怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
A.S.124年
これまで情報収集と解析に重きを置いてきた穀物メジャー カーギルは、情報収集による問題介入だけではなく物理的に介入するエージェントが必要であると痛切に感じたので、特務エージェント部隊を創設する事にした。
その第一号ユニット、秘匿名ラヴリーエンジェルに抜擢されたのが、成績赤点ながらも短期間アスティカシア高等専門学園で「コンビなら負け無し」と言う偉業を達成した2人の少女である!(尚、学力未達と授業態度その他で放校処分になった模様)
「ブリーフィングぐらい真面目に聞けぇ!」
今日も司令官の怒声がブリーフィングルームに響き渡る。ソフィはブリーフィングを聞き流しながらこっそりゲームに興じているし、ノレアは相変わらず虫や鳥の死骸のクロッキーに熱中している。いつも通り変わらぬ風景であった。
「……わぁってるよ、キャラバンだか壊すかパクってくればいいんでしょ。ラクショーラクショー」キャラバンでは日産のバンになってしまう。
「壊していいんでしょ? なら跡形も無く爆破したら……」ノレアは前に描いた蜘蛛のクロッキーに消しゴムをかけて爆発煙を描き込んだ。相変わらずアニメーター並みに上手い絵だ。多分彼女はアニメーターやらせた方が良い。
「可能なら接収しろと言ってるんだ! 貴重なガンダムだぞ!」
「要らないと思います、司令」
「アーリエルが有れば他はもうぶっちゃけ要らんでしょー」
「エアリアルもあるしね、ポンコツだけど」
「可動戦力増やしたいんだよ、ウルやソーン改修したくない?」
「「ネガティヴ!」」2人ははっきり拒絶した。何故ならリック3とシヴァ4による訓練を受けた彼女たちは今ではガンドフォーマット抜きで機体を自分の身体のように使いこなせる。今更ガンダムにする必要は無い。ウルもソーンも今ではガンダムにもなれる普通のMSだ。
「大船に乗った気で安心してよ」
「──タイタニックかもしれませんけどね」
「この……ダーティーペアが……」
「「ラヴリーエンジェル」」
お約束は大切だと(以下略)
「制服の胸周りがキツくなった!」
「パンツキツい! 勝った!」
「「いぇーい!!」」2人はノリノリでハイタッチを交わす。急激に栄養状況が改善した2人の身体は年相応に丸みを増し、リクさん式鍛錬術により出るところは出て締まるところは締まる理想体型に近付いていた。もうテ ロリ ストとは呼ばせない。久々に来たアスティカシア学園制服は割とパツンパツンだが、2人はそれを喜んだ。
「おーっす! チュチュパイセン居ますかー!」
「げ、何しに来たし!」
「──ちょっとお仕事の都合で……エリーゼは?」
「ガンさん? 社会科見学の準備でお菓子買い出しに行ったぜ?」
「プルは?」
「エリーについてったよ」
「わっ、マルタンパイセン! なんでここに?」
「セセリアに脅されてガンダム寮の寮母やらされてるんだよ……」
「適任だね」
「セセリア先輩マジすげーっス」
「多分マウンテンに寄るとは思うよ」
「ひっさびさに行きますかぁ!」
「スカイツリーはやめときなよ……」
「エリーゼの単車借りるよー!」
「──サイク◯ン、カモン!」
【サイ◯ロン】
元々ガンド天狗用に改造されたホンダの400ccクラス電動バイク(電動バイクには排気量は無いのだが、既存の自動二輪車免許との整合性の関係で車体重量や出力によるクラス分けが残った)
そのままでは車検が通らない程度の魔改造が施されており、フルパワー出すと一般的な陸橋でジャンプが出来るハイパワーモーター(軍用)を搭載。スケールスピードはミニ四駆並みである。官憲に見つかった際には即時モーター部が通常品にすり替わる「ガンビットモーター組み換え機能」が実装されている。カウル部分にはガンビットに搭載されていたアクティブディフェンスユニットが搭載されており、ライフル弾ぐらいは弾くし鉄筋入りコンクリートブロックやレンガの壁程度なら体当たりで破壊可能。但し戦闘用ガンドロイドでもなければそれやると死亡確定。
なお、現在17歳サイズのエリーゼボディではシートに座ると地面に足が付かない(涙)
ゼロヨンならランボルギーニすらぶっちぎれるサイクロ◯であるが、今のソフィはアスティカシアの街中を400km/hで走るような事はしない──免許取得1週間で免許取消し食らったからだ。あれを食うと皆マナーの良いライダーになる(筆者調べ) ソフィは自分のものが奪われるのが大嫌いだ。それがバイクの免許であれ、なんであれ。
ノレアと2
エリーゼはいつもの席でプルと小倉ホットケーキの紅茶セットをもぐもぐしていた。
「わっ! ソフィねえちゃん!」
「げっ! やな予感……」最新型インシェルユニットを搭載したエリーゼ(元ガンド天狗ことガンさん)は人間のような経験則からの論理飛躍にも対応しつつある。彼女の予感は良く当たる。
「──やな予感って何よ?」
「当たりだけどね」ソフィが凶悪な笑顔を湛える。ああこれ【バイト】の誘いだ……エリーゼは観念しつつある。
【バイト】
エリーゼを始めとするガンビット
「今回は何壊すの?」
「別に壊したりはしないよ。キャラバンってのをパクるだけ」
「キャラバンって……日産の?」
「──キャリバーンだよ、ソフィ」ノレアは最近コーヒーはブルマンのブラックと決めていた。ちょっと背伸びしたいお年頃、であろうか。
「キャリバーン……え? キャリバーン! キャリバーンくん生きてたの!?」
「──あれ? 知り合い?」
「狂犬キャリバーンくんだよ! ルブリスのワイ氏やワシちゃんの兄弟!」
「え? ルブリスって……ヴァナディースの?」
「コンペで負けちゃった子。データストームフィルターを外して低パーメット流量で高リンクやるアプローチのガンダム。初の犠牲者2桁達成機というバケモノだよソフィ!」
「──なんでそんな
「パイロットを使い潰す前提なら、最盛期のエアリアルとタメ張るぐらい高性能なの……カルドバアちゃんが没にした筈なんだけどなぁ」
「──いけすかない機体ね。やっぱ壊すか」
「何でそんなの欲しがってるんだろ、ウチの親方?」
「あの……僕の兄妹なんですが、キャリバーンくん……」
司令官はきちんとそこもブリーフィングで説明していたのだが、ソフィノレはしっかり聞き流していた。例の僧院がキャリバーンと【ある因子を持つ子供】との適性に気付いたから……
フレディ・レン・マーキュリー君(仮名 1歳児)が危ない!