怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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年老いたデリング翁は語る。
老人の一年は光の速さで過ぎ去り、幼子は1分1秒を争うかの様に育つ。つまり孫とは光の様な速度の中で冗談のような速度で育つ奇跡の存在だ。昨日産まれたかと思えば明日にもミオリネをミオミオ呼びし(でかした! スレッタ君!)、明後日には立ち上がり走り出し、7日の後には空を飛ぶかも知れない(筆者注 流石にそれは無い)
私がもっと若かった頃なら、子であるミオリネの成長をゆっくり楽しめたのであろうか? 今にして思えば勿体無い事をした──1兆宇宙ドルを支払っても……いや、この世界にある財貨を全てかき集めてもあの時間は買えないのだ。時は金なりなんて嘘っぱちだった。時は金になるが金は時にならない。時間だけは全ての人に対して冷酷なまでに平等だ。


◯ーてぃーぺあ 8

「何をしているミオリネ!」

珍しくデリングがミオリネにガチおこで電話をしている。人が極秘裏に最大効率で事態を収拾しようとしているのに、メディア使って公開捜査じみた形にするとは何事か! 無論何か策があるのだろう? 話せ、と。

一連の騒動で対話の重要さを学んだレンブラン・マーキュリー両家のメンバーは、チャットや電話で盛んに対話をする様になった。特にデリングは暇をいい事にやたらと話を振って来る。

「誘拐側もその様な展開を望んでいたでしょうね。ならイレギュラーを入れて相手を揺さぶる……ありふれたやり方よ」

「だがそれではレンの安全が!」

「害意があるなら攫わないわ。その場で何とかするはず。何か利用価値があるから攫って、そしてそれは生かしたままで無くてはならなかった……ならば行動を阻害しても問題無い。で、目的に心当たりは?」

「レンを自分の子として育てたかった……可愛いからな!」デリングはデレングになった。キャラ崩壊も甚だしい(真顔)

「耄碌したわね、お父様。私が抱っこして泣き止まないんだから、スレッタ以外にフレディあやせる子なんてそうは居ない……ベルさんの遺伝子検査結果覚えてる? あの子には私とスレッタの血が流れてるってあれ……」

「無論だ、我々同様乗り物の運転には向かない平和の血が流れ「違う、そっちじゃ無い。スレッタのデータストーム耐性よ!」

「もうデータストーム出る様なガンダムは破棄……まさかっ!」

「私たちの血に関する話はまず表に出ない。スレッタの方はヴァナディース事変以降断片的に裏社会には知られている……ガンダム関係よ、これ」

「たがガンダムなど今はごく少数しか……地球のルブリスもエクソシスト作戦で皆……」

「比較的初期のガンダムが現存して、解析や補修の為に建造データが採取されていたとしたら?」

「まさか! キャリバーンか!」

「やっぱり知ってたのね。今スペースワシントンD.C.にあるらしいわ」

「知っている……【ダーティーペア】が鹵獲又は破壊の為に動いてる筈だ……不味い、不味いぞミオリネ……」

「何でこんな時に疫病神が!(涙)」

 

 

「フレディー……お母さんよー」

「……スレッタ、流石にフレディは庭石の裏には居ないわ。ダンゴムシじゃないんだし」憑き物が落ちて柔和なお婆ちゃんムーブをする様になったプロスペラがトチ狂い過ぎて奇行に走るスレッタの背中を優しく撫でる。

「スレッタ、忘れたの? 我が家の家訓?」

「進めば2つって……どっちに進めばいいのよっ!」

プロスペラは妖しく微笑んで答えた「そろそろ貴女にも我が家の家訓その2を伝えるべき時が来たわね……」

「第二の……家訓?」相変わらずスレッタは仕草の一つ一つがタヌキっぽい。

「そう、我が家の家訓は3つある……第二の家訓、それは……

 

諜報網が世界を制する

 

よ」プロスペラは胸を張り宣言する。

「そんなものある訳無いじゃない!」

「有るわよ、身近な所にね……ゴドイっ!」

「はっ」

「へ? ゴドイさんはシン・セー社員寮のコックさんじゃ……」

プロスペラが出張中は社員寮の食堂で社員と共に社食を利用していたスレッタだが、ゴドイの過去を知らない。

「スレッタ……小さい頃一緒に沈黙の艦隊見たよね?」

「コック役のセガールが無双す……え?」

「ゴドイは元ネイビーシールズよ」

「昔の話です……ただ、その筋に友人はまだ沢山います」

「いー?!」

「最初は個人的な戦闘教官だったんだけどね」

「ガンド腕を利用した精密射撃テクニックに驚かされてね、ガンドの未来を見てみたくなったんだ」

「状況は?」

「個人的にMI6の【大佐】に裏取りを依頼していますが、スウェーデンに逃げたペイガンの一派かと。恐らくキャリバーンの所在を掴んだのでしょう」

「配置は?」

「大使館付きの武官を動かしてくれています」

「いい、スレッタ……貴女もアスティカシア高等専門学園に行った意味を考えなさい。あそこは一番有力なMSパイロット養成所よ……必ず卒業生の中に諜報機関関係や軍の特殊部隊に就職した子が居るわ……」

「まさか……お友達を沢山作りなさいって……」

「お友達は多いに越したことはない……分かるよね? スレッタはちょっと抜けてるけど理解したらヤレる子……」

 

長じて多少は常識という物を学んだスレッタは、プロスペラという魔女の妖術の抵抗(レジスト)に成功し、我が親ながらヤバすぎるでしょ!とドン引きしている。多分家訓その3は言いくるめとか思考誘導だよね……

 

「さぁ、方向が見えたら走れるわよね? スペースワシントンD.C.へ進めば2つよ!」

「なっ……なんでスペースワシントン?」

「簡単よ……私とベルがキャリバーンのメンテナンスしてたのだもの。今はグエル君が管理してるけど、彼が知るガンダムの権威って私たち2人に決まってるじゃない」

 

カーギルが破壊や奪取をしたがる訳である。展示品なんだから動態保存する必要は無いのに、何でかこの2人はノリノリでキャッキャウフフしながらしっかりメンテナンスした模様。水星の魔女という物語において、トラブルメーカーとしての信頼と実績を誇る2人であった──




巷ではキャリバーンがエクスカリバーに覚醒するとかしたとか騒いでいる様であるが、カリバーン(エクスカリバーの初期の名前)が覚醒してエクスカリバーになるなんて話はアーサー王伝説には無いぞ(noteで「キャリバーンは覚醒しない」を検索して読んでみよう!)

もしもキャリバーンとエクスカリバーを絡めるなら、こうやるんだよって話書いたるわい!
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