怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
今回はカブンとか魔女術、アストラル投射の話。
「ういっちくらふと」
エリーゼ・マーキュリーはアスティカシア学園で魔女サークルを主催している。由緒正しいネオ・ペイガズムに則ったウィッカの集い! カブン・エリーゼ!
「エリーってオカルトと1番遠い存在なのにねー」
「スレッタねぇちゃんには分かんないよ、僕たちから見たら凄い刺激的なんだよ!」
メンバーは元エアリアルのエリーゼと元ガンビット
「で、お母さんから何習ってんのよ」
「ガンドの基礎理論というか……禁忌のドローン技術【セイズ】とガンドの関係性。特に人間側から見たアストラル投射の理論だねぇ」
「何なの、それ?」
「お姉ちゃんは、魂ってどの辺にあると思う?」
「ん〜、やっぱ、ここかな?」
「そうだね、【そこにも】ある」
「へ?」
「魂は縦横奥行きの3次元空間には無いんだ。あと僕たち……お姉ちゃん含めてだよ? ……僕たちの身体は実はこの3次元以外にもあるんだ。
どうも心というのは全ての空間座標がゼロのポイント、原点にある。
そして原点だから僕たちが知覚出来るこの3次元空間にも接触しているし、パーメットの世界である「この3次元とは重ならない」十数次元空間とも接触している」
「? よく分からないけど、心が原点にあるなら皆んなの心が重なり合っちゃわない? 量子論的な重なりってヤツ?」
「世界は観測者無しで成立しないし、自我はそれぞれ「自分の心がある所」からしか世界を観測出来ないんだよ。みんな実は見ている世界が違うんだ。個性の数だけ世界があるの」
「あー、原点の取り方なのねー(お察しの様に、よく分かってない)」
「微妙だけど、まぁそんな感じ。もちろん世界の見方はそれほど自由ではなく、文化や教育ってフォーマットである程度纏まる傾向があるよ。アーシアンとスペーシアンの世界の見方が違うのもこの辺が理由カモ」
「で、アストラル投射って?」
「原点の位置をズラす技術だよ。観測する自我の位置をパーメットの高次時空経由で別の三次元空間内に送り込むの」
「……分身の術?」
「うーん、おねぇちゃんは肉体が最初からあったから理解し難いかな?
X-Y軸の平面座標系で考えてみよっか。僕たちの身体はX, Y共にプラスの値を取る座標平面にある。これはいい?」
「 質量や距離はマイナスの値取らないしね。オッケー把握」
「で、僕らの自我や意志はX, Y共にマイナスの領域にある。だから人間の身体のどこを探しても意思とか自我は見つからない」
「……まぁヨシ把握! 次行って!」
「……絶対分かってないデショ?」エリーゼは訝しんだ。
「ここで原点をずらすと、本来僕らがX, Y共にプラスとして認識していた、或いはマイナスと認識していた領域を肉体で触れたり、パーメットで操れる様になる。例えば……」
エリーゼは手の平の上に「透けて見える」ちっちゃなエアリアルを出して、ガンダム社歌ダンスを踊らせてみた。
「なっ……何それ!」
「科学的に定義された魔法。実際、お伽話とか神話に出て来る魔法って経験則とか何らかの理由でパーメット理論に「到達しちゃった」人が編み出したのかもしれないね」
スレッタは目を丸くして見つめている。「……で、このちっちゃいエアリアルは何が出来るの?」
突如エアリアルは飛び上がり、スレッタの鼻にフライングボディプレスを見舞った!
「……あれ? そんなに……いや、痛くない?」
「光体って言って幻みたいなものだから」
スレッタの後ろ髪を誰かが引っ張る。
「誰……よぉぉぉお! ガンさん? あれ? エリーゼ?」
「光体ではなく実体化も出来るよ。こうすると僕はガンさんボディの位置からお姉ちゃん見る事が出来る。慣れたら過去や未来に光体飛ばす事も出来るかも」
「本当に魔女じゃんエリーゼ! なんでこんな子に……」
「そういえば……魔女って惚れ薬とか作るじゃない? あれも相手のパーメット時空内にある「感情」を物理的に操作するって原点移動の技術があるからできるの」
「女の子らしい魔女っ子サークルだと思ってたのに……」
「僕たちのカブンで使ってるテキスト、法の書だよ? ガチもガチガチだよ!」
【法の書】
日本では国書刊行会から完訳版が出ている。アレイスター・クロウリー著。ガッチガチの魔法書だが難しくてよく分からぬ(かなり昔に目を通した事はある)
尚、クロウリー自体は案外真面目に?魔法研究してるし、近現代の魔法理論を整理して後のオカルティストに多大な影響を与えた人物の1人でもある。
「……で、やっぱり魔法使いなら世界征服目指しちゃったりするの?」
「現実見なよねーちゃん……」
「リアル魔女っ子に現実見ろとか言われた!」
「僕たちはパーメット理論でペイガニズムやウィッカの技術を体系的に再編して、古代の生き方再現しようとしてるだけだよ。そらまぁ槍や剣でポカポカやって、連絡が狼煙の時代なら驚異的な技術だけど……今A.S.123年だよ? 拡張できても魔法は科学技術に及ばないよ……」
「やっぱり、めんどくさいの? 魔法って?」
「ローテクではあるね。でも僕たち最先端科学の申し子が、より人間的で人文学的な魔法の研究するって、なんか良くない?」
エリーゼはにひひと微笑んだ。
キャリバンのことは知らぬ。あれは公式が勝手にやったことだ!
……こっちの世界では潜入爆破ミッションでぶっ壊した事にするか。メスガキーズの未来を気にしてる人も居たし。