怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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まるで地元の半グレが後輩や友達を闇バイトに誘うが如しじゃー


◯ーてぃーぺあ 2

「やーだーよー、僕明日から社会科見学行くんだモン!」

「──留年して来年行けばいいじゃない?」

「キャリバーンくん、お兄ちゃんなんだろ? 爆破しちゃうよ私たちだと?」

「特殊工作員なのになんで工兵隊みたいな事してんのよ。スパイらしくミッションインポッシぶってよぉ!」

「MSガメるなら乗って運転するのが1番楽なんだけど──すっごいデータストーム来るんでしょ?」

「そっから解説しなきゃか……寝ないでちゃんと聴いてよ──」

 

 

【キャリバーンとデータストーム】

説明要らんやろと思ってたが、まとめサイトやコメント欄見る限り一から説明必要な感じがひしひしと。

まず、誤解されているようだがデータストームはパーメットリンクのリンクレベルに起因して発生するものではない【重要】

これは水星の魔女本編でも最初の方で語られているが、データストームはパーメット【流量】によって発生するものだ。電流量と電圧の関係の様な物なんだが……例えばルブリスでパーメットリンクレベルを上げようとすると、機体としての抵抗値は同じなので高いパーメット圧を掛けるとパーメット流量も必然的に増える。しかしパーメット流量が多過ぎるとデータストームが発生してしまう。ガンダムとしては高いパーメット圧を掛けてもパーメット流量が少なければデータストームが発生しにくくなり、ガンダムエアリアルなどではパイロットと機体を絶縁してパイロットに一切の圧を掛けないという保護装置……パーメットフィルターが搭載されている訳だ。プロローグでエルノラとカルド博士がやってるコールバック試験が正にその実験で、スコアを上げずにリンクレベルを上げようと試行錯誤しているシーンだ。

最初の方の魔女裁判でも機体のパーメット流量が規制値を超えているなどの指摘があったが、機体にはそれだけ(恐らくデータストームが発生してもおかしくない量)パーメット流量が高くなっているのに、パイロットにはデータストームの兆候が全く無い──これがガンダムエアリアルの特異性である。元々ルブリス系はこのパーメットフィルターでデータストーム抑制を行う設計なのだが、フィルターが不完全な状態で販売してしまったので犠牲者が沢山出た。まぁ、敵に撃ち殺されそうになってる時にデータストームの心配する奴は少ないし、どうせ死ぬならパーメットリンクレベル上げて回避したろになるのも已むを得まい。

これに対してキャリバーンはフィルターを排除して「低いパーメット流量やパーメット圧」で高いパーメットリンクレベルを達成しようとした機体になる。単純模式化すると、高いパーメットリンクレベルを達成する為に「高圧・高流量をフィルターで制御」するのがルブリスやガンダムエアリアルの設計思想、「低圧・低流量で高レベルリンクを達成する為にフィルターを外した」のがキャリバーンの設計思想になる。

 

 

「──やっぱ寝たよね、ソフィおねえちゃん」

「──私が聴いとくから続けて。話聞く限りではキャリバーンもアイデア自体は悪く無さそうだけど?」

「簡単な話、パイロット側の能力に依存しちゃうんだ」

「──それ、欠点?」

「大問題だね。鍛えてどうなるものではない、生得的な耐性でどこまで使えるか決まっちゃうの」

「──待ってよエリーゼ。MSパイロットだって適性や身体的な能力で選別してるじゃない? それだってある意味では……」

「そういう話じゃないんだ。大きな声じゃ言えないけど、遺伝的なもので適性が決まっちゃう。僕もワイ氏ってお姉ちゃんから聴いただけで実際の試験は見てないんだけど……事前に適正の有無やどこまで耐えられるか分かんない場合、どうやって試す?」

「まさか……人体実験?」

「大当たりー(棒) ハワイ旅行にご招待だよノレアねえちゃん!」

「──何人犠牲に?」

「12名の尊い犠牲者出して、13人目で因子持ちが見つかったよ」

「──誰?」

「これはお姉ちゃんにも明かせない」エリーゼは珍しく渋い顔をした。

「──ん、分かった。大体分かった」ノレアは冷えてしまったブルマンを飲み干した。

「もしその因子を持つ人が誰かバレたら……僧院の連中とか絶対クローニング試すだろうしね……」

「──キャリバーンのパイロットになる運命の下に、無理矢理パイロット教育して自由を奪われた子供……」

「しかも必ずキャリバーンの中で息絶える事が約束されてる。長生きは出来ない……流石にマッドサイエンティストの巣窟であるヴァナディースでも気付く倫理的な問題だったみたい。キャリバーンは人の命とその人生を消費するバケモノってワケ」そのキャリバーン用に後天的に耐性を付与しようというのが強化人士プランなんだけど、先天的に耐性を持つ人間を製造するのとヤバさはどっこいどっこいではある。

「──(さなが)ら、毎年生贄を要求する神話世界のバケモノね」

「ん……怪獣がどうしたって?」

「──怪獣退治やる事になりそうだよ、ソフィ?」

「でもね、多分キャリバーンにも中の人居ると思うんだよねー。僕としてはAIというか、珪素生命体の仲間として受け入れたい」

「また、バリエーション増やすの?」

「おかげさまでダリルバルデ+はかなりヒットしたし」

「出た、親バカ」

 

 

【ダリルバルデ2】

エリーゼと元のダリルバルデのAIが絶妙にブレンドされた新型AI。普段はハードウェア名称と区別する為にダリィ2(ダリッツ)と呼ばれている。特に防御性能が格段にアップして「ただでさえ硬いジェターク社のMSが更に頑丈になった」と評判に。これを搭載したダリルバルデ+は紛争地帯での救出作戦や要人警護で大活躍。数はそれ程ではないが、ジェターク社の屋台骨を支えるには十分過ぎる利益を出した。

 

 

「──そう言えば、社会科見学ってどこ行くの?」

「? 宇宙議会連合総本部フロント、スペースワシントンD.C.だけど?」

「あら奇遇? キャリバーンもそこにあるってよ?」

「──仕組まれてるわね……これ」

 

だからあれほどブリーフィングを聞けと!




当然AMESが背後で動いてる。
キャリバーンの存在を知った僧院が議会連合と接触して「彼らが廃棄された筈のキャリバーンの試験データ」に触れた辺りから事件は動き出していたのである。
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