怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
MSって18m……5〜6階建のビルぐらいの高さがあるんですよ。これがビルとは異なり基礎も基礎に連結した大黒柱も無く1G条件下で「立っている」時、接地面積がやたら小さいMSは極めて不安定な状態にあります。
この為、ハンガーデッキなどに係留されていないMSは人間などと同じ様に状況に応じて「立ち続ける」──バランスを取るようプログラムされています。
前話ではエアリアルがオーバーライドした際にこの機能も停止してしまったせいでコケてしまった訳です。また、この「動的平衡」維持機能により立っているMSは微妙にゆーらゆーらと動いており、これが赤さんの眠りを誘引するという謎機能になっています。
「起きなさい、ノレア・デュノクさん。ちょっと聞きたいことがあるの」
優しく声を掛けるプロスペラだが、その手にはカルド博士が使っていたのと同型の拳銃が握られている。右手……つまりカルド博士オリジナルのガンド腕がその拳銃を握る時、プロスペラの射撃精度はゴルゴ13や野比のび太、或いは冴羽獠に匹敵する。
「レンに熱線銃を向けたバカがいるらしいな?」
威厳のある声で尋問するのはデリング・レンブラン。軍人の割に射撃が得意では無い彼が持つのはソードオフ・ショットガンだ。ドミニコス隊のメンバーからは地獄の
【ソードオフ・ショットガン】
ショットガンの銃床や銃身をノコギリで切り落として(ソードオフ)扱いやすくしたショットガン。命中精度は極めて悪いし弾の初速は遅くなるが、近接して放つと極めて高い破壊力を発揮する。軍隊や警察では屋内侵入時に扉の鍵を破壊する際に用いたりする。
彼方ではミオリネ・マーキュリーがフレディを誘拐した女に執拗なストンピングを続けていた。こちらは終始無言だ。かつてスレッタは彼女に尋ねたことがある──何で私が花婿なのかと。もちろんレンブランの姓を捨てるためよと即答された。彼女は夫婦同姓派らしい(アドステラの制度的には同姓でも別姓でも構わないのだが)
ガンド天狗はシレッと天狗モードを解除してエリーゼに戻った。エリーゼが元キャリバン・メルクリウスで、その正体がガンダム・エアリアルであるのは皆の知るところだが、実はガンド天狗であるという事は極々一部の人間しかまだ知らない。特にスレッタ辺りがタヌっとこの事をバラすと様々な余罪が追求されてしまうからだ。まぁ、エリーゼは最新型軍用ガンドを使っているので警察ぐらいでは捕縛するのは無理なんだが。
「まぁまぁ。銃は下ろしましょう、お
「しかしスレッタ君、魔女は野放しにするとまた碌でも無い事をしでかすぞ」
「こっちは
「何か秘策があるの? スレッタ」
「エリーゼ見てて思ったんだけどね、お母さん。いっそ魔女集めてちゃんと
「──どこで?」プロスペラはかなり嫌な予感がした。まさかスレッタ……
◆
もう公開から1年が経過しているから読者諸兄も忘れているのでは無いかと思うのだが、本作18話「
「テレマイトの人って、地球でも割とお金持ちに分類される方が多いって聞きました。なら、水星にいっぱいお金落としてくれるかなって」
「でもスレッタ、水星よ? ど田舎よ? そんな所に……」
「このまま漁師町みたいになっても変わらないよ、お母さん。ほら、大学って土地代安いのもあるけど田舎にキャンパス作りがちじゃない?」
「む、確かに。学生が遊び呆けずに勉学に励むよう、敢えて田舎にキャンパス作るのは定番ではあるな……」
「それに……水星だよ? 一度行ったら離れられなくなる!」
「船、来ないしね……」
「島流しみたいなものか。しかしそれでは志願者が集まらないのでは……?」
「大丈夫ですよお義父さん! 第一期卒業生としてエリーゼ達を世間に公開します!」
「あ。」
「……魔女術を本当に使えるんですよ、エリーゼ達!」
「……え? 初耳なんだが」
「あれはガンドロイドでインシェルユニット搭載してるから……」
「黙ってたら分からないよね、お母さん?」スレッタはイタズラっ子の様にニヒヒと笑った。悪魔か。
スレッタの秘策はこうだ。
実際ガンダムエアリアルの建造をした元シン・セーのプロスペラが魔女の本場水星でホグワーツじみた魔女学校をやりますと。卒業したらこんな事が出来ますと喧伝する。最初は1人2人捕まえられたらいい……後はガンドフォーマットで脳内記憶を探り、口コミで入学希望者を募ればいいのだ。ガンドで肉体操作したらいくらでも良い噂を流す事が出来る……かつてプロスペラがミノル君でやって見せたように。
「しかし、魔女術本当に理解して卒業されたらどうする? ガンダムを地球側に量産さ……」
「
「そも、カーギルならガンダム量産可能です。やらないだけで」
「それに、こちらにはお母さんという洗脳や思考誘導のプロが居ます!」
「最初の1人を捕まえるのが……」
「ミオリネさんが蹴り続けてるあの方で良くないですか?」
「……むぅ。確かに半端な魔女ども一網打尽に出来るし、水星の人口も増えるな。ある程度の資産持ちを引き込めるというのも理想的だ……」
「私、水星に学校作るの夢だったんです! 魔女学校成功したら、次はMSの災害レスキュー部隊育成校も作りたいなって!」
「スレッタもそれでMSの操縦覚えたのよね……」
「ノロノロしてたら死んじゃうんだもん。みんな真剣にやると思うよ! やりましょうよ! 進めば2つ!」
水星の筑波学園都市化計画である。そこでしか学べない事があれば、そこに行くしか無いのだ。ある意味ではアスティカシア高等専門学園も「その様なもの」であるし、スレッタはアスティカシアの姉妹校を作れたらなーと在学中からぼんやり考えていたのだ。
正直に告白すると、筆者である私もまさか水星に学校作る展開になるとは予想してなかった。いわゆる「キャラの暴走」という奴で、当初はブルースブラザーズのラストシーンみたいになる筈だったのだが……