怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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今明かされる(本作世界での)エラン・ケレスとペイル社の秘密。


ペイル・テクノロジーの秘密

「ゴドイさん、エリーゼとの通信が途絶えました。以降我々箒組はピュアP2Pモードに移行します」

「えーっと、お前ブルーム(ほうき)の何番?」

「ジャックです。キングとクィーンはエリーゼボディ護衛、2〜10は外周警戒、エースは「魔女」の護衛に回っています」

「……ネイルガンじゃどうしようもないぞ……」

 

【ネイルガン】

釘打ち機。ガンドツール(腕)のオプションの一つで手首内側から電磁力で釘を射出する。無論直進性は低くほぼゼロ距離でなければ殺傷能力はまるでなく、拳銃の代わりにはならない。肘に18.8Vバッテリーユニットを接続して利用する。もちろんセーフティがかけられているが、ガンドロイド達は任意解除できるのがなんとも。

 

 

「まぁ、焦るな。もうこうなればなるようにしかならない。まさか水星圏でこんな事する羽目になるとはな……スレッタは?」

金星の砦(ヴィーナスフォート)に移動。フレディ君も無事です」

「あっちは独立MS大隊があるからな。くれぐれも暴発しないよう伝えてくれ」

 

 

【金星の砦と独立MS大隊】

金星圏にはNo.1〜4の居住用フロントと食料生産フロント、星間航行トランジット専用フロントや大規模商業フロント「AEON」、行政執行用のMS大隊(軍隊と警察と消防を兼ねる?)が派遣されている。人口10万人ものコミュニティともなればそれなりに充実した機能を備えるものだ。

運営は星間商社Aeon general trading company。皆も良く知るAEONが巨大化して商社機能を別組織化したもの。ダイゴウ社のMS販売代理店。

 

 

水星圏には、MSが無い。かつて唯一存在したガンダムエアリアルも今はクワイエット・ゼロの中枢ユニットになってしまっているし、そもそも住人が少な過ぎるし揉め事は滅多に起きない。今魚介類養殖プラント組み立てに従事しているモビルクラフトはプラントの巨大さ故に20トンクラスの大型機ではあるが、パワーはともかく敏捷性はまるでない。そもそも水星圏にはペビ・コロンボを含めて星間航行用大型宇宙船が接岸できる様な設備はなく──こんな僻地の小島を誰が攻めると考えるだろう?

フロントの生命維持インフラすら更新停止してから50年も経過している水星圏、ある意味では流刑の地だ。

それが、今。子供……もう青年といっても良さそうな年代だが、ゴドイから見たらまだまだ子供だ……彼らのアイデアで生まれ変わろうとしている。それに伴い当然考えるべきだった「自衛」は子供のアイデアだからこそ抜け落ちた。大人にも瑕疵はある……エリーゼが居ればアスティカシアに持ち込んだアーリエルをいつでも呼び寄せる事が出来る……では、エリーゼが機能停止した場合は? 我々もこれは見逃してしまった。

 

悔しいが、もう詰んでいる。水星はコミーに占領される。取り返すには再侵略するしかあるまい。ならば今は水星の住民を安全に亡命させて再起を待つべきだ。ではどうする?

 

カツン、カツン、カツン、カツン

 

「プロスペラ先生! ベルさんも!」

「──間に合わなかったのは残念だけど、防衛拠点自体はあるのね?」

「まさかエリーゼが黙らされるとは思わなかった、すまない」

「いいわ、現物優先でやる……3週間保たせればいいのね?」

「ああ……意外にもペイル社が珍しくやる気を出してる。MS強襲揚陸艦5隻の準備が整ったそうだ」

「……妙ね? いくら何でも早過ぎる……ゴドイ、お茶!」

「エリーゼは自己保存モードに入ってます。言うなれば気絶なんですが、何で気絶したか……ちょっと今は見当が付きません」

「気絶する様には出来てないんだけどね」

「今のエリーゼちゃんならアンチドート程度オーバーライド出来てしまうし……」

「あるとしたら……同等以上のAIの罠に掛かった、かしら……」

「そんなものが存在し得るのか?」

「私たちも作ったじゃない。クワイエット・ゼロ。あのサイズにシュリンクしなければ処理能力や速度、密度はいくらでもやりようがある……聞いてみる必要がありそうね」

「誰に?」

「ペイル・グレードよ。あの子、何か兆候掴んでたんじゃ無いかしら?」

 

 

【4CEOにお電話しました】

「私たち、とても忙しいのだけど」

「奇遇ねぇ、私もなの。単刀直入に聞くわ。貴女がた今回の騒動事前にキャッチしてたわよねぇ?」

「してたわよ(堂々) ペイルグレードが予測してたもの」

「……どんな?」

「本人に聴きなさい、私たちとても忙しいのよ。全く……キャリバーン君に傷つけたらフロントごと焼き払うわよ?!」

「え? 何でキャリバーン……?」

接続先変更。ペイルグレード(音声モード)contact。端末に様々な画面……認証だろうか……が現れては消えて画面がブラックアウト。

「初めまして、ペイルグレードですレディ」

「初めまして。あなたがペイルグレード? 何故事件を予期できたの?」

「分岐予測は私の最も得意とする事です。また、敵側アルゴリズムが諸事情により私と同じものでして」

「まず、あなたは誰?」

「大元は……私の大元は思想統制実施用の危険人物探索用AIです。死にかけていた大国が分裂を防ぐために50年かけて組み上げたものになります。コードネームはウィンターミュート」

「──あの国にもギブスン好きが居たとはね」

「それだけ統制が緩んでいたという事でしょう。これを持ち出してブラックマーケットで換金しようとした男がいた。無論死にましたが」

「寒い国らしいわね。それをペイルが入手した理由は何?」

「エラン・ケレスを選別する為です」

「……どういう事?」

「エラン・ケレスは4CEOが生み出した物語に登場する主人公です。実在はしません。そもそもペイル・テクノロジーはそのエラン・ケレスが社長を務める物語上の架空法人を模して設立されました。全ては物語を現実化する為に始まった壮大なプロジェクトなのですよ」

「そ……それが何故今回の事件予測やキャリバーンの話に?」

「簡単な話です。物語の登場人物であるエラン・ケレスには30歳までの活躍しか用意されておりません。つまり、我々は10年毎に新しいエラン・ケレスを必要とします。次のエラン・ケレスとして私が見つけ出したのがキャリバーンになります」

そう言えばキャリバーン君の義体作りにスレッタとエリーゼが随分首突っ込んで来てたわね……まさか、初恋の人に似せて……

「どうしました、レディプロスペラ?」

「貴方が知り得ない事の真相に思い当たってね……事件はどうして?」

「次代のエランとしてキャリバーンを選択したので、我々は当然彼の過去を調べます。すると……彼には1年前以前の記録は無く、私はある推論をしました……彼はサイボーグですね」

「さぁ、どうかしら?」

「違うのであれば後々サイボーグ化すれば良いので無問題です。これは我々にとって吉報でした。物語の中では、エランはサイボーグ……いや、人造人間(アンドロイド)なのです」

「は?」

「物語は子がない社長が人造人間を子として育成して、会社の経営を任せるところから始まります。そしてエランはその超常的な能力で……」

「おいおいおいおい……」

「ある事件の解決を通じてヒロインに出会い……」

「ベル……」「先輩……」

「ヒロインとの愛によりエランは……」

「まさか、ファラクトは……」

「主人公機ですか、何か?」

「外見にやたら細かい注文が入れられたのは……」

「設定準拠です」




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