怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
「──アーリエル?」
「上等だエリー! よくもこのソフィーさんを騙したなぁぁぁあ!」
ジェターキアン博物館に向かうアーリエルの姿を見てソフィーは激怒した、必ずやかの(以下略)
誰にも追いつけないスピードでソフィーは走り出した。実際ソフィーはかなり足が速い。
「──バイクのが速いよ」チャリパクテクに一層の磨きをかけたノレアは早速職員の原チャリをパクっていた。鍵をテングノイド鋼のブラッディカードで叩き切れる様になってからは、防犯意識などあって無きが如しである。
「げっ、ダーティーペアがもう気付いた! 天狗ちゃん後は頼む!」
「プル、死ぬなよ……」ギャグではない。あの2人なら下手すりゃガンダムすら狩れる。
「はっはっは! 死ぬがいい!」ソフィーはノレアの肩を借りて熱線銃を連射! 連射!
「うっそでしょ! 人間の携行兵器でエスカッシャン焦げてるぅ?!」
「回り込むよ!」スクーターがドリフトで砂煙を上げながらアーリエルの背面を目指す……そう、ラヴリーエンジェルことダーティーペアの最大の弱点は高過ぎる破壊衝動にある。猫じゃらしを前にした子猫の様に、2人は強大な敵に挑みたがってしまう……エリーゼとプルは2人の性格を熟知していた。アーリエルで相手しとけば天狗様はフリーだろうと。
「ぉんぎゃあ! ぉンギャァ!」
「あともう少しだからちょっとだけ静かにしてよ……」エージェント(女)はキャリバーン整備塔のエレベーターに駆け込みボタンを連打。この子をコクピットに座らせてリンクしたらミッションコンプリート。私だってこんな事したくないのよ、ちゃんとお母さんの所に返してあげるから、もう少しだけ我慢して……
解放されているコクピットハッチに泣き喚くフレディを置き、サンプリングボタンを押して……反応しない?!
「ご
「水星からの使者、ガンド天狗見参! 水でも被って反省するが良い!」
「が……ガンドテング? なっ……何者だ!」
「察しの悪いやつよのぅ。キャリバーン君は僕が前もってオーバーライトしておいた。最早キャリバーン君はお前の操作など受け付けぬ!」
「オーバーライド?! そんなバカな! あれはガンダムでなければ──いや、伝説のガンダムエアリアルでもなければ……」
伝説の
伝 説 の
伝 説 の !
「ふふふ、もっとエアリアルを讃えるが良い。更に申せばガンダムエアリアルは乳幼児の寝かしつけやギャン泣きあやしに定評があるスーパーモビルスーツ……見よ! フレディ君の安らかな寝顔を!」スヤァ。
「ばっ……馬鹿な!」
「年季が違うわ、タワケが!」
ちゅどん
「ぅぉ? ブラスター着弾?!」
ソフィーの放った熱線銃の流れ弾が運悪くキャリバーンの足元に着弾。動的平衡保持機能までオーバーライドして機能しなくなったキャリバーンは前につんのめる様に倒れ掛かる!
「いかん!」ガンド天狗は反射的に自らキャリバーンを制御して姿勢制御を試みるが……「なんと?!」
そこにはまだ幼いパーメット自我がいた。ガンダムエアリアルの中にエアリアルが居たように、ガンダムキャリバーンの中にはキャリバーンがいた。先にワイ氏やワシ氏がいた「僕」とは異なり、20年以上の時を孤独の中で過ごしたキャリバーン君は……
「起きんかボケェ!」
「はぼっ?!」
慌てて起きたキャリバーン。目の前には天狗が居るし、コクピットには子供がいる。なんでこんな……「みども」のコクピットに座ると人は死ぬんよ。えーんかこれ?
「ダメだ殺すな!」
「殺すとは剣呑な。みどももそうしたくてそうしてる訳じゃないし!」
「リンクはこっちよこせ。その子に何かあったら分子レベルで分解されっぞ!」
「……君は?」
「ワイ氏やワシ氏の妹よ。従兄弟みたいなもんだ」
「従兄弟ってなぁに?」
「検索は後にしろ。まず姿勢制御だ。いいな?(迫力)」
「……えと、どうしたら?」
「あーっ、もうめんどくせーっ! マヌーバライブラリがこれ! 機体制御で注意するところがコレ! いーからなんとかせーっ!」
「……なんとか、とは……」
よっこいしょ。
「あれ? 出力と入力の結果が一致しないよ?」
「……まぁ、機体バランスや質量バランスはエアリアルとは違うからな……」
「いや、おかしいよ。なんか鉛直方向に10m/s^2ぐらいのちからが……」
「加速度10……(1秒)
あ、重力加速度! 待ってそれ無重力条件下の……」
「現物優先! 力で補正!」ぐいー
「待って(必死)」
見事ガンダムキャリバーンは仰向けにそっくり返った。
そこに走り寄る赤い旋風……アニメ本編とは異なり、ピンピンしてるスレッタ・マーキュリーその人であった! 八艘飛びの如く倒れるキャリバーンを駆け上るとフレディ君を優しく持ち上げて軽やかに飛翔!
「天狗様!」
「でかしたスレッタ!」
「フレディ任せたよエアリアル!」
「はっはっは、キャリバーンだかも血祭りにあげたらぁ!」
走り込んできたソフィーが見たものは、壁を蹴り高く舞い上がったスレッタが入口の梁を蹴り急降下してくる姿だった。その眼は誇り高き野生の獣、タヌキに酷似していた(たぬー)
「カラテ秘奥義! 三角飛びからのスーパー稲妻キィック!」
ゴスっ!
薄れ行く意識の中で、ソフィーは「母は強しってほんとだなぁ……」と呑気なことを考えていた……
キャリバーン君は壊されずに済みました。