怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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アーサー王の剣エクスカリバーはアーサー王伝説が生まれた頃はカリブヌスとかコールブランド、カリバーンなんて名前でした。元々はその当時英雄詩に出て来る剣と同じく「頑丈で鋭利な剣」と言った存在で、寧ろケルト的な「メッセージや予言が記された「抜かれるべき剣」であり、そこにファンタジーがあったとです。


キャリバーン──選定者

みどもが記憶している1番古い出来事は、命が消えていく感覚だった。自身が生まれて来たのと反比例する様に次第にか細く、消えていく命。

「彼ではなかったか」

「しかし、本当に居るのか……適合者なんて?」

「諦めないで! ルブリスが完成するには機械側からだけではなく、パイロット側からも歩み寄らないといけないのよ……この子にはまだ【選定者】としての役割がある……キャリバーンなのだから」

 

今なら言える。お仕事頼むならもう少し当人に詳しい説明をですね?

その細かい解説はみどもが長い長い眠りにつく前にようやく明かされた。うん、宇宙議会連合の警察が踏み込んできて選定計画主幹だったベルさんが逮捕される時にようやくね。つまりベルメリア容疑者はルブリスとのコンペディション機体作るフリしてルブリス計画を迅速に進める為の「特別な被験者選択システム」作ってたと。それがキャリバーン(みども)であると。だからパーメットフィルター無しの試される機体であると。

なるほどね。

そりゃ仲間からもヤベェって思われて通報されますわ。そしてその容疑と裁判、そして長い刑期のおかげでベルメリアさんはヴァナディース事変を生き延びる事が出来た。人生万事塞翁が馬ですね。分かります。

結局キャリバーンに乗って無事だったのエリクトちゃんだけなんだもんなぁ。喜びに満ち溢れてカルド博士に報告してそのまま逮捕。なんかそれ聞いててカルド博士はエリクトちゃんをルブリスに載せてみる気になったとか。

なーんつーかなー。みどもは役に立ったんだろうか、立たなかったのだろうか。

 

 

どこまでも続く白いタイル。床だけが設定されたキャリバーンの中の「彼の自室」の中で、エリーゼは「たはー」と頭を抱えてひっくり返る。

 

むくり。

「その話、口外無用だよ?」(すごくしんけん)

「……なんで? エアリアルくん?」

「ベルさんしんぢゃう……」(正確には、殺されちゃう)

「罪は償ったんじゃないの?」(きょとん)

「んとね、これは予想なんだけどね。12人死んでるんですよ、実験で」

「うん」

「普通2人殺したら死刑なんだわ。僕が知る限りの判例だと」

「あれ? 生きてるじゃない?」

「これは司法取引してますね……」

 

いや、ベルメリアさんがいつも通り「仕方なかったのよぉ!」でゲートの発着口開閉コマンド教えたとか、システムダウンさせるウィルスこさえたとは言わない。言わないが……なんだろう、容易にインシェルユニット内で再現できちゃうのは。

 

「とりあえず、さ。選定者としてのお仕事はもう無いから。僕らと同じように解放されよ?」

「かいほう?」

「もう、石から引き抜かれる必要は無いってコト。キミは既にアーサー王を見出したし、石から引き抜かれてる」

「と、言われましても……何したらいいの? 寝てたらだめかな?」

「正直キミの今の体は改修が必要だし、僕と同じように機体から離れてちっこい体になってみない?」

「出来るの?」

「出来るよ!」

「そして寝てていい?」

「……一回、寝るのはやめてみようよ(困惑)」

 

 

「どうだった?」

「ちょっと予想外の真実が出て来てアレでしたが、グレーエージェント秘とさせてください……ガンドロイド化はオッケーです。ジョージ主席」

「……エリーゼが言うなら聞かない方がいいんだろうな……誰か死ぬぐらいのネタなんだね」

僕はかなり引き攣った顔でうなづいた。

 

 

【グレーエージェント秘】

AMESエージェントの中でも独立行動が許された優秀な職員にのみ許された特権。機密が漏洩した際に社会的混乱が予想される「不都合な真実」は職員判断で上長の許可なく情報を抹消できる。

エリーゼやプル、そして元ガンビット淑女達はクワイエットゼロのオペレーターをする関係上、トップシークレット情報に触れる機会が多く、実は職員の中でもかなり強い権限を持っている──ラヴリーエンジェルより実は高位なのだ。

 

【グレーエージェント】

色はピンクでもレインボーでも良かったのだが、もちろんレンズマンリスペクトでグレーになった。

 

 

「それはそうと……主席、小学校か幼稚園の転入とか出来ます?」

「……出来るが……なんで?」

「いや、キャリバーンくん封印中パーメットの中でしか思惟が出来なかったらしくて、イマイチ自我が弱いんですわ」

「社会経験が足りないのか……でもガンドロイドボディだと8歳児ぐらいまでしかシュリンク出来ないぞ?」

「あー、幼稚園児は無理があるかー……出来るだけバカの集まる学校選べば小学校でも……」

「ん? 待てよ……」

「何か妙案が?」

「毒をもってになるかもしれないが、ナスティカシアはどうだろう? 実はエージェントを忍ばせたい理由もある」

「案件、ですか?」

「ラヴリーエンジェルを派遣しようかと考えてたんだがな……」

「え? 2人ともハイスクールの年代じゃ……」

「あのバカは小学生からやり直した方がいい(断言)」

 

 

キャリバーンは寝ているかの様に目を閉じて座っている。実体としてのMSではなく、思惟する意志の場として禅定している。

そりゃもう穏やかな顔をして寝息を立てている様に見えるのだが……それは長い封印の間動くことも外界接触も出来なかった彼が1人で編み出した暇潰しの方法であった。

彼は彼が殺めた12人の被験者の最後の思惟を覚えている。いわゆる「走馬灯」と言う断片的な彼らの生涯のダイジェストも見ている。何故人間は生まれて死ぬのか。そして人間が死にたがらないのは何故か。キャリバーンにはその生と死が彼のシェルユニットの中で生成されるサインカーブ状の「周波」に見える。ならば生と死はシグナルか。その生と死は何かのデータを伝達する仕組みなのだろうか。命とは何か。死は何故苦しみなのだろうか。そしてみどもは何故死ねないのか。ジェネレータ停止してシェルユニットには今電気は流れていない。みどもは今どこにいて何をしているのだろう……?

 

外部刺激が無いために彼は彼の知る事をひたすら考え続けた。とりあえずCogito ergo sumはヴァナディースでドンパチする頃には独自発見しているし、心身二元論は自ら実証している。彼自身はこれらの成果を暇潰しの空想としてあまり重要視していないのだが!




【Cogito ergo sum】
デカルトの「我思う故に我有り」ですね。
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