怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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本作におけるミオリネママ「ノートレット・レンブラン」のことについては、78話「たとえむねのきずがいたんでも」辺りから2〜3話読めば大体わかる。


デリングと魔女の出会い

とんとん

「入れ」

相変わらず威圧感が凄いが、あの女傑「ノートレット・レンブラン」がベッドに寝ている。

「まさか健康が服着て歩いてる君がガンなるなんて……」

「ガンは確率だからな。運が悪ければ誰でも罹る」

 

色々あったがデリングとノートレットは幸せな結婚をして、ノートレット式ダイエットで健やかな身体を取り戻した。急激に。その過程でデリングは妻の呆れ果てた体力と入念な健康維持姿勢を思い知らされている。その彼女がガンになった。

 

「……計画は頓挫だな。野球チームか最低でもバスケチーム作るつもりだったんだが……」

 

子宮頸がんだった。検診でそれを知らされるとノートレットはデリングに「入院する」とだけ告げてサクッと即日手術に挑んだ。全摘出である。

 

しかし、彼女は「頓挫」と言った。計画【破棄】ではないのか?

 

「養子でも……」デリングは重い口を開くが、あっさり妻に否定された。

「何を勘違いしてる? 子宮はガンドと入れ替えたし、3年後にはiPSクローニングで私の子宮は帰って来るぞ? それまで子作りは出来ないが、3年後ならまだ何人か作れるだろう」

「……ガンド?」

「……まさか、知らないのか?」

「いや、あれは義肢技術……」そう、義肢技術としてのガンドはもうこの時代には高機能義肢として知られていた。しかし内臓の代替は中に入っていて外見状見分けがつかないから特に本人がバラさなければ他人には分からないのだ。

「……私の小遣いの投資先のひとつさ。株主優待でナボ博士から開発中のガンドを借りた。まぁ人体実験だな」

「そっ……そんな!」

「我々には立ち止まっている隙はない。ガンガン子作りして地球の人口増やさなきゃ復興すらままならん。子宮頸がんだ卵巣摘出だで子作り阻害されてたまるか。その為に博士にも女性の生殖系を優先して開発してもらう様お願いしてある」

「いやっ……その……妊娠できるの?」

「今はまだ、ダメだ。子供が3ヶ月目あたりでぎゅうぎゅうになってしまうらしい。仕方ないからiPSクローニング処置を発注しといた」

「……神の摂理が……その……」

「お前もデンパ系牧師に頭やられたのか? 神が云々言ってる連中の話をマトモに取り合ったら宇宙移民なんて出来んぞ。いと高きところに座します偉大なる神は「地に満ちよ」と言ったぞ?」

「また君は屁理屈を言う……」

「頭の硬い連中は神の畏れを知らん。この世の中で「出来ること」は神がお許しになったから出来るんだよ!」

 

 

 

妻に適用されたと知り、デリングはガンドについて調べた。そして意外な事実を知る。

 

 

【フォールクヴァングにて】

 

「まさか姉さんがこんなもの開発してるとは……」

「軍隊に行ったお前がなんでカーギルの一族の娘捕まえてるのかねぇ」

 

出資開始時はノートレット・マクミランだった。いつの間にか結婚してたとは知らなかった。デリングも戦乱避けて姉が宇宙に戻ったのは知っていたが、軍務もありその後のやり取りはほぼなくなっていた。まさか妻の病で再び出会う事になるとは……

 

カルド・ナボ(旧姓レンブラン)は地球の大学で義肢開発を学び、ノルウェーのフォールクヴァング研究所に勤務していた。しかしロシアの西方進出により研究所に危険が迫っていた為、研究所は中古の初期型フロントを格安で購入。そして資金難に陥った。

「まさか、食料生産プラントがぶっ壊れたままだとは思わないじゃないか。騙されたよ」

そこで定期的な食料調達をカーギル経由で行っていたところ、若い頃のノートレットに捕捉されたと、そういう訳だ。

「で、姉さん……何故内臓まで人工代替できる様にしてるんだ?」

「地球の人口が減少傾向にあるのは知ってるね? そのせいで臓器提供者や適合頻度が減ってるんだよ……後はキリスト教」

「いつもの連中か……」

「自分は嫌だだけなら良いのに、何で他人の事にまで口出すかねぇ……虫歯の詰め物と同じなら文句言われないと思ってね」

「確かに機械なら適合や保存、輸送も楽か……」

「iPSクローニングがもっと安くなるといいんだがねぇ。本当はクローニング終わるまでの間だけガンド使えたら良かったんだけど……」

「……だから魔法の杖(ガンド)なのか」

「いいネーミングだろ? 治療が終われば外せばいい……まだそこまで達してないけどねぇ」

「え? iPSクローニングは実用化されてるじゃないか」

「まだ高いんだよ。子宮だけでも500万掛かるよ」

「500万?!」(現代日本円で5億ぐらい)

「お前の奥さんえらい金持ちだよ。まぁ地球上じゃあ流行らないかもしれないね」

「長期利用しても問題はないのだろうか」

「そりゃメカだからボロくはなる。モジュール化して交換可能だからメンテナンス性は悪くないよ。ただ、自分の手足として愛着が生まれちゃうのがね……」

「愛着?」

「お前、より高機能になるからって今の腕切ってガンドにしたいと思うかい?」

「冗談じゃない! お断りだよ!」

「同じことが義肢でも起きるのさ。苦楽を共にした大事な相棒になっちまう。今実際変えたがらない子(エルノラ・マーキュリー)に手を焼いてる」

「ひとまず安心した。姉さんこれからも頑張ってくれ」

「あんたは軍隊辞めてどーすんだい? 畑でも耕す?」

「恩師がモビルスーツ開発協議会に誘ってくれてね、まさか姉弟で同じ人型メカに携わる事になるとは思わなかったよ」

「手足を無くしたらいつでも連絡するんだよ!」

「ははは、子供産まれたら見せびらかしに来るよ!」




お姉ちゃんは魔女だったのです!


……なんか全部まとめるに200話ぐらい必要な気がしてきた……(通常50話10〜12万文字ぐらいが筆者の平均です)
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