怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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GはガンドのG


大衆はわかっちゃくれない(G)

「──でも、私たちは歩みを止めなかったわ」

「ええ、みんな頭悪いのは知ってましたしね」ベルメリアは優しく微笑んでいるが、強化人士周りの事を考えると「あなたは一度立ち止まるべきだった」と言わざるを得ない。

「あなたは知らないでしょうけど、最初期のガンドは学会でもめちゃくちゃ非難された。特に神経系のガンド技術は禁忌である「脳」の模倣に繋がるって大批判されたわ」

「倫理条項厳しかったですよねー」

「私とベルの研究範囲はその辺だったから……ロボット的に「ヒト」を作るのは神に成り代わろうとする傲慢だとか散々言われたわ」

「当たり前だ! 造物主への反逆ではないか!」

 

これ、地味にロボット研究が欧米であまり流行らなかった理由なんですわ。日本では宗教的にその手の禁忌がなく鉄腕アトムに憧れて研究されたが、いわゆる中東原産の一神教ではバベルの塔の説話の通り、神に並び立とうとするのは神への不敬になってしまう。

 

「それは貴方の信じる神が、余りに無力だと言う様なものよ、ドクター」

「なっ……なんだと?!」

「造化の御技は貴方が考えているよりもっと神秘的で、もっと深淵だったわ。私たちは研究を通して我々の稚拙さに歯噛みした……」

「はっきり申し上げましょう。私たちは脳の研究の果てに霊とか精神、或いは自我と呼ばれるものの片鱗を掴みつつある」

「出来てしまったのよ、私たちは偶然にも『こころ』の所在を掴んでしまった。パーメットの海の向こうにね」

「あなた、散々精神だ心だ魂だって語るけど、魂って何か定義できるの?」

「私たちは出来る。いや、定義する為の鍵を手にしたわ」

「あ……悪魔め」

「世間では私たちを魔女と呼ぶわ」

「世間はわかっちゃくれない。大衆は理解しようともしてくれない」

「でも、いいじゃない。救われるのよ、命が。救われるか救われないかしか気にしてない人々が欲してるのは実績なのよ」噛み砕いて話すと、「結果オーライ」と言う事だ。

「救われたと言う実績が、やがて皆に理解される日が来る」

「私もそれで救われたから、この道に入った様なものだしね」プロスペラは右腕の袖をまくり、愛用の古いガンドを見せつける。

「レメディや瀉血なんてやめて、こっちにいらっしゃい。ただ、無駄な代替治療や疑似科学で救える筈の命を救えなかった落とし前はつけてもらうけど」

 

 

 

 

「と、言う訳で水星にガンド医療の開発・施術センター作って医療モール化はどうかしら?」

「……正直水星に多数の部外者入るのは好ましくないんです……」

「じゃあ、研究所は水星に置いて金星あたりに総合病院作ります? ジョージさん?」

「ん〜、内惑星側の治療拠点か……」

「スレッタのレスキュー養成校と並立して水星の発展の軸足にしたいわ。どうせナスティカシアも産まれたてのガンドロイド達の学舎として使うつもりだったんでしょ? ある程度人がいた方が彼らも隠しやすいと思うんだけど」

主席調査官はうぅむと唸った。確かに水星のパーメット鉱床の管理をするなら、ある程度水星フロントの設備アップデートや住環境改善はした方がいい。今のままでは赴任希望者が集まらない。また、人口が増えるなら食料需要も増えてカーギルの商売にも繋がる……機密保持さえ何とかなれば……

「あ、そう言えば……最新情報があるんだけど」

「ほぅ、何の?」

「ウチの娘が水星に栄光のミオリネさん像立てたがってるわ」

「え……栄光の……なんだって?」

「貴方の姪の巨大スタチュー作るんですって!」

 

 

 

 

「わぁぁぁ……」

「どう? スレッタ校長」

「べっ……ベルさん! 何ですこの綺麗でゴージャスな宿泊施設は!」

「ある方が譲ってくれたのよ。水星の発展に役立てて下さいって」

「これ、本当に学生寮にしていいんですか?」

「炊事場もあるから、ゴドイさんの料理もここで出来るわね」

「わぁぁぁ……校舎も誰か寄付してくれないかなぁ」

ふふっ……こういう所、本当に先輩そっくりだわ。ベルメリアは目を細めてフレディ君を抱き勝手な事を言うスレッタを眺めていた。

 

 

こうして、ナスティカシア学院最古の寮、ホリスティック寮は生まれたのであった。件の博士は後に(罪を償った上で)学校の校医を務めることになる。

 

「次は何が必要かしらね?」

「私、思うんです……せめて金星圏との定期航路出来ないかなって……金星フロントならAEONあるし、Tohoシネマズあるし……」

「そう、定期航路ね……」ベルメリアの目が怪しく輝いた。

 

……学舎の話はどこに行ったんだ?

 

 

【学舎の話】

いや、水星フロントは空き地沢山あるから用地は全く苦労しないのだが、建築資材(まるで無い)と、建築スタッフが全然居ないのである。

観光地でも無いからホテルも無いし(民宿はある。ホテルはAS100年ごろ相次いで倒産、撤退した)、僻地故にそれらをかき集めると輸送費ががががが。

建物を建てようにも地面しかない。プレハブや2×4やコンテナハウスが流行る訳である。豪華に新築されたサナトリウムは、実はめちゃくちゃ金かかってます。代替医療は美味しいんだなぁ。




当初はケロッグ博士のアレをもっと派手にアレしてダーティーペアがアレする話だったんですが、ケロッグ博士の事を調べる内にアレが筆者の予想を遥かに超えて、日本国内でも多方面にがっちり根付いて「創作とは言えあまり露骨にやるとかなり面倒なことになりそうなんで」ハイパー・ホリスティックになりました。ホリスティックとハイパーHは第二次世界大戦中のアメリカ無反動ロケットランチャー「バズーカ」とガンダムが使うハイパーバズーカぐらい違います。
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