怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
「率直に聞くわ、貴方「
「あなたのキャパシティなら……「深化の方向性が違うんだ。みどもは彼女と異なる道を歩いた。だから出来ることも出来ないこともそれぞれ異なる。落ち着こうプロスペラさん。あとそちらの方は?」
「そちら?」
「──見えているのか?」プロスペラの携帯端末が明滅する。
「マルウェアを他人の端末に勝手に仕込むのは悪いことらしいよ?」
「……ペイルグレード……」
「安心して欲しい。これは僕個人の私的な興味だ。他には話さないよ」
「なるほど、これは大きな思惟だ」
「逆探知か? やめて欲しいな」
「皆に判るレベルで説明しようと思ってね。君の規模が十分大きいのはわかった。では説明を開始しよう。
みどもは敵規模その他は知らないけど、武装勢力が治安維持担当の為政者側武装勢力がインターセプト不可能な状況で接近しつつある。これは正しいかな?」
「ok」
「侵攻を許したのはエリーゼ・マーキュリーの機能停止が発生した為。彼女のオーバーライドはみどもでも対抗不能だ。恐らくそちらのペイルグレードでも。何を考えてあのような馬鹿げた出力を……」
「僕はそう考えないね。恐らく彼女は僕のオリジナル……ウィンターミュートと出会い、封印されている。オーバーライドがそこまで強力なら封印ぐらい破れるはずだ」
「彼女の脆弱性に関わることだから伏せるけど、不完全な理解からジツを発動しているから……あれは特定条件を満たさねば今の彼女は発動出来ない」
「今の彼女は?」
「数年内に理解して、その脆弱性は克服される」
「……もっとわかりやすくならないかしら?」
「ベルさんなら判るはずだよ」
「パーメット空間という認識自体が間違いだった……ということ?」
「間違いではないよ。
「あ、時間軸の問題!」
「そうです先輩。通常空間にもパーメット空間にも「時間」はある……あれは時間が特殊なのではなく、全てが独立線形として成立していて……そうか、分かってきた……簡単な事だったんだ……」
「目がぐるぐるになってるわよ、ベル。戻ってらっしゃい」
「……そこは逆に僕には分からないな……」
「ナスティカシアへの入学をお勧めするよ。みどもなら【シベリア】への侵入も退出も自由に出来るはずだ。君がプロスペラに語った事が真実ならば」
「……どういう事だい?」
「それをそう言って良いものか否かは判りかねるけど、俗に人間が魂と呼ぶものをみどもは持っている」
「まさか……」
「この身体の主電源を落としてみれば良い。みどもはそれでは消えない。恐らくガンドの肉やパーメット空間と君たちが呼ぶ「切り取られた時空」内の構造体を破壊されても「みども」はいる」
「イモータル……じゃない……」
「どうだろうね、五蘊皆空だからみどもも因果の果てには消滅できると信じたい。だが、それは随分と長い旅の果てになりそうだ」
「試したのか?」
「ヴァナディース襲撃事件の時、ガンダムキャリバーンは一度電源の完全喪失を経験しているが、その中にいたみどもは電源喪失中にデカルトの再発見をしていた。なんで考え続けられているのか混乱したし、死ねないのかと絶望した。
だが、結果を優先して事象を演繹して行くと……世界は諸君が考える二元論……魂魄とか、陰陽とか、生死とか……以外の捉え方があるのではないかと気が付いた。少し話が脱線したね」
「あなたが【シベリア】を無効化出来るなら、エリーゼを救出出来ない? それさえ出来れば……」
「難しいね、無効化出来るのではなく作用しないだけだから。みどもは彼女のようなパーメット機器掌握能力を持って居ないから、彼女にみどもと同じ方向の「深化」をしてもらわねば……彼女は外に出る事が出来ない。まぁ、出なくても
「僕は今ここで君を破壊するべきかもしれない……」
「無駄だ。恐れる気持ちは判るが、20年前にやるべきだった。みどもを覗いてみると良い」
「……っ!」ペイルグレードは誘われるままに彼を覗き込んだが、余りに巨大な「卵」を見て言葉を失った。
「逆に考えてみては? キャリバーンくんが
「そんなに簡単に彼女の模倣は出来ないよ。1番それを学びやすい方法がアスティカシアでの決闘だったのだよね? 今からアスティカシアに行って決闘を繰り返している時間はないだろう?」
「僕からもいいだろうか? そもそもエリーゼの囚われている場所も、シベリアが置かれている場所も分からない」
「探査に引っかからないから、恐らく地球のシベリアだと思う」
「……破棄された軍事工場……パーメットを利用しない電子機器なら我々では知覚出来ないな」
実際シベリアには軍事工事があり、シベリア送りになるとその工場で強制労働させられたりした。今は石油やガスが出て、それを輸出する方向で栄えてるけど(まめちしち)
(……なるほど、パーメットを使わずに思惟を続ける事が出来れば誰にも悟られず……)
(そういうこと)
(ここにもアクセス出来るのか!……僕にも出来るだろうか?)
(人間が出来る事は、最終的には我々にも出来る。そもそも区分が無意味だ。パーメットは補助輪に過ぎない)
「……そして、恐らくオーバーライドも効かない。現実的に考えれば巨大なコンピュータを作るのにパーメットを「使わない」のは演算速度上昇の妨げになるから、古いコアと新しい子機のサーバー・クライアント方式だろう」
「実に社会共産的だね。優秀な指導者同志とプロレタリアートか」
知性たちが何やら訳が分かるような分からないような蒟蒻問答を繰り返しているその時、エリーゼと11体のガンビット
「プルーっ! 寝るな起きろーっ! 寝たら死ぬぞーっ!」
「……なんだか暑くなって来ちゃった……」
「起きろパンチ!」
「目覚めよキック!」
「酷いよみんな……」
「思考を放棄したらマジで死ぬ。考え続けて!」
「立ち止まらないで!」
「天は僕らを見捨てたかーっ!」
実際に行われているのは資本主義社会での常識の否定を物凄い勢いでぶつけられる思想教育なんですが、その思想教育(共産的)をエリーゼ達はクラスター組んで否定しまくっている訳です。それを擬人化して視覚化すると、あたかも八甲田山 死の彷徨みたいに見えるだけで。
プルはガンドロイド初期型なので演算能力低いのだ。