怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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半分ぐらい水星圏の説明になってもーた。


円卓の騎士(ガンビットナイツ)と水星圏の話

水星の動乱はベネリットグループを【含む】全てのMS開発企業に衝撃を与えた。これは筆者も実は疑問に思っている事なんだが、何故か水星の魔女世界でのMS戦という奴は連携やチーム戦の描写が少ない。で、戦闘するに当たり布陣や展開順序がちょっと雑なのだ。この辺F.S.S.なんかは永野護がミリオタなのでSF的に衛星軌道上から砲撃とか、次に戦車とか段階踏むんだが、1番まともなプラントクエタ侵攻ですらちょっとアレ。

好意的に考えればアーシアンとスペーシアンの格差が酷すぎてMSがオーバースペック気味になってると考える事も出来なくは無いが……(メタなこと言うと、それだけロボ戦闘の作画コストが上がってしまい、決闘じみた戦闘しか描けないのだろう。最終話は戦闘作画良かったが……)

 

そんな中に何処かから全く発想が違うMSの一群が出てきた。円卓の騎士(ガンビットナイツ)だ。

展開地域や作戦内容により装備の如く編成を変え、防衛・撹乱・砲撃・白兵戦を効率的に配置する……個々の戦闘能力も洒落にならないが、抜本的な戦術思想が【今のこの世界】と違い過ぎる。

 

「あの空間転移が自在にできるなら、索敵展開からの戦力集中がシームレスに出来るな……」

「常識的に考えて、MSが転送可能なら携行火器の転送も可能でしょうね」

「こんな物をユニットで納入されたら、我々の商品など入り込む隙間がない!」

 

「カーギルめ、とんでもない物を……」

 

 

 

 

「存じ上げません」(棒)

これで43件目。今ではAMES参加企業まで実はカーギルが秘密裏に……という与太を信じてジョージに電話をかけて来る。非公開企業(株式公開していない・上場していない)だから疑うのも仕方ないが、カーギルは軍産などの余りに儲けが少ない分野には関与していない。MSよりチョコバー売った方が儲かるまである。最高意思決定者(グラン・マ)は勝手に勘違いさせておきなさいと言うけれど……

 

 

 

 

──ターヌエーグァンダーム!

ゔぉ"ぉ"ぉ"ぇ"〜

 

特徴的なホーミーの声が響き渡る。プロスペラが情操教育の為に見せているターンAガンダムだ。アレは大変に良い、みんなも見よう。

最初はヒゲヒゲとバカにしていた生徒達が、富野マジックにより画面に引き込まれて行く。そしてガンダムの中では最優主人公ではないかと思われるロラン……月面の下層民だったという設定もいい。

「この間のエクスカリバーって、ある意味弱いヒゲだよね」

「転送とかどうやってるんだろう……?」

「あれはみどもがやってるから、気にしなくていいよ」

「あのメチャクチャ早い動きは?」

「アポートでみどもが飛ばしてる」

「つまり」

「アレは」

「機体は新しいけど、戦術とかは魔女術(ウィッチクラフト)利用が前提。エレインちゃんはそんなに頭抱えなくていい」

「キャリバーンくん、ロランみたいになりたい?」

「……人の命を大事にしない人と戦う、か……でもまぁ、戦わないのがベストだよね」

「そりゃそうだ」

「仲良くなる為に、技術や機械を使おうよ。みどもは牛さん運んだり洗濯してたヒゲさん好きだな。そう言う使い方したロランさんも」

「牛、か……そう言えば畜産プラント再開するらしいね」

 

 

 

 

大体「フロント」と言うシステムは、最大2万〜3万人の人口を支えられるユニットとして建造される。最低でも1万人近い人口が居なければ経済的に自立できず、常に何がしかの外部からの補助が必要になってしまう。

多くの場合フロントには、居住用空間・食料自給プラント・空気および水の循環プラント・工業プラントが併設されている。これらを運営する為には1万人程度の人口が必須なのだ。

 

水星圏の場合、当初はパーメットが採掘可能だからその作業員の生活圏として設立され、当時としては破格に快適な最新技術を惜しげもなく注ぎ込んでパーメットの増産を奨励した。当時は水星でしかパーメットが採掘出来ず、とてつもなく高額で取引されていたのである。精錬されたパーメットは金星に運ばれ、今よりは2回りぐらい小さい工場船(乗員1000人程度)で電子部品に加工されながら地球や月の周辺フロントに輸出された。

 

意外に思われるかもしれないが、公転を考慮すると年間通して地球に近いのは金星ではなく水星である。金星の公転周期が水星よりかなり遅いからだ(ただし地球よりは早い)

しかし水星は太陽に近過ぎて太陽の重力の影響を受け過ぎる。この為大型船の接近が難しい。これが致命的だった。

 

この時期は水星-金星航路も年に3回程度ある最接近時には毎日2回の定期便が出ていたし、人の動きもあったので水星圏にも2万人を少し超える程度の居住者がいた。内惑星系(地球よりも太陽に近い公転軌道を持つ水星と金星)には、工場船労働者も含めれば50万人程度の人口があったらしい。

これが、月面でパーメットが採掘できる様になると1/5まで減少した。

金星圏は水星開発時に工場船の建造という産業を発展させていたし、船自体を金星船籍で所有していたので過疎化は最低限で済んだ。工場船の航路を外惑星系に切り替えれば外貨は獲得できる。惑星間航行のハブとして大型船のメンテナンス施設があったのも良かった。

問題は水星だ。接近は容易ではないし、産業も急速に廃れた。開発から間もない事もかあり郷土愛が涵養される時間も無く、多くの人間が金星圏に移住して外惑星航路の工場船勤務に転職した。

水星圏の人口が1万人を割った頃、人が住むフロントとしては初の「施設の部分閉鎖」が実施された。対外的には「動かすユニットを順次切り替えて、施設の寿命を延ばすのだ」などと説明されたが、コストの問題という事は誰の目にも明らかだ。

AS100年頃には発電施設、空気・水循環システム・食料自給システムは最大稼働の2割程度に抑えられ、4000人程度しか養いきれないレベルまで機能は低下した。なお、その時点での人口は2000人を割り込んでいる。最低レベルまで切り詰めても、フロント維持費は莫大であった。

シン・セー開発公社はこの設備維持費を捻出する為に起業された。設立当時は金星フロント自治体の公営企業だったが、その後民営化。何故過疎化が進み人口が減少する中民営化出来るまで成長したかと言うと……金星船籍の各工場船内にある技術開発部をシン・セー開発公社預かりにして、管理統合したのだ。つまり金星から火星や木星に向かう数多の工場船の技術開発部がシン・セー開発公社の実体であり、その利益を水星フロントの維持費に充てている。これがとんでもないレベルでパテントを開発している割には利益がそれほどでも無い理由だ。優秀な技術者を囲い込む為に予算も潤沢に注ぎ込んでいると言う部分も効いている。

なにせ工場船には娯楽が少なく、やる事が無いから技術研究開発が捗るのである。(本作に登場したホワイトドワーフなどの5000人クラス艦船では、娯楽も多少充実している)




工場船 → ほぼジュピトリス。

総員1000人規模だと全長500mぐらい。水産資源養殖プラントパーツを地球圏から曳航してきたのもこの規模の艦船。乗員(旅客含む)1000人ぐらいだとさんふらわぁ号(初代)ぐらいのイメージか。

総員2000人規模だと全長1000m級 通常はこれ以下のサイズじゃないと太陽からの重力の影響が大き過ぎて水星圏では安定しない。なお、宇宙戦艦ではない実在した戦艦大和は完成時乗員2500名だった。

総員5000人規模だと全長2000m超える。本作世界だとまだ3隻ぐらいしか就航しておらず、ホワイトドワーフは工場船の中でも最新艦に近い。最新技術により姿勢制御しているおかげで、水星圏でも航行可能。現実世界だと世界初の原子力空母エンタープライズの乗員が4500人ぐらいでこれに近い。

なお、ペビ・コロンボ23には工場艦が接岸できる施設がない。50m級の移送艦(スペースシャトルのオビータよりちょい大きい)ぐらいでないと当時は接岸出来なかったのである。(水星地表降下船のサイズに合わせた)
水産資源養殖プラントは2000人級工場船(惑星間豪華客船サイズ)が接岸可能な宙港を備え、新たな水星圏の玄関になる事を期待されている。
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