彼が目指すその高み、そこに至る初めの一歩。
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赤い彗星です。
今回は、僕の友人であるぬぬっしし(@nushi_shinymas)さんが書いている、ガンダムビルドデューラーズ(https://syosetu.org/novel/206867/)の二次創作······たぶん、正確には三次創作にあたるのかな?を書かせてもらいました。
タイトル見て分かる人には分かると思いますが、デューラーズ世界の”彼”のお話です。
まあ、つべこべ言ってないでとっとと本編見たいですよね?
それでは、どうぞ。
戦場に砂塵が舞う。
荒野で輝く閃光、一つ、二つ。
切り立った崖をも消し飛ばして。
閃光の真っただ中、ブースター光が一つ。
後退するように機動している。
その機体の名は
しかし、トリコロールカラーではなく青と白、黄色という爽やかなカラーリング。
相対するのはフリーダムガンダム。
その機体は紫色のオーラを放っている。
よく見れば、対面の青年は紫色の宝玉が埋め込まれた指輪をしている。
「······つまり、
数年前、開発に成功した
ガンダムのプラモデル──ガンプラ。
これを自由に操れると聞き、遊戯はブレイクした。
「ガンダム、まだ行けるか?」
だがしかし、光あるところには影がある。
少年『テンマ』は最近流行しているチーターとの戦闘になっていた。
無理もない、何故なら彼は──
「行けないなんて言うなよ。蒼白の
蒼白の
彼が掴み取った二つ名。
何処までもいきたい、全ての始まりの如く。
故に──
「「──システム、起動!!」」
ただのガンダムは輝きを放つ。
これは”彼”がテンマに託したシステム。
”彼”もまた貪欲に、上を目指している。
負けられない理由なんて、いくらでもあった。
「──ガンプラバトルかぁ!!おもしろそうやな!!」
始まりは、テレビに映された一つの映像だった。
歓声沸き上がるスタジアム、その中央で光を放っているのはバトルシステムの光。
プラネットコーティングの光だ。
その小さな戦場で戦う影二つ。
二機ともトリコロールカラーのオリジナルのガンダム。
片方は覆面を被っており、∀に近いデザインののっぺらな胴体を持つガンダム。
もう一機はガンダムフレームをベースにしたようなガンダム。
二機のガンダムがぶつかり合い、もつれ合う。
激闘が続き、戦いを制したのはのっぺらのガンダムだった。
カメラは勝者の青年に移り、優勝トロフィーを掲げる姿を大きく映し出した。
機体はボロボロでも、彼は笑っていた。
「──あっこまでいけたら、たのしそうやな!!」
最初に手を取ったガンプラはガンダムだ。
一緒に買ったニッパーでランナーからパーツを切り離し、組み立てていく。
ランナーという二次元空間から解放されたパーツ達が組み合わさり、立体となっていく。
それが不思議でたまらなかった。
「──できた!!」
机の上に立っていたのはトリコロールのガンダム。
つまり、素組みのガンダムだ。
まだ幼いテンマはにっこりと笑みを浮かべ、ガンダムを手にすると走り出した。
それから、時は巡り。
「──やあ、君がテンマ君で合っているかな?」
「······誰や?」
ここは高校の屋上。
青空が広がる下で一人弁当を食べていたところに、謎の少年が現れた。
金髪碧眼、見たままの美青年。
確か、噂にもなっていた気がする。
「あぁ、お前は──」
「シリウスだ。よろしく」
美青年から握手を求められ、それに応じる。
スルリと人の懐に入ってくる感じ、妙に慣れている。
そんな彼は話を続ける。
「最近、話題になっているのをよく聞くよ。蒼白の
「······なるほど?つまり、バトルのお誘いってことか?」
あれから数年。
かつて幼かったテンマは高校生になり、その腕は地域のデューラーに密かに囁かれていた。
蒼白の
彼の好きな色は青、同時に敗北の味も青色だった。
故に、好きなように戦うために、忘れないように、赤を抜いて今のカラーリングへと変化していった。
それが、蒼白の
「いいや、違うさ」
そういうと、彼はポケットから小さなカプセルを取り出した。
銀色のカプセル、ガンプラの胴体に入れたらちょうどはまりそうな大きさだ。
それをテンマに見せびらかしながら続ける。
「僕はこの間の君の戦いを見て、君に惹かれたんだ」
「このあいだって?」
「まあ、いつでもいいじゃないか」
まるで役者のように演じ、彼はうろうろとしながら語る。
テンマは顎を手に乗せて聞いていた。
「僕は、僕の創った”システム”がどこまで通じるか知りたいんだ」
「······システム?」
「あぁ、そうさ」
GPデュエルは自機に対して強化システムを積むことが可能である。
しかし、その強化システムは自作する必要があるのだ。
トランザムやエグザムなど、既存作品に出てくるシステムは、公式が配布しているテンプレートのプログラムを使えば、条件を満たせば誰でも無条件で搭載可能。
だが、本当の”オリジナル”を創ろうとすると、難易度が爆発的に上昇する。
創ること自体は可能かもしれないが、そのプログラムは公式の審査を通して初めてバトル中に使用可能となる。
故に、テンプレートから創り出した物なら大体はAIによる審査を通り抜けることが可能だが、一から創るとなるとかなり確率で審査から落とされる。
「もちろん、認可は降りているよ」
「つまり、オリジナルシステムってこと?」
テンマは驚愕の目で目の前の少年を見た。
同級生の彼、シリウスはたははと笑いながら頭をかいた。
彼は続ける。
「見返りは、君と一緒に僕も同伴。どうかな?」
「······なんでそこまですんの?」
目の前の帰国子女の少年。
初対面にも関わらずに、惹かれたという理由だけでそこまでする理由が分からない。
なんなら、非認可のシステムを使わせることによって、妨害するなんていう考えかも知れない。
彼はそりゃあそうかと言うと、真剣な面持ちへと変わる。
「──あの日、日本に帰って来ていたあの日、ちょうど見ていたテレビに映っていたバトル」
「······まさか」
「あのガンダムの出すあの炎の色、あれが忘れられなくてね」
蒼い炎をシリウスは見た。
かつて、テンマと同じ年の頃に、
ガンプラが映し出す闘志のようにも見えるそれに、彼は憧れた。
「だから、君に託したいんだ。僕と同じ匂いを感じたからね」
ウインクと同時に右手にカプセルを乗せる。
その手をテンマに突き出して来たシリウス。
「···テンマ君、手を取ってくれないかな?」
「······あぁ!!よろしく頼むで!!シリウス!!」
二人がタッグになった日。
それが、昨日の話だった。
そして、現在。
いつもの模型店、バトルする相手を待っていたら現れた青年。
紫色の宝玉を埋め込んだ指輪に違和感を感じながらも、バトルを開始したテンマ。
「さあ、見せてみ!!」
対面のフリーダムガンダム。
突然、通信が繋げられてテンマは驚いた。
通信を繋ぐなんてこと、バトルにおいては自身の手を明かすに等しい。
故に、オープン回線は使われないはず。
「······よくも、ボクのフリーダムをぉおおおおおお!!!!!!!」
「···え?」
次の瞬間、フリーダムから紫色のオーラが溢れ出してシステムが熱を帯び始めた。
初めて経験するからこそ分かる。
このバトルは、いいや
「──異常や」
相手のフリーダムの使ったシステムのせいか、バトルシステムそのものが悲鳴を上げる。
紫色のオーラがガンダムに纏わりつき、文字通り力を奪っていく。
空を飛んでいたその機体が地に伏せて、テンマのバトルシステムはエラー表記と共にブラックアウト。
悠々と降りて来たフリーダムはガンダムが動かないことをいいことに、ガンダムをなぶり始める。
「ハハハハ!!!お前はよォ···ボクのフリーダムをよぉ······ぶっ壊したんだよなァ!!」
蹴り、盾で殴られ、ライフルで胴体を焼かれ。
ガンプラが傷ついて、停止しない程度に名ぶり続ける。
テンマはアームレイカーをギュッと握った。
「···そんなもん、分かっててやってるんちゃうんか!!」
GPデュエルはリアルのガンプラを動かして戦っている。
故に、バトルで受けたダメージはそのまま現実のガンプラへと跳ね返ってくるのだ。
そんなことは、当たり前で誰もが知っていること。
しかし、目の前の男は違うようだ。
「──ボクこそが、この世界の王者だァ!!」
聞く耳持たず。
錯乱したような笑い声と共に、ガンダムは傷を負っていく。
──動けない。動かない。ガンダムが。
「う、ご、けぇええええええええええええええええええええ!!!!!!!」
テンマはシステムに拳を振り上げた。
──すると、システムは一斉に再起動。
ノイズだらけだが、とりあえず動けるように。
「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!!!!」
瞳孔が開き切った顔で、男は笑う。
だから。
「······ガンダム!!」
少年は英雄の名を叫んだ。
それと同時に、双眼に光が灯る。
蒼白は空へと飛び立った。
「──なっ!?動けないはずじゃあ!!クソッ!!」
フリーダムはバラエーナを展開し発射。
上空のガンダムを狙うが、それはギリギリで回避され、荒野に聳え立つ切り立った崖を抉って終わる。
閃光の真っただ中、ブースター光が一つ。
後退するように機動している。
その機体の名は
「──テンマ!!」
「シリウス!?」
いつもの模型屋に初めて見る顔が現れた。
シリウス。彼が昨日契約した、大事なパートナー。
彼にシステムを渡した少年だ。
「気を付けろ、アイツはNRリアクター使いだ」
「······つまり、
NRリアクター。
その名前までは聞いたことなかったが、噂なら聞いたことがあった。
曰く、機体が突然理不尽に強化された。
あるいは、自機のスペックが突然急降下した。
暗いうわさは聞いていたが、少し遠い地域での話だと思っていた。
「ガンダム、まだ行けるか?」
死線を一度くぐったガンダム。
その瞳に撤退の二文字はなかった。
過呼吸になりかけている男を見据える双眸。
「行けないなんて言うなよ。蒼白の
「こんなところで倒れられては困る」
シリウスは彼の左隣に立ち、メインシステムを覗く。
相当にバグった状態、
その状態で機体を動かせている今が奇跡に近い。
ここを逃して、次に機能停止してしまえば、次こそは理不尽な敗北を強いられるだろう。
「昨日渡したシステムは?」
「あぁ、昨晩仕込んだで!!」
「なら──」
なら、やることは一つだけ。
最大のピンチを、最大のチャンスに変える。
まるでアニメのような展開、テンマはニヤリと笑いシリウスを見た。
「ありがとな」
「気にするな。やられちまうぞ?」
ブーストして本格的に接近しだしたフリーダム。
加速力があるが故に機体の速度は速い。
だから、彼は──彼らは呼び出した。
「「──システム、起動!!」」
ただのガンダムは輝きを放つ。
あの日、テレビ越しに繋がった二人。
二人の上を見たいという気持ちが、結実する瞬間。
──戦う
あの日の憧れを追いかけて。
あの日から前へ進む為。
それが、俺の──俺達の。
輝きがガンダムに纏わりつくように付着していく。
その姿、まるで太陽。
そして、光が収縮した。
──蒼い光を纏ったガンダム。
『プラネットコーティングをより付着させることで、ガンプラその物の反応速度を高め、性能を底上げするシステムだよ。···まあ、名前はまだ···無いんだけれどもね』
昨日、屋上でシリウスが言っていたことを思い出す。
個人製作のシステムは、GPデュエルという遊戯、その面白さを損なわないようなバランス調整が求められている。
このシステムももちろん、バランスが考慮されて作られている──正確には、そうせざるを得なかったが正しい。
「そっか、コーティングをより付着させてるから消耗がすごいんか···」
システムの制限時間。
このシステムはプラネットコーティングを余分に付着させ、機体の反応速度を無理やり上げている。
だからこそ、ガンプラの消耗が激しく制限時間を設定せざるを得なかった。
制限時間は──
[02:00]
ダクトから熱気が一気に放たれる。
それはまるで、蒼炎。
果てしなく、果てしなく蒼いガンダム。
「次は俺達の······ターンや!!」
「覚悟するんだね」
真っ直ぐ向かってくるフリーダムに対して、ガンダムはサーベルを抜くと応戦。
右に振るったそれは寸前で回避、フリーダムは空中へと舞いながらレールガンを展開すると発射した。
それは盾で防御するが、出力が無理やり上げられているのか、シールドは耐えることが出来ず爆散する。
[01:53]
「アイツ、なかなか強いな!!」
「いいや、でもあれは──」
不正によって得た力。
たとえ、本人の動きが良くてもチートに手を染めてしまったら意味はない。
きっと、彼も輝ける場所があったのに。
[01:51]
「死ねよォ!!」
至近距離からのフルバースト。
テンマは画面越しの銃口からある程度予測して、
発射されるエネルギーとレールガン。
ガンダムはバレルロールしてレールガンを回避しつつ、ビームライフルは左手を犠牲にして突破。
バルカンはそのまま左腕の装甲で押し切る。
[01:48]
「うぉおおおおおおおおおおお!!!!!!」
サーベルが狙ったのはフリーダムの胴体。
致命傷だ。このままいけば、勝利は確実。
[01:47]
それに対抗するために、フルバーストを終えたフリーダムはサーベルを取り出す······
ことは無く、胴体にガンダムのサーベルは突き刺さった。
──はずだった。
[01:46]
「···サーベルが!?」
「アハハハハハハ!!!!!」
サーベルを整形していたプラネットコーティングが霧散し、フリーダムは無傷。
チートによって得た機体スペックの向上、ゲーム内パラメーターの改ざん。
これらを用いて、最硬度の装甲と設定されていた。
「今度はこっちの番、だよなァ?」
[01:44]
フリーダムは突き出されたガンダムの右腕を掴み、地面に向かって投げた。
投げられたガンダムはAMBACの要領で空中で姿勢制御してスラスターを噴かした。
そこに飛んできたのはバラエーナ。
「クッ!?」
[01:42]
「テンマ!!左三番目のスロット!!」
「ッ!?信じるぞ!!シリウス!!」
バラエーナは左腕の全損で免れ、ガンダムは荒野に再び降り立つ。
しかし、追撃の手は緩まない。
再び振り下ろされた自由の剣。
フルバーストの火砲が全て、ガンダムに向けられていて。
「···これで、終わりだァ」
[01:40]
男の妖しい笑みと共に引き金。
それとテンマが武装スロットを選ぶのは同時だった。
[01:39]
放たれる火砲。
光を増させるガンダム。
二つの光がぶつかり合い、荒野に閃光が生まれた。
「──なッ!?」
光に飲まれるように崩壊を辿るガンダム。
しかし、背中の左側から羽が生えていた。
そう、それはまるで──
「──蒼星の、ペガサス?」
右手のサーベルの柄を中心として、新たな物質が形成されていく。
まるで、フィールドの構築のように。
そして、現れる。
「──蒼の剣」
「あぁ、そうさ。僕達の剣だ」
プラネットコーティング技術、その応用。
オブジェクトの生成技術を使い、システムを介して剣を創造したのだ。
その剣をガンダムは振る。
想像よりも軽く、鋭利だ。
「なんで蒼なんやろ?」
「···たぶん、プラネットコーティングを無理やり集めてるから、蒼くなってるんじゃないかな?」
「わからへんの?」
「あぁ、僕も初めて見たからね」
しかし、良い色だ。
何処までも蒼く澄んでいる。
「······翼と剣が生えたところでェ!!!」
「決めろ、テンマ」
「あぁ!!わかったで!!」
剣の生成、それに機体の更なる出力増強。
制限時間は縮まっていた。
[00:30]
「三十秒あるなら十分や!!」
「信じてるよ、テンマ君」
猛スピードで飛ぶガンダム。
それはまるで、天翔けるペガサス。
あるいは、蒼い星。
「狙いが、付けられない!?」
[00:29]
NRリアクターを使用したフリーダムはガンダムのスペックを下げる。
しかし、止まらない、止められない。
その翼は、何処までも羽ばたくためにあるのだから。
[00:28]
雑に展開した火砲。
そして、一気にフルバースト。
もとはと言えば、フルバーストは対集団戦用の技だ。
今回は、この弾幕の網に引っかける意図で彼はその選択をした。
[00:27]
「······遅い」
「ッ!?」
フリーダムの翼が吹き飛んだ。
いいや、切り裂かれた。
誰に?そんなの決まっている。
「──お前!!お前ェ!!!!!!」
また壊すのかァアアアアアアアアア!!!!!!!!!
声がフィールドに響き渡る。
正直、テンマは彼のことを覚えていない。
でも、バトルの上でガンプラが壊されたのなら自業自得だ。
[00:26]
「ボクのガンプラがァ最強なんだァアアアアアアアア!!!!!!!」
地に堕ちながら、フリーダムはガンダムの姿を探す。
しかし、蒼い閃光がモニターに映るだけで。
「──お前のガンプラが、最強?」
[00:25]
ゾッとする声だった。
同じ人間から聞いたものとは思えない声。
テンマの声。
「壊される覚悟もねぇ奴が、語るなよ。騙るな。反吐が出る」
左腕が飛んで行った。
切られたと理解しても、心がそれを否定する。
[00:24]
地面に叩きつけられたフリーダム。
軽くなった機体は跳ね返って。
次の瞬間には両足が消えていた。
[00:22]
「何故!!ボクは勝てない!!!!!」
「──見ていたら分かるよ」
もはや動く手段がなくなったフリーダム。
ガンダムは悠々と降り立ち、じりじりとフリーダムは迫る。
フリーダムは残った右腕で這いずり、逃れようとする。
その姿は、自由とは程遠く、剣としても不甲斐ない姿。
[00:20]
「──テンマを見ろォ!!」
「ッ!?」
シリウスの怒号だ。
その声にびくりと肩を震わせ、彼はガンダムを見た。
──蒼いオーラ、そこに混じるのは剥がれていく装甲の欠片。
ぱらぱら、ぱらぱら、ぱらぱら。
[00:19]
時が過ぎれば過ぎる程、ガンダムは傷ついていく。
力に耐えられないから。
器としては不適、しかし彼がこれを使い続ける理由は──
[00:18]
「なあ」
「······」
「ガンプラ、好きか?」
[00:17]
シンプルな問だった。
先程聞いた声とはまた違う、穏やかな声。
フリーダムの元に辿り着いたガンダム。
しかし、剣は向けなかった。
[00:16]
彼はぎゅっと拳を握った。
昔から男は、ガンプラを作るという点では誰にも負けなかった。
丁寧に丁寧に作った機体。
母親から言われた『きれいだね』っていう言葉は、今も忘れられない。
いつからだろう。いつからだろう。狂ってしまったのは。
自分が作ったガンプラで勝ちたかった。
でも、負け続けて。負け続けて。
──彼は、何処までもガンプラバトルが出来なかった。
『やあ、勝ちたいかい?』
『······』
ある日のバトル。
今日もフリーダムを使って戦った。
そして、ボコボコにされて。
そんな彼の前に、フードを被った青年が現れて。
『負けて悔しいよね?』
『自分のガンプラが一番だって、証明したいもんね?』
男はクロノと名乗って。
フードのポケットから取り出したのは四角の黒い箱だった。
[00:13]
「ボクは······ガンプラが······!!」
崩れ落ちる少年。
フリーダムはガンダムを見上げるように見ていて。
その目は訴えていた。
[00:11]
「······お願いします。ボクのフリーダムを」
「ええんか?」
[00:10]
「いいんです。だって······」
[00:09]
「貴方達はボクに想い出させてくれたから」
[00:07]
「···あぁ、分かった」
[00:05]
シリウスがテンマの左肩に手を置いた。
ふと見れば、彼は笑顔でいて。
だからこそテンマは前を向ける。
[00:03]
蒼い剣を振り上げて。
[00:02]
蒼い剣を振り下ろして。
[00:01]
胴体に突き刺さる刃。
その奥にあったモノを壊して、蒼はフリーダムを貫いた。
[00:00]
システムが0を示し、ガンダムが纏っていた蒼は霧散していく。
これで終わり。
羽は景色へ消え、剣はサーベルの柄を残したまま崩れ落ちる。
そして、ガンダムもまた崩れ落ちる。
弱った間接がへたり、自重を支えきれずに地面に倒れ伏した。
自然と、空を見上げたガンダム。
そこには、何処までも高い
[Battle Ended
Winner
Tenma's Mobile Suit Gundam]
「······ありがとうございました。あと、ごめんなさい」
バトル前とは見違えるような態度にテンマは驚いていた。
まるで、憑き物が落ちたかのような変わり身。
先程戦っていた男は言った。
「ボク、やり直して来ます。今度は、自分の手で···」
「──ああ、待ってるで!!」
傷ついても、傷ついても、戦い抜く覚悟。
テンマも改めて学べた気がした。
「シリウス、ありがとな」
「気にするな、僕が好きでやったことだ。それに──」
シリウスは思案するような顔を作る。
そして、
「それに、僕は最近流布しているチートについても知りたかったからね」
「そうかぁ······せや、聞ける話とか無いん?」
「あ、それなら──」
「そかそか、ありがとな!!」
「いえ、このくらい当然です。あ、それから──」
フリーダムの胴体から少年は取り出した。
それと、彼が付けていた指輪も外して。
シリウスの創り出したシステムと似たようなカプセルだ。
「これ、アナタたちに──」
「ありがとう。助かるよ」
シリウスは受け取りながら笑顔を見せた。
改めて横で見ると何処までも美青年で何故かムカついてくる。
「さて、僕はこれを探るとしますか」
「わかったわ~俺も知りたいしな。任せたで!!」
二人はグータッチを交わして。
直感で理解していた。
この騒ぎは、強くなれば真実へ辿り着けるということが。
「なあ、シリウス」
だから。
「黄昏の太陽神の噂、聞いたことある?」
これは兄弟で戦う彼らとは違う、もう一組のタッグの物語。
運命の歯車は、廻り出した。
「あ、そうだ。システムの起動パスワードは『蒼を纏え』なんてどうかな?」
「············かっこええやん」
そして、二人は駆けだしていく。
夢に向かって。
The Story Continues "Build Duelers"
最後まで読んでくださりありがとうございました。
この世界の彼は、どうやら怪しい金髪の男と組むことにしたみたいです。
何故なら、これはきっと運命だから。
感想くれるとバカほど喜びます。
久々に表に出すガンプラ小説故に············
さて、再びこの場をおかりして。
まず、改めて本家である小説と作者様に感謝をば。
ガンダムビルドデューラーズ
著 ぬぬっしし(@nushi_shinymas)
(https://syosetu.org/novel/206867/)
そして、いつも仲良くしてくださるビルドデューラーズ二次創作の一番槍である外伝小説がありまして。
こちら、第一部が完結済みでとても面白いです。
ガンダムビルドデューラーズ 清掃員外伝
著 いぬこ(TwitterID:@inuco_ineya)
(https://syosetu.org/novel/263407/)
ありがとうございました。
めちゃくちゃ好き勝手しましたが、ぬぬっししさん。
うちの子達を頼みます。
まえがきとあとがきが長いのは本家のリスペクトです。
では!!