「ぬきたし」のSSです。内容はタイトルのとおりです。

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時系列はとくに定めていませんが、ぬきたし2の本編後を想定しています。


みんなの身長について語るだけの話

★場所:水乃月学園 教室

 

【礼】

「――というわけで、いよいよHu〇ter×Hu〇terの連載が再開するぞ! 楽しみだな!」

 

【美岬】

「今回の休載期間は約4年ですか……いやぁ、長かったですね……」

 

【麻沙音】

「そろそろ単行本読み直さないとなぁ……。正直どこまで話進んでんだか忘れてんだよねぇ」

 

【桐香】

「たしか王位継承編の途中じゃありませんでしたか? かなり中途半端なところで終わっていたと思いますよ」

 

【郁子】

「え、そうだっけ? まだ暗黒大陸にすら着いてないの?」

 

【桐香】

「えぇ、そのはずよ。私も正確には覚えていないのだけれど」

 

【淳之介】

「なんで人の教室でHunte〇×Hunte〇談義してるの?」

 

【奈々瀬】

「うーん、有名なマンガなのは知ってるんだけどねぇ……内容はよくわからないのだわ……」

 

【文乃】

「むべむべ……わたくしも同じく……」

 

【ヒナミ】

「私は知ってるよ! ごんさんっていう、髪が縦にすっごく長い男の子が主人公なんだよね!」

 

【礼】

「そうだぞヒナミ! よく知ってるな!」

 

【淳之介】

「そうだけどそうじゃないんだぞ」

 

【桐香】

「先輩、私の糸で念糸縫合してみたいので今から腕を折ってもらってもよろしいですか?」

 

【淳之介】

「君は何を言ってるの?」

 

【郁子】

「折るだけじゃダメだよトーカちゃん、完全に切断しないとできないよ? あっ、ちょっと待っててね。イクの刀で切断して――」

 

【淳之介】

「なっ――! おいやめろ! 俺は念能力者じゃ――」

 

●SE:教室のドアが開く音

 

【水引】

「おっ、なんか盛り上がってる」

 

【スス子】

「さーっす! 遊びに来たっすよー……――って、何やってんすか先輩方……。事案か?」

 

【シューベルト】

「SSの仕事がひと段落ついて時間ができたから少し様子を、と思ったんだが……これは何事だい?」

 

【淳之介】

「あっ――! お前ら助けてくれ! 桐香と郁子が急にヤンデレ化したんだ!」

 

【礼】

「そうではないだろ」

 

【水引】

「どうせなら腕よりおちんちん切り落としたほうがおもしろいんじゃないかな? ほら淳ちゃん、勃起! 勃起!」

 

【郁子】

「あ、そっか! ミズヒキちゃんナイスアイディア! ほらダーリン、勃起♪ 勃起♪」

 

【淳之介】

「人間の底すら無い悪意を――!!」

 

【麻沙音】

「腕なくなってんじゃん……」

 

【美岬】

「脚も一本とんでますよね」

 

【スス子】

「はぁ……なんだ、いつものおふざけっすか。……あ、それで教官殿、少しお聞きしたいことがありまして」

 

【礼】

「ん、どうした?」

 

【スス子】

「実はこの前の会議で使った資料が……――」

 

【礼】

「あぁ、それならおべっかがたしか……――」

 

【淳之介】

「…………」

 

【奈々瀬】

「……どうしたの、淳? ふたりをじっと見て」

 

【淳之介】

「……あ、いや。スス子って背が高いって自分で言うわりには礼先輩とあんま変わらないなと思って」

 

【奈々瀬】

「まぁ……言われてみれば、たしかに?」

 

【スス子】

「……あ゛? 誰だあたしの身長の話をし出した馬鹿は?」

 

【淳之介】

「えっ、そんな怒る……?」

 

【奈々瀬】

「あはは……ごめんなさい。悪気はないの。礼さんと背丈変わらないわね、っていうだけの話よ?」

 

【ヒナミ】

「そーいえば礼ちゃんっていま身長何センチなの?」

 

【礼】

「えっと……たしか166だったかな」

 

【スス子】

「え……あたしとほとんど変わらないじゃないっすか」

 

【桐香】

「礼も身長はもともと高いほうですからね」

 

【郁子】

「イナミちゃんは何センチなの?」

 

【スス子】

「…………」

 

【スス子】

「…………167っす」

 

【奈々瀬】

「たしかに礼さんとほとんど変わらないわね」

 

【スス子】

「ナナーセ氏……身長をコンプレックスとする者にとって、1センチはすっっっっごく重いんすよ……」

 

【ヒナミ・文乃】

「そうだそうだー!」「そうですそうです……!」

 

【郁子】

「切実だなー」

 

【淳之介】

「スス子、重いっていうのはたとえばどれくらいだ?」

 

【スス子】

「美岬パイセンぐらいっすね」

 

【麻沙音】

「スス、そんなに悩んでたのか……! 今まで軽率に身長イジってごめんなぁ……!」

 

【美岬】

「今ナチュラルにディスられました?」

 

【水引】

「…………」

 

【淳之介】

「……どうした、水引ちゃん?」

 

【水引】

「……ううん。今の話聞いてたらワタシもふたりと身長変わらないなと思って」

 

【シューベルト】

「こうして見ると水引くんもそれなりに高いほうだね。差し支えなければ教えてもらえるかな?」

 

【水引】

「いくらだったかな……たしか165だったと思うけど……」

 

【郁子】

「へぇ、じゃあここの三人って1センチずつ違うんだね」

 

【桐香】

「せっかくですのでちょっと並んでみてもらえますか?」

 

【水引・礼・スス子】

「…………」

 

【文乃】

「こうして見るとほとんど差はございませんね……」

 

【淳之介】

「水引ちゃんってあまり背が高いイメージがなかったからちょっと意外だな」

 

【水引】

「ほほう……淳ちゃん、それはつまり――暗にワタシのことを"かわいい"って言ってるのかな?」

 

【淳之介】

「そういうの自意識過剰っていうんだぞ」

 

【麻沙音】

「兄、背が高い"イメージ"でいえば奈々瀬さんもそうじゃない?」

 

【淳之介】

「……奈々瀬?」

 

【郁子】

「あ、よく見たらナナセちゃんってミズヒキちゃんより背低いんだ! ぜんぜん気づかなかったよ!」

 

【奈々瀬】

「へぇ……気にしてなかったから分からなかったけど、そうだったのね」

 

【水引】

「ちなみに片桐さんって身長何センチなの?」

 

【奈々瀬】

「えっと……162だったかしら」

 

【礼】

「けっこう標準的だな」

 

【桐香】

「奈々瀬さんはスタイルがとても良いせいか、どこか背の高い印象がありましたけど……実はわりと普通ぐらいなんですね」

 

【スス子】

「こうして見るとナナーセ氏って意外と小っちゃくてかわいいっすね!」

 

【奈々瀬】

「そんなこと言われたのは初めてなのだわ……」

 

【麻沙音】

「わたちゃん相手のときしか聞きませんよね。小っちゃくてかわいいなんて」

 

【ヒナミ】

「小っちゃくありませんけど!」

 

【美岬】

「あ、じゃあその奈々瀬さんより2センチ低いわたしも当然小っちゃくてかわいいってことになりますね! ……あっ、小っちゃくありませんけどぉ!」

 

【全員】

「…………」

 

【美岬】

「なかなか心に来るスベり方ですねこれ……」

 

【淳之介】

「戯言はともかく……ということは美岬は160センチなのか」

 

【美岬】

「戯言って言いました? ……まぁ、そうですね」

 

【水引】

「でもイメージのわりにはまあまあ身長高いんだね、畔さんって」

 

【美岬】

「……え? どういうことですか?」

 

【麻沙音】

「横に太いせいで――」

 

【美岬】

「あ、もういいです」

 

【ヒナミ】

「傷つく前にキャンセルした……!」

 

【淳之介】

「強い」

 

【郁子】

「じゃあミサキちゃんの次はあたしかな? ちなみにイクは159だよ♪」

 

【礼】

「よく見たら畔とあまり変わらないな」

 

【スス子】

「でもさすがにナナーセ氏と比べるとやっぱ小っちゃい感じするっすね、クー子パイセン」

 

【郁子】

「ふーん……女子平均よりはあるから小っちゃくないもーん……あっ、小っちゃくありませんけど!」

 

【奈々瀬】

「言い直す必要あったかしら……?」

 

【桐香】

「郁子が物真似するなんて珍しいわね」

 

【淳之介】

「俺からしたら郁子も小っちゃくてかわいいもんだぞー! ほーら、よしよし――」

 

【郁子】

「髪さわらないでって言ってるでしょ」

 

【淳之介】

「こわい……」

 

【文乃】

「となると、次が冷泉院さんでしょうか……?」

 

【桐香】

「おそらくそうですね。私は158なので」

 

【淳之介】

「へぇ……」

 

【水引】

「淳ちゃん、それはなんの『へぇ』なの?」

 

【淳之介】

「いや、桐香って、こう……特有の威圧感があるから、あまり小さい感じがしないというか……そういう意味では郁子もそうなんだが」

 

【奈々瀬】

「あー……それちょっとわかるかも。オーラみたいなものがあるから、心なしか少し大きい感じがするのよねぇ……」

 

【桐香】

「ふふっ……そういったフィルターを取り除くとあら不思議♡ そこにはただの小さな女の子が……あっ、小っちゃくありませんけどぉ!」

 

【スス子】

「そのルールなんなんだ……?」

 

【シューベルト】

「僕のデータによると、日本人女子の平均身長は158.0センチだそうだよ」

 

【淳之介】

「じゃあ桐香がちょうど女子の平均なのか」

 

【桐香】

「えぇ。つまり、この中で私が最も女らしいということに――」

 

【郁子】

「ならないよ?」

 

【美岬】

「そうですよ、そんなこと言ったらここの三人はどうなるんですか」

 

【ヒナミ・文乃・麻沙音】

「…………」

 

【麻沙音】

「えっ、三人目私か?」

 

【奈々瀬】

「まぁ、身長順で言うなら……そう、なっちゃうわねぇ……」

 

【礼】

「そうか、妙に隠れがちだったが橘妹も実は私好みの小っちゃ可愛い系なんだよな」

 

【淳之介】

「その修飾語いる?」

 

【文乃】

「ヒナミさん、麻沙音さん。どうやらわたくしたちは小っちゃ可愛い系というじゃんるに属するようです……」

 

【ヒナミ】

「うーん……びみょーに嬉しくないんだな……」

 

【麻沙音】

「まぁ、アサちゃんが可愛いのは自分が一番わかってるからね……!」

 

【スス子】

「と言ってもアーサーちゃんって身長はともかく、おっぱいはあまり可愛くないっすけどね」

 

【水引】

「あ、たしかに」

 

【郁子】

「おっぱいは確実に平均以上だよね、アサネちゃんって」

 

【桐香】

「もしかして私より大きいのかしら?」

 

【文乃】

「どうやら麻沙音さんとはお仲間にはなれないようです……」

 

【ヒナミ】

「巨乳〇ね!」

 

【麻沙音】

「兄ぃ~! ちびっこふたりになんか勝手に親近感もたれて勝手に突き放されたよぉ~!」

 

【淳之介】

「お前もちびっこなんだぞ」

 

【ヒナミ・文乃】

「「ちびっこじゃありませんけど!」」

 

【美岬】

「よく考えたらわたちゃんと文乃ちゃんにとってはこの話題アウェーでしたね……」

 

【文乃】

「よいのです……! 2、3年後にはわたくしも皆様のように……!」

 

【ヒナミ】

「…………」

 

【文乃】

「…………」

 

【文乃】

「…………きっと……多分……おそらく……」

 

【ヒナミ】

「私を見て諦めかけるのやめてよぉーー!」

 

【奈々瀬】

「あぁ……! ちょっと可哀想だけど愛くるしいのだわ……!」

 

【礼】

「分かるぞ片桐……! "良い"よな……!」

 

【淳之介】

「いい性格してるよこのふたり」

 

【シューベルト】

「まぁ、身長や胸のサイズといった数字がその人の魅力を決めるわけじゃないからね。気にしすぎるのも良くないんじゃないかな」

 

【スス子】

「へっ、なーにそれっぽいこと抜かしてんすか。んなもん綺麗事っすよ、綺麗事」

 

【郁子】

「そうそう、どうせ男ってのはみんなナナセちゃんやイクみたいな子が好きなんだよ、きっと」

 

【桐香】

「さりげなく自分を入れられるメンタルすごいわね」

 

【麻沙音】

「でも男ってのは背が高いのがデフォみたいなもんだし、その辺で悩むことはないんだろうよ。羨ましいねぇ」

 

【美岬】

「麻沙音ちゃんは淳之介くんで見慣れてるせいでそう思ってるのかもしれませんけど、男子基準でも淳之介くんは身長高いほうじゃないんですか?」

 

【シューベルト】

「そうだね。なんだったら淳之介ぐらいの身長が男の理想なんじゃないかな?」

 

【淳之介】

「なんだよシュウくん、そんなこと言われたら照れるじゃないか……!」

 

【シューベルト】

「僕は思ったことをそのまま言ったまでだよ、淳之介」

 

【郁子】

「ほら、やっぱりあのふたり絶対デキてるって――!! 全財産賭けてもいいよ!! だって、仮に"そうでない"としてだよ? いくら意識してないとしてもナカムラくんがあんなこと天然でいうわけ――」

 

【奈々瀬】

「うんうん……その気持ち、ちょっとわかるかも……!」

 

【桐香】

「なになに? NTRの話? 郁子、私も混ぜて♪」

 

【文乃】

「冷泉院さん、ちょっとこちらへ……。いいですか、人の話も聞かずに軽はずみなことを口にするのは……くどくど、むべむべ……」

 

【桐香】

「はい……はい……どうも、すみません……」

 

【礼】

「……それで、淳之介がデカいのは見ればわかるが、中村もまあまあ背が高いほうなんじゃないのか?」

 

【シューベルト】

「いえ、そんなことは。僕の場合はいたって普通ですね」

 

【スス子】

「ベルトさんって身長何センチでしたっけ?」

 

【シューベルト】

「僕は172だよ。日本人男子の平均身長とほとんど同じぐらいだね」

 

【ヒナミ】

「やっぱり男の人はみんなおっきいねぇ……」

 

【美岬】

「ネットで見たんですけど身長170センチ以下の男には人権がないらしいですね」

 

【麻沙音】

「プロゲーマーか?」

 

【淳之介】

「今お前らふたりはかなりの人数を敵にまわしたからな?」

 

【郁子】

「そうだよ、男の人は身長じゃないよ。おちんちんだよ」

 

【淳之介】

「新たな火種を持ち込むな」

 

【桐香】

「そうよ郁子。どちらかというとお金――収入よ」

 

【淳之介】

「お前そういうキャラだったっけ?」

 

【奈々瀬】

「はいはいスリーアウト。この話はおしまい」

 

【礼】

「炎上しないか心配になってきた……」

 

【スス子】

「んで、デカいデカいと言われてるバナパイは身長何センチなんすか」

 

【淳之介】

「俺か? えっ……と、たしか179だったかな」

 

【スス子】

「でかっ」

 

【美岬】

「改めて数字で聞くとやっぱり淳之介くんって大きいんですね……」

 

【桐香・郁子】

「「なになに? おちんちんの話?」」

 

【ヒナミ】

「ぜんぜん話聞いてないな……?」

 

【礼】

「淳之介はまだ成長期だからな。卒業する頃には180超えてるんじゃないか?」

 

【奈々瀬】

「そうね、もっといっぱいご飯食べて大きくなりなさいな?」

 

【淳之介】

「えっ、これ以上? 背高くていいことってそんなにないぞ……?」

 

【文乃】

「そんなことはございません。殿方の高い背丈に魅力を感じる女性は多いと耳にしますので……」

 

【奈々瀬】

「……そうよ。背が高い男子はなんやかんやモテるって聞くし、もっと自信を持っていいんじゃない?」

 

【淳之介】

「そ、そうか……?」

 

【桐香】

「おや? もしかして奈々瀬さん――」

 

【礼】

「ダメです桐香様――! 空気を読んでください!」

 

【スス子】

「…………」

 

【水引】

「シュウちゃんもあれだね。淳ちゃんぐらい背伸びるとイメージ変わるかもね?」

 

【シューベルト】

「ははっ、ちょっと背が伸びたくらいで僕のイメージが変わると思うかい?」

 

【水引】

「ごめん、やっぱそんなことなかったかも」

 

【シューベルト】

「否定早いね」

 

【スス子】

「――……あー、ちなみになんすけど。バナパイセン、知ってます?」

 

【淳之介】

「ん? 何がだ?」

 

【スス子】

「……どうやら、カップル同士のキスしやすい理想の身長差って――12センチらしいっすよ?」

 

【ヒナミ】

「あっ、それ知ってるな! ネットで見たことあるな!」

 

【麻沙音】

「わたちゃんはこういう話題の海をネットでよく泳いでるもんね……」

 

【ヒナミ】

「ねっとさーふぁーじゃありませんけど!」

 

【美岬】

「……あれ? ということは……?」

 

【シューベルト】

「淳之介は179センチだから……淳之介にとって、この中で最もキスしやすい相手は――167センチのスス子くん、ということになるね!」

 

【水引】

「おー! ひゅーひゅー! ヤれヤれー!」

 

【美岬】

「キース! キース!」

 

【郁子】

「あー! イナミちゃんずっこい! そんなこと言ってダーリン奪ろうとしてるー!」

 

【奈々瀬】

「…………」

 

【礼】

「そういう話でテンション上がるのって中学生ぐらいまでじゃないのか……?」

 

【桐香】

「そうですよ皆さん。それに、その程度のことで先輩が動揺するわけ――」

 

【淳之介】

「――……えっ、その……」

 

【美岬】

「動揺しまくりですねこの男」

 

【麻沙音】

「見てるこっちが恥ずかしいわ」

 

【スス子】

「……なっ、なにガチで照れてんすかパイセンったらー! こんな与太話にマジになっちゃってー!」

 

【スス子】

「…………なはは……」

 

【淳之介】

「…………」

 

【スス子】

「…………」

 

【シューベルト】

「変な空気になってしまったね」

 

【水引】

「童貞と処女かな?」

 

【郁子】

「身長の話だけでここまで盛り上がれるものなんだね」

 

 

 

 


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