怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
汎インド概念。神の如き全ての存在を生み出す「ブラフマン」と、個々人が持つ超自我「アートマン」が同一である(梵我一如)と教えるのが「正統」で、この立場を取るのがアースティカ。この視点に対して否定的な教えがナースティカ。詳しくはググろう。
で、雑に申せば神の実在を信じる「正統」がアースティカで、キリスト教モチーフのスペーシアン側の学校だからアースティカに〜シアという「国」を意味する接尾語付けて「アスティカシア」
これに反する視点を持つのがナースティカで、皆のよく知る仏教はナースティカである。
ナスティカシア高等専門学院……スレッタ発案の魔女術専門学校はこの様に名付けられた。彼女のかつての家名「サマヤ」などからも明らかな通り、ナディム・サマヤはインド系であり、サマヤ家はインド文化の影響下にある。彼女の肌色が濃いのもインドの証。またインド人は混血が進むと美人になりやすい。各人種の特徴が混じり合って平均化されるからだという。故に彼女はアスティカシアとはまた別の学校の名をナスティカシアと名付けた。
水星でレディ・プロスペラがガンダムの学校をやりますという話は、当然と言えば当然だがめっちゃくちゃ怪しまれた。水星と言えば試される大地、下手すりゃ死ぬどころか「上手くやっても死ぬ」危険性がある開拓初期の北海道や北アメリカみたいな土地である。
彼女の弟子という2人の魔法少女が出て来て事態は一変した。
しかも魔女っ子だ。
まどマギ、メグ、サリーちゃん。テクマクマヤコンでマハリクマハリタ、ピピルマピピルマですよ。彼女達が実は100%ガンドで作られたガンドロイドという話は隠された。実際に高度な魔女術を使う為には超高速演算能力が必要で、フォン・ノイマンが裸足で逃げ出すぐらいにならなければならないのだが……道はある。脳をインシェルユニットに置換したら良いのだ。
そこまでの魔女術は無理だとしても、光体創造ぐらいなら人間でも才能があれば出来るし、キリスト教敷衍以前の古き技術体系……ペイガニズムは地球で大流行した。文化文明が退行気味な世界で身一つでできる事だ。持たざるものであるアーシアンはこの技術に熱狂した。
また、アーシアン側で勝手に育ったスペーシアン観も不味かった。大体の教育が行き届いていないアーシアンはスペーシアンの生活を華美で洗練されたものと勘違いしている。夢の宇宙生活を楽しみながら魔法という技術を学ぶ事が出来る……しかも無料で!(最初期は移住促進重点で無料だったのだ)
言うなればアレだ。999で機械の身体を無料で手に入れられる星に行けると唆された星野鉄郎みたいなものだ。この為、最初期のナス高生徒は戦災孤児のアーシアンが多く、魔法の教育前に小中学校のカリキュラムを施さねばならなかったのだが。
「さぁ行くんだ、その顔をあーぁげてぇー♪」
エリーゼが光体で産み出したゴダイゴが軌道エレベーター前に集う入学希望者を前に銀河鉄道999を歌う。彼らは軌道エレベーターで宇宙に上がり、月でヘビーメルダーじみた宇宙の真実に直面して、金星までの長い旅路で銀河鉄道999漬けの毎日を過ごす。
【ヘビーメルダー】
かの有名な「戦士の銃を取り上げられてボコられた鉄朗がキャプテンハーロックに助けられ、虐めた奴が「まぁ一杯やれ」と瓶の牛乳飲まされた」あの星。トレーダー分岐点や墜落したデスシャドウ号や時間城、トチローの墓がある。
「あのー、おねえちゃん?」
「何? エリーゼ?」
「999漬けにして水星行かせるのなんで?
「先に刷り込んでおかないとお母さんがガンド万歳哲学インストールしちゃうでしょ?」
「……一理ある」
さて。金星(現代日本で言うと群馬の桐生ぐらいの発展度)を離れて小型艇で水星に到着すると、そこには水産プラント以外はボロっちいフロントしかない水星圏だ。地球の荒廃とは別のベクトル荒廃したペビ・コロンボシリーズの惨状に、地球から来た新入生は皆呆然とする──なのに水星出身のスレッタやエリーゼはこう言う訳だ。
「水星、賑やかになったなぁ」
「若い人増えたねぇ。あ、たこ焼き屋さんが屋台からキッチンカーにバージョンアップしてる!」
「お姉ちゃん大変! 角にスガキヤが出来てる!」
「おおお! ラジオ局が増えてるよエリーゼ!」
「え? 2チャンネルも増えたの?!」
ドン引きである。しょっちゅう強盗が入るが、地球なら10kmに一軒ぐらいはコンビニもある──全然
そもそも水星は辺境過ぎて物流がダメなのだ。半ば強制的に地産地消。地球近郊ではテイラーメイドの洋服は高級品になる──しかし人口が少なくレディメイドの服が流通しない水星圏では、服とはお針子さんに生地選んで縫ってもらうものなのだ。水星の女衆は洋裁や編み物の達人である。
「あのー、先生。このフレームだけでエンジンやモーターが無いバイクは一体……」
「自転車だよ?」
「動力は?」
「自分の脚。機械化すると太陽風強くなった時に暴走して死ぬよ?」
水星圏では
こうして、新入生たちは未だ畜産業が復活しない強制的ヴィーガニズム推進エリア?である水星で勉学に励むのであった。食事はほぼ精進料理であり、結構な頻度でチューブ飯が出る。顎を鍛える目的で偶に供されるビーフジャーキーの様なものはテング印の大豆肉であった。
【テング印のビーフジャーキー】
意外な事にアメリカはロサンゼルスの日系二世が産み出した外国産の食べ物である。BSE問題の関係で今は日本で生産したものが国内流通している。味付けに醤油使ってるのが特徴。
なんか続くらしい(告知)