自分の名前が「一心」なので、葦名かと思ったら稲妻だった 作:クラウディ
|ω・)チラ……
|'ω')ノ⌒「最新話」
|彡サッ!
久しぶりの投稿、めちゃくちゃ遅れてしまい申し訳ないです()
「あら、久しぶりね。蛍、パイモン」
「よう! 久しぶりだなお前ら! 将軍様から話は聞いてるぜ!」
「千代! それに一斗も! 元気そうだな!」
「二人とも久しぶり。元気そうで私も嬉しい」
綾華と眞の二人に別れを告げた2人が続いて向かったのは、稲妻随一の刀匠が集まる鍛冶場――『たたら砂』のある島――『神無塚』。
相も変わらず鉄を打つ音が鳴り響く村の中心地を抜け、道なりに進んだ先には一軒の質素な家があった。
そこでは、額に角を持つ絶世の美女と、同じく角を持つ巨漢の青年が縁側に座ってくつろいでおり、蛍達を出迎えてくれる。
一見すれば兄妹のようにも見える彼らだが、実際のところはもっと複雑な関係性を持っていた。
千代と呼ばれた女性の名は「
そんな千代と一斗は、額から伸びる角が示すとおりに「鬼」と呼ばれる種族であり、特に千代の方はこの稲妻に古くから名を残している存在だ。
なにせ千代は、あの雷電将軍である「雷電眞」と「雷電影」が信頼を置く一騎当千の『戦士』であり、彼女達の『親友』でもあるのだ。
そして一斗は、鬼族の中でも未だ若い身でありながら先の戦争で活躍した戦士なのである。
そんな2人の下に、蛍とパイモンは訪ねてきたようだ。
訪ねてきた理由はもちろん……「一心」についてである。
「事情はすでに聞いているわ……と言っても私はあの『剣狂い』の姿を直に見ていたの」
「剣狂い……って、一心のことか? しかもあの時に見てたのかよ!?」
「ええ。ただでさえ頭が固い影以上に剣に生きたあの馬鹿はそんな呼び方で十分なのよ。せっかく帰ってきたのに謝りもせずにまたどこかに行くなんて……どうしてくれようかしら……」
「お、おぉう……また湯飲みにヒビが入ってるぜ、ばあちゃん……」
「えっと……もしかして、一心様に昔何かされたの……?」
「……あ、ご、ごめんなさいね? コ、コホンッ……昔、一心とはいろんなことがあって……」
最初に話題を切り出したのは千代だった。
一心のことを『剣狂い』と呼び、それについて疑問を浮かべたパイモンが聞き返すと、目に見えるほどの怒気と元素を纏いながらどこかへと視線を向ける。
その気配に当てられたのか、彼女が手に持っていた湯飲みにヒビが入ってしまった。
一斗と蛍の指摘によってハッとした千代だが、それほどまでの怒りを露わにするなんて……と蛍は思ってしまう。
そんな彼女達のことを察したのか、咳払いをして話を続けた。
「あの人はね、いつも剣のことばかり考えてた。『民を守るため』、『国を守るため』、そして『私達を守るため』……いろいろあったけど、何かと理由を付けて剣を振るってた」
「……? でも、眞から聞いた話だと一心って、色んな事を発明してたりしてなかったか?」
「ふふっ、あれは彼の『暇つぶし』でできたものなのよ」
「暇つぶし……?」
「そう、『暇つぶし』よ。そういうものを彼が考えつくのは、『
「そうそう! 俺がガキの頃に遊んでたこの『
「えぇっ!? これもかよ!?」
千代の言葉に付け加えるように一斗が懐から取り出したのは、円錐型の玩具――『独楽』である。
これは稲妻に古くからある玩具で、子供たちはよくこれを使って遊んでいるのを蛍達はよく目にしていた。
そんな一斗が懐から取り出した独楽を見て、千代は懐かしそうに目を細める。
「懐かしいわね……初めて一心が独楽を持ってきた時はまた仕事を怠ける口実を作ったのか、って思ったのだけれど、彼に乗せられて結局は一緒に子供たちと遊ぶことになっていたわ……もう、あれから何年経ったのでしょうね……」
「千代……」
その言葉にどれだけの想いが込められているのだろう……蛍にはそれを察することしかできない。
だがそれでも、過去を懐かしむ千代からは、親友が戻ってきてくれた嬉しさと、過ぎ去ってしまった時間への寂しさが感じられた。
「あの馬鹿にどんな事情があるかはまだ分からないわ……でも、顔も見せずにまたどこかへ行こうとするのなら、地の果てまで追いかけて捕まえてみせるつもりよ」
「へへっ! ならオイラ達も頑張らないとな! 旅人!」
「うん。私達も協力する」
「俺もだぜばあちゃん! ばあちゃんの
「「……………………………………えっ?」」
「………………一斗? 今何といいました?」
「なんだばあちゃ、って、あっ」
覚悟のこもった千代の言葉に同意したパイモンと蛍だったが、突然一斗が落とした爆弾に動きを止める。
その言葉を聞き逃せなかった千代は、ぎこちない動きで一斗の方を向いた。
そんな千代からは先程までの穏やかな雰囲気は残っておらず、羞恥の入り混じった気配が感じとれてしまうほど狼狽えているのが、蛍達には分かってしまったのである。
この後は……神無塚に響き渡った一斗の悲鳴を聞けば察せられるだろう。