傭兵、異世界に召喚される   作:藤咲晃

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03.地獄日

 あれから月日が巡り、二年目の春を迎えたスヴェンは技術開発研究所に呼び出されていた。

 珍しく騎士がボディガード・セキリュティを訊ねたかと思えば、ルーピン達が呼んでいるっと言われ出向いたまでは良かった。

 満面の笑みを浮かべるフィルシスを見るでは。

 

「……依頼が無ければ帰るぞ」

 

 踵を返すとガシッとルーピン所長に肩を掴まれる。

 

「待ちたまえ、まだ要件を話してないじゃないか」

 

 言葉の節々に要件を聞くまで返さない、そんな強い意志を感じたスヴェンは諦めて振り向く。

 

「あー、そうだな。長期鍛錬の誘いなら今は遠慮させてもらう」

 

 前もって断っておけばフィルシスも誘うことはないだろう。

 そう判断して事前に釘を刺せば、フィルシスが不思議そうに小首を傾げた。

 

「長期の依頼でも来てるのかい?」

 

 このところボディガード・セキリュティには大なり小なりの依頼が舞い込むことは有るが、長期の依頼はミアの一件以降来ていない。

 去年は事業立ち上げから自身の不在が続き留守をラウル達かエリシェに任せることが多かった。

 だから今年の春は依頼以外で不在を避けたい。

 そもそもオーナーが毎度不在では信用問題にも直結する。

 

「去年は不在が多かったからな」

 

「あぁなるほど、それじゃあ仕方ないね。それとは別に今日は騎士団長としてキミに依頼が在るんだ」

 

 フィルシス個人ではなく騎士団長として、それもわざわざ技術開発研究所で依頼を出すということはエルリア魔法騎士団に不都合が起きたのか。

 それとも勝手に地下に棲み着いたミントに関係したことか、それとも去年の冬から交易が始まったミスト帝国に関する調査依頼か。

 スヴェンは幾つかの予想を立てながらフィルシスに問う。

 

「アンタがわざわざ俺に此処で依頼を出すってことは面倒事か? それとも調査か?」

 

 質問にフィルシスは首を横に振った。

 面倒ごとで無いならそれに越した事は無いが、それじゃあ一体どんな依頼なのか。

 

「毎年春に騎士団の大規模訓練が開かれるんだ。キミ達にはこれに仕掛人として参加して欲しいんだよ」

 

「あー、そいつはアンタらの訓練地に罠を仕掛けろって認識で合ってるか?」

 

「それで合ってるよ」

 

 別に依頼として引き受けるのは構わないのだが、それ以上になぜ仕掛人が必要なのか疑念が芽生える。

 

「引き受けるのは構わないが、なぜ仕掛人が必要なんだ?」

 

「待機組みを除いた全騎士団員が一日で鎧を着て50キロマラソン、乱戦訓練、モンスター討伐訓練を行うわけだけど……手緩い訓練は意味が無いよね?」

 

 重い騎士甲冑を装備したまま五十キロマラソン、その後の各訓練事項を一日で熟すのは中々ハードだ。

 

「……手緩いのか?」

 

「騎士甲冑は常日頃から装備してるから重りにならない。乱戦訓練なんて実戦想定だから負傷者は治療部隊による即治療、モンスター討伐訓練なんて魔法一つで片付いてしまう……手緩いよね?」

 

 

「いや、そりゃあアンタからすれりゃあそうかもしれねぇが……」

 

「手緩いよね?」

 

 満面の笑みで告げるフィルシスにスヴェンは押し黙った。

 これは反論の余地など挟まない、意地でも鍛錬をより厳しくするっというフィルシスの鋼の意志にスヴェンは肩を竦める。

 

「あー、要するにアンタからすれば大規模訓練も常の鍛錬とそう変わらねえから警戒心と観察力も鍛えたいってことか」

 

「流石は愛弟子だね! 理解が速くて助かるよ!」

 

「しかしラオ副団長には一言相談したのか?」

 

「ん? 相談したら彼も同意してくれたよ」

 

 それは果たしてラオが心から同意したのか、それとも彼女の圧力に屈してしまったのかは判らない。

 判らないが副団長であるラオも承認してるならこちらからは何も言う必要は無い。

 

「それで開催日、それから場所と鍛錬日数は?」

 

「今回は4月20日……10日後の早朝にエルリア城近隣の平原で2週間の訓練だ」

 

「平原で2週間か……後で詳細を記した地図をくれ」

 

「もちろんさ……ああ、それと罠の内容は基本キミに一任するけど殺すつもりで仕掛けてね!」

 

 依頼主に殺意が高い罠を求められてしまってはスヴェンとしても妥協は許さない。

 彼女の信頼に応えるなら、騎士が死なず後遺症を残さない程度の罠を仕掛ける必要が有る。

 スヴェンは瞬時に仕掛ける罠を頭に浮かべ、

 

「あー、必要になりそうな道具はこっちで用意すんのか」

 

 諸々掛かる費用を即計算するとルーピン所長が告げた。

 

「そのことに関してならボク達の方で必要な道具は用意するよ」

 

「となると、早速狙撃用に.600LRマグナム弾の補充頼む」

 

「いや、流石にアレは殺傷力が高いと思うんだよ。だからボクの方で殺傷力を殺した.600Nマグナム弾を開発させて貰ったよ」

 

 そう言って箱一杯に入った大量の.600Nマグナム弾をルーピン所長が空間から取り出した。

 予算も含めてやけに用意が良いのは事前にフィルシスから相談を受けていたからだろう。

 スヴェンはそんな事を考えつつ一発の.600Nマグナム弾を手に持つ。

 触れた瞬間から指先に感じる違和感、鉛を使う薬莢や弾頭に到底不釣り合いな感触にスヴェンは思わず驚愕に眼を見開く。

 

「バカな……弾頭が柔かいだと?」

 

 銃弾そのものをゴムで造ったわけでも、金属にゴムを上塗りした訳でもない。

 なのに鉛の重さと質感を持ち合わせながら弾頭だけが柔らかいのだ。

 素材の特性と相反する特徴を備えた銃弾にスヴェンが疑問を巡らせると、

 

「ボクの造形魔法を以てすれば素材の特性を殺さず、一部を作り替えることも可能なんだ」

 

 ルーピン所長の種明かしに得心を得た。

 

「慣れたつもりだったが、やっぱ魔法技術は便利だな」

 

「ボクからしてみれば科学技術で製造された銃弾も興味深いけどね……ああ、そうだ。.600Nマグナム弾は鎮圧用を主目的に長距離から狙うことも想定して開発しているから属性を発動させる魔法陣は刻んで無いよ」

 

「コイツは後で試し撃ちするとして……問題は罠に使う道具か」

 

 騎士団にとって魔力感知はして当然だ。

 だからこそ仕掛ける罠は魔力を使わない罠の方が好ましいが、

 

「そういや、大規模訓練は騎士団だけか?」

 

 スヴェンは改めて確認のためにフィルシスに訊ねる。

 

「ん? 例年通りに治療師部隊も参加することになってるよ」

 

 指揮系統自体はエルリア魔法騎士団と治療師部隊とでは異なるが、騎士団に同行し治療することが主目的の部隊なら鍛錬に参加するのも必然。

 つまり参加者の中には魔力を使わない罠に関する知識を持つミアが居る。

 となれば普通に仕掛けたとしてもミアは狙撃一つで自身の関与を確信するだろう。

 そうなれば彼女は魔力を使わない罠に対する警戒を促す。

 実際に仕掛けないのも手だが、それではミアの立場に多少の影響を与えてしまう。

 罠を仕掛けるなら魔法と通常の罠を交えつつだ。

 瞬時に浮かべた罠の内容に修正を加え、フィルシスから詳細を記した地図を受け取ってから一旦事務所に戻り、ラウル達に依頼が入った事を伝え彼等と共に現場に向かった。

 

 ▽ ▽ ▽

 

 去年はじめて参加した大規模訓練、その時はフィルシス騎士団長をはじめ主力部隊が不参加だったが今年は違う。

 今年は去年よりも遥かに倍の騎士団が参加し、二週間に及ぶ訓練が今から始まる。

 治療師部隊の一人として参加するミアは騎士甲冑に身を包み必要最低限の荷物を携帯した騎士団からフィルシスに視線を移す。

 全身騎士甲冑に珍しく鉄仮面まで装備したフィルシスが鞘から騎士剣を引き抜く。

 彼女の抜刀に瞬く間に騎士団と治療師部隊からどよめきが広がる。

 もうこの時点で嫌な予感を感じ取ったミアは下丹田の魔力に意識を傾け、いつでも動けるように身構えた。

 

「それじゃあ今回は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 それが合図だと言わんばかりに地面に斬撃が走った。

 回避が遅れた騎士達が斬撃に吹き飛ばされ宙を舞い、地面に打ち付けられる。

 そんな光景を目にした騎士団がお互いを邪魔しないように走り出し、ミアも治療師部隊の同僚と共に走り出した。

 重い騎士甲冑を纏わない分だけミアにとっては五十キロマラソンは苦にはならいが今年は違う。

 背後から迫る斬撃を避け五十キロ先に有るにゴールに到着しなければならないのだ。

 

「うぅ〜今年は負傷者が多そうだなぁ」

 

「それもそうだけど……今年はいつもと違うのよ」

 

「そうなんですか?」

 

「いつもだとフィルシス騎士団長は先にゴールに到着した時に妨害を開始するのよ。ほら去年は後方からの妨害は副団長だったでしょ?」

 

 言われてみればそうだ。

 確かに去年はラオ副団長が後方から魔法を撃ちながら追う形になっていたが、今回はフィルシス騎士団長の斬撃だ。

 今年は形式を変えたと言われればそれまでだが、背後から迫るフィルシス騎士団長の斬撃に騎士団から悲鳴が挙がる。

 これでは前方不注意にもなりかねないーーミアがそんな事を思ったその時だった。

 始まってまだ三十メートルも走らない内に、先頭を走る部隊長クラスが突如剣を引き抜いたかと思えば身体をくの字に曲げて吹っ飛んだ。

 

「「「「は?」」」」

 

 魔力感知に引っかからない点から物理手段による方法。

 だが騎士にはそれが何による攻撃なのか、それとも仕掛けのか判らず判断に迷い足を止めた騎士から彼女の斬撃に襲われる。

 

 ーー地獄かな? やっ、ちょっと待って? さっきの攻撃ってまさかっ!

 

 戦闘経験豊富な部隊長は確かに迫る物体を視認して剣で防ごうとしたが、間に合わずまともに受けた。

 音速で遠距離から魔力も使わずに攻撃可能かつ躊躇い者などミアは一人しか知らない。

 だが本来なら肉片をぶち撒けるほどの銃弾を受けたにも関わらず、ゆっくりと立ち上がる部隊長にミアは安堵の息を漏らした。

 遠距離から仕掛けた人物、それは自身の意中の相手でありレーナの大切な人でも有るーースヴェン以外に思い浮かばないのだ。

 だとすれば既に全員がスヴェンの射程圏内に居る!

 ミアは歩みを止めず周囲に視線を走らせた。

 スヴェンの射程範囲内で潜める場所ーー広い平原で身を隠せる場所……嘘でしょ? この辺は遮蔽物なんて無いよ!

 ミアの視界には岩場も木々も見えない。かと言って魔法を使えないスヴェンが魔法で姿を隠すことは不可能だ。

 ボディガード・セキリュティに依頼として届いているなら魔法が使えるラウル達も平原の何処かに居るはずだが、しかし魔法が使われた様子は無い。

 考え込むミアに治療師部隊の同僚が声をかける。

 

「何か心当たりが有るの?」

 

「もしかしたら知り合いが関わってる可能性が高いです」

 

「……あぁ、なるほどね。他にやりそうな事は判る?」

 

 彼が依頼として請けたなら狙撃もそうだがこの人数に対して罠を仕掛けている可能性が高い。

 

「魔力感知に引っかからない罠を仕掛けてる可能性が高いですね。でも彼のことですから通常の罠も仕掛けてるかと」

 

 どのタイミングでどの割合で仕掛けるかは判らない。

 なにしろミアはスヴェンが罠に対して警戒する姿を見た事は有るが、傭兵として罠を仕掛ける姿を見た事がない。

 そこに頭の回転に優れたエルナとロイ、硬化魔法と水属性の魔法を得意とするラウルが加えれば厄介な罠が仕掛けれても可笑しくはないのだ。

 

「でも警戒すべきはラウル君達かもしれません」

 

「例の子供達ね……となるとカノンちゃんが詳しいか」

 

 ラウルが扱う魔法は自身も知っているが、ラピス魔法学院で学んだ彼等が新たに修得した魔法までは知らない。

 どんな罠が仕掛けられているのか、それこそが問題と思えるがこっちの目的はマラソンの完走と次の訓練に参加すること。

 ミアは速度を落とさず同僚と共に騎士団の背後を走り続ける。 

 カノン部隊長は彼等の中心に居るためラウル達の詳細は聴けない。

 だが罠が仕掛けれている地点までは猶予は有りそうだ。

 ミアがまだ余裕が有るっと思考した途端、前方から轟音と砂塵ーーそして六発の銃声が響き渡った。

 

「クソっ! 今年のマラソンは何だってんだ!」

 

「今の爆発で1000人は倒れたぞ!」

 

「おまけに何処から攻撃されてんのか判らない!」

 

「いや待て! 誰か魔力を探知したか!?」

 

 前方から響く騎士の焦った声にミアは冷汗を流す。

 ああ、スヴェンはゴールに至るルート全てに罠を仕掛けたのだ。そう理解した途端に肝が冷える。

 これが傭兵としてのスヴェンのやり方。騎士団の中にはスヴェンと面識の有る者も多く居る中で彼は何の躊躇もなく罠を仕掛けた。

 それも疎に訓練に使われる平原全土に仕掛けられたのなら迂回しようが罠の回避は厳しい。

 更にスヴェンの狙い通りなのか、罠による妨害によって前方を進む騎士が確実に足を止める。

 そして足を止めた騎士達にフィルシスの容赦ない斬撃が飛ぶ。

 

 ーーなにこの地獄? 

 

 まだ始まって間も無いのに既に千人以上が行動不能に陥った。

 此処から治療魔法で怪我人を癒すことは出来る。だがそれはスヴェンの思う壺だ。

 これだけの人数、常に魔力を巡らせている騎士団に紛れた特定個人を狙うのはスヴェンにも不可能に近い。

 しかし彼は魔力探知や気配を察することに長けているからこそ此処で魔法を発動すれば真っ先に狙い撃ちされる。

 スヴェンにとって潰したい相手はレイもその一人だが、彼なら確実に治療手段を持つ治療師部隊を狙う!

 

「みんな、今は魔法を……」

 

 使わないで。

 ミアの警告よりも先に同僚の一人が魔力を巡らせた途端、同僚の男性が治療部隊の視界から消えた。

 地面を何度も弾け飛ぶ同僚の男性が無慈悲にも平原の土に倒れ臥す。

 

「……みんな、いま魔法を使おうとすると探知されて狙い撃ちされます。あそこの人みたいに」

 

 杖を構えた同僚は倒れた男性に視線を向け、静かに杖を下げる。

 

「そうみたいだね……しかし困ったなぁ。狙われるとなると治療ができない」

 

 恐らく狙われていると判っていながら味方を治療する。

 敵の攻撃を避けるのも訓練の一環だが、敵の居場所を特定しなければ治療は難しい。

 

「最悪の場合、ミアが1人残ってれば全員が助かる」

 

 もしも此処がスヴェンが経験してきた戦場なら治療する隙さえ与えて貰えないだろう。

 それにスヴェンは行動不能に留めず確実にとどめを刺す。

 だが今回はあくまでも訓練で人死は出ない。

 

「誰も死んでないし、気を失う程度で目立った負傷も無いけど……どうしようか? 前門の難問、後方の修羅を避けながらゴールを目指すって大変じゃない」

 

 妨害に対して反撃するなっとは誰も言ってない。

 これは集中力を乱さずかつ罠を見抜き妨害に対応しながら完走するための訓練だ!

 

「じゃあ先輩、前方の仕掛人と後方の強者……どっちに反撃します?」

 

 部隊の中で指揮権を有する先輩に問いかけると彼女は迷わず前方の罠を睨む。

 

「後方はどう足掻いても動きを止められる可能性は皆無、むしろ全滅の危険性すら高い。それならまだ仕掛人に反撃した方がマシ!」

 

 先輩の判断にミア達は頷き同時に騎士団もマラソンに隠された意図に気付き、先んじてレイが動き出した。

 

「捉えた!」

 

 騎士剣を振り抜き斬撃が、千メートル先の若干盛り上がった草原に向かって地を走る。

 誰しもが一瞬だけレイに疑問を浮かべる中、レイの放った斬撃が魔力の糸に阻まれーー突如煙が昇る!

 

「防がれたか」

 

 レイは既にスヴェン達の潜伏先を特定していた事が判る。

 しかし平原にはスヴェン達が身を隠す遮蔽物など無ければ、魔力の流れは魔力の糸と魔法の発動時の一瞬だけ。

 最初から透明化で隠れていたなら説明も付くが、ミアは改めてレイが放った斬撃の先を思い出す。

 何処まで続く平坦の平原と草原、自身の記憶と比較して違和感が浮き彫りになる。

 この周辺に若干盛り上がった草原など無い。それが答えだと言わんばかりに晴れた煙の後に平坦で四人分の痕跡が草原に現れた。

 魔力を使わずに身を隠す方法、スヴェンなら幾らでも知っている方法にミアはため息を吐く。

 

「草原に擬態して隠れてたってこと?」

 

「魔法を使わない擬態……けど魔力の糸で斬撃を防ぐことは不可能なはずだよ」

 

 魔力の糸は追尾系統の魔法などを防ぐ際に便利な技術だが、そもそも魔力の糸自体は魔力操作の延長線上で出来た副産物に過ぎない。

 それに幾ら魔力操作を磨こうとも魔力の糸で人体を拘束する程の強度も物理手段を防ぐことは不可能だ。

 だがラウルの硬化魔法を魔力の糸に付与さえすれば目視が困難な防壁、罠にも転じる。

 

「恐らく魔力の糸に硬化魔法を使ったんだと思います」

 

「普通は防御魔法か結界魔法で防ぐ、それが当たり前だと思ってたけど……例の彼とラウル達は侮れないわね」

 

 認識を改める先輩に対してミアはふとレイに視線が移る。

 彼は既にスヴェンを警戒し、周囲の騎士に指示を出している。

 彼を中心に走り出すのも必然と言え、ミアが所属する治療師部隊も三手に別れ騎士団に並走するのも必然と言えた。

 

 こうしてエルリア魔法騎士団と治療師部隊は五十キロマラソンを完走するのだが、スヴェン達が仕掛けた罠と妨害ーーそしてフィルシスの斬撃によって五十キロマラソンを完走出来たのは半数以下だった。

 それでも訓練は続きミア達は地獄の二週間を過ごすことに……。

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