりに一万字越えてワロタ。多分、誤字脱字がいつにも増して多いと思います。すみません。
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