怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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末尾記号
プ プル
エ エリーゼ
ス スレッタ
ミ ミオリネ
ジ ジョージ・マクミラン
デ デリング
グ グエル
ラ ラウダ
フ フェルシー
ペ ペトラ
マ マルタン
母 プロスペラ
ベ ベルメリア


宇宙の海は俺の海

「そもそもの話なんだが、海産物生産プラント作るって事自体が可能なのか? 学校のプールでさえ結構維持運営には金掛かるぞ?」

「グエル君だったか、大変鋭い意見だ。小型フロントとは言えプラントの容積は莫大で、そんな量の海水を運んだり合成したら流石のカーギルも破綻する。

だが、地球側にもちょっと切実な問題がね……」

「地球温暖化……」

「え? プルちゃんこのプロジェクト絡んでるの?」

「うん、プロジェクト起案は私とエリーゼだよ?」

「海水を地球の外に出したいんだよ。海面上昇が結構ヤバくてさ……」

「ただ宇宙にばら撒いてもどーかなーと」

 

元々は海面上昇に対するソリューションだった。勿論地球の海水面を下げるほどの莫大な水を動かすのは容易ではないが、ガンドロイド達が使う「本物の魔法」が問題解決の手掛かりとなった。

 

「まぁ、繋いじゃえばいいんだよね。空間を」

「ゴブリンスレイヤーさんが参考になりました☆」

 

こうして海面上昇自体は比較的簡単にクリア出来る目処が付いたが、何処にでも海水を運べるというそれ自体を何か商売に出来ないかとカーギルは考えた。エビの養殖ぐらいまでならそこらのフロントやプラントでも実施しているが、回遊魚などの養殖は未だ誰もなしえておらず、マグロやサンマは超高級魚として珍重されている。

 

【根魚】

ある特定の海域に住み着き回遊しない魚。主に餌が多くて繁殖しやすい河口付近に住み着き養殖に向くのだが、戦争シェアリングなどで地球環境が荒れまくった結果──魚介養殖は壊滅的な打撃を受けた。そうして回遊魚を追い回す遠洋漁業が盛んになるのだが、今度は漁獲高が安定しない。

そも、人類の生息域が太陽系全域に及ぼうとするこの時代に、地球でしか海産物が採集できないというのがおかしいのだ。

 

そこでカーギルは考えた。回遊魚がある程度回遊出来るぐらいの食料プラントを作り、スペーシアンに売り付けよう。先ずは養殖魚を供給してスペーシアンに魚の味を叩き込み、その後に「天然物」として地球産を高値で売る!

 

が。

 

「ちゃんと計算したら、宇宙でお魚養殖してもそんなに安くならなかったんだよね……」

 

で、まぁ最初はノウハウ蓄積だけでいいかと諦めかけていたし、肉すら食えない水星圏ならワンチャン……と考えていた所でいいアイデアが来た。

 

「どうせ作るなら、観光資源としても活用したら良い」

 

「缶詰工場や冷凍倉庫の事ばかり考えてたよねー」(エ)

「カーギルの食料需給重点視点に染まり切ってたよねー」(プ)

「はっきり言おう、完全に我々が見落としてた視点だった。流石ノートレットの娘だ。で、異なる視点の重要さを思い知らされたのでこうして諸君に集まって頂き、更なるアイデアを貰いに来た。忌憚の無い意見を伺いたい」(ジ)

「先ずは釣りだな。ホビーの王だ。間違いない」(デ)

「クルーザーで洋上パーティは欠かせないでしょ、セレブ的には」(セ)

口火を切ったのは釣り好きデリングとセレブムーブ大好きセセリア。強い海への執着を感じます。

「海水浴場と海の家は欠かせないな。覚えてるだろラウダ」(グ)

「カレーに肉入って無いって大騒ぎしたよね。兄さん」(ラ)

「何故か大して美味しくないのにアガるんだよねー」(ペ)

「花火もやりたいのだ!」(フ)

「火はちょっと……」(ジ)

「「「「えーっ!!!」」」」(ジョージ以外全員)

「えっ? えっ? 海でそれ必須?!」(ジ)

 

 

この辺『僕たちが作ってくストーリー』コーナーとするので、読者諸兄も海レジャーを考案してコメントして良い良い良い。

 

 

一方、話に参加している中で唯一のアーシアンであるマルタンは驚いていた。誰1人として「サーフィン」を提案しない……まぁ、海遊びを滅多にしないスペーシアンにはあまり知られていない競技であるし、アーシアンでも比較的貧乏で浜辺に気軽に遊びに行ける層に人気のスポーツだから仕方ないのか……と彼は端末をポチポチしてアス高入学前の大会優勝時の動画を探し出した。

「あのー……みんなこんな遊び知らない?」(マ)

サーフボードを抱えた若き日のマルタン……マッシュルームカットが潮にまみれてパサパサになり、些かワイルドな風貌になったモヤシ少年が、ビッグウェーブに向かって……

「誰だ、これ?」(グ)

「僕だけど……」(マ)

「お!」(セ)

「えっ!」(ミ)

「ガンビットみたい……」(ス)

自信に満ち溢れた演技だった。あのマルタンが、学園でも一二を争う気弱な少年が華麗に波と戯れる。波の管の間を走り抜ける様に、白い波頭を蹴り上げて宙を舞う様に。

「海が近かったし、お金かからない遊びだったからさ……」(マ)

「先輩、才能をこれに全振りだったんスね……」(セ)

「人工の海なら波も調節出来るから、競技会には最適かなって」(マ)

「マルタンのマはマリンスポーツのマだったか……」(ラ)

「僕はやらなかったけど、金持ってる奴はヨットやパラセーリングなんかもやってたね」(マ)

 

スペーシアンは海無し県埼玉の民に似ていた。身近に海が無いから海のレジャーに詳しく無いのだ。マルタンからすると花火は別に海じゃなくてもいいだろという話である。

 

「小さな子の遊びなら、潮干狩りなんてのも」(マ)

「何それ?」(ミ)

潮の満ち引きから説明しなければならなかった。貝がどんな生態か語らねばならなかった。スペーシアンは海に対して余りに無知だった。

「食べ物が海の中に転がってるなんて……」(ペ)

マルタンはドン引きである。正確にはただ転がっているのではなく、漁師が区画毎に採集する様放置したり稚貝を放したりしているのだが。

「うん、僕たちもそれ自体は知ってたから、海水入れとけば勝手にお魚とか増えると勘違いしてた」(エ)

「実際やろうとすると水質管理やプランクトンの定期的流入とか色々タイヘン」(プ)

「……管理が大変なら、雇用も産まれる、か……」(母)

「水星圏に労働力が必要になりますね」(べ)




未完成状態で投稿する荒技。11/25まで。
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