怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
僕は持ち込み荷物の税関行きです。
アスティカシア宙港はかなり特殊な宙港である。
通常、MSの様な大型機械……しかも空を飛び地を走りビーム撃ったりビームサーベル抜ける様な機械は明らかに兵器として扱われ、持ち込みが禁止されるか厳重な封印処置を施される。しかしアス高はパイロット養成科を持ち学園内の特殊規則……つまり「決闘」だ……が存在する為に、MSの持ち込みが許されているのである。
その為、宙港にMSの持ち込み審査を行う区画があり、そこで機体検査を行なってから学園内に輸送する。ここでビームの出力調整や危険な装置の有無を確認する訳だ。
「おっ? 随分面白いシート使ってるねぇ! これ今は無きオックスアースがよく使ってたヨシムラのシートじゃん!」
「元々オックスアースの機体なんですよこれー♪ 渋いっしょ!」
「言われれば機体重量バランスもオックス味があるな? カスタム?」
「何でか知りませんが、水星に転がってたんですわー。で、レストア出来そうだからシン・セー社内でレスキュー用に使ってて……」
「いや、シン・セーのモビルスーツって聞いてたからどんなゲテモノ来るのかと楽しみにしてたんだが……そりゃ採掘屋さんでMSの新規開発は無理だよなー」
「どんなの来ると思ってたんです?」
「10倍サイズの人間そのもの(真顔)」
「岸和田博士の科学的愛情じゃーん!w」
大人気、であった。
大体パイロット科の生徒はMS開発会社の子息か関係者、だから最新のモデルや主力モデルを持ち込む。そこにMS開発なんかやってないシン・セーがやって来たのだからMS好きを極めて拗らせた奴の多い検査官達はワラワラ集まって来た。そしてどんな変態MSが来るのかと思えば……所謂「旧車」で、更にそいつを現代風にカスタマイズしてる。
「かーっ! 何ちゅう構造だ! 見た事ねぇや!」
「市販品は使いますが、ウチ他のメーカーのMS構造知らんのですよ……」
「なるほどねー、合理的ではあるが今の設計とは発想段階から違う訳だ!」
「義肢の関節構造を最初はそのまま当てはめたんですよ。でも構造強度足りなくて随分悩みましたわー」
「あー、それでここ溶接で補強したんだ? なるほど、義肢作りのテクを活かしたと」
「ガンドアームだったりしない?」
「最初はガンドフォーマットだったっスよ。でもまぁウチのCEOの御息女(ぶっ)乗せますからね、操縦系は作り直しました。まぁウチの得意分野なんで」
「シェルユニット多いねー、何やらせてるの?」
「ニッヒッヒ、それが売りなんですよ。ウチの試作品!」
「なんだ、MSじゃなくて搭載機器売るつもりなのか」
「製品名はエスカッシャン。次世代群体遠隔操作って言うんですけど、多機能ビットをドローンとして有機的に扱う事が出来るんですわ」
「おーい、試せるかー!」
「ビットステイブのモードを変更してみて下さーい!」
「そんな項目出ないぞー!」
「あ、ちょっと待って。機能ロック外しますからー」
「おおーっ! キモっ!」
「え? これ操作してるの?」
ビットステイブをビットオンフォームからコンポジットガンビットモードに変形。機械っぽく無い優美な動きに感嘆の声が上がる。
「なんかダミーの標的出せますかー!」
「あるぜー! ちょい待ちー!」
今度はガンビットによるオールレンジ攻撃!
「……なっ……何やこれ?!」
「魚の群れか……」
「えーっ! 何このドローン……」
「これはキモいわ。いつ頃これ売り出すの?」
「いやぁ、他メーカーに対してどれぐらい有効か分からなくて……その最終試験も兼ねて、ね?」
「これは売れそうだねぇ……そうか、シン・セーはこんなん作ってたかー……」
「これ、バラしてもいいの? いきなり販売したらインパクト凄いよ?」
「ぶっちゃけ、プログラムやアルゴリズム出しても理解できないし、解析も進化も出来ませんて。ウチがコントロール系得意でもモビルスーツは作れないのと同じで、MS屋さんもこの手の制御技術は作れないと思います。てか、これを構成する各種のテクノロジーはウチで特許押さえてます」
「餅は餅屋、か……」
「モビルスーツの運動制御プログラムも販売予定ですよ」
「……良くここまで練り上げたな……」
「いやぁ、ウチも別にやるつもりは無かったんですが、水星での救助活動こなしてたら『あれ? これ売れるんじゃね?』って話になりまして……」
「カタログとかデモデータある? 俺実はジェターク・ヘビー・マシーナリーからの出向なんだけど、これちょっと社で検討したい……」
「あ、抜け駆け酷い! ペイルのウランと申しますがウチもデモデータ欲しい!」
「そしたらグラスレーも動かねばなりませんなっ!」
「ガンさーん! エアリアル! エアリアル検査終わった?」
「御息女さん?」
「どしたのスレッタ? 大体終わったけど……」
「決闘する事になったから、早く終わらせてハンガーに入れて!」
何故、入校手続きしに行っただけで、決闘する羽目になるんですかねぇ……(虚無)
「で、お相手は?」
「なんか白い人。トサカ付きの!」
「ウチの御曹司じゃねーか!」
流石テンペスト作戦。風雲急を告げ過ぎる!
嵐を呼ぶMS
【岸和田博士の科学的愛情】
成人男性をそのままスケールアップしてブリーフを履かせただけの巨大兵器、山野田シリーズが登場する。画像検索してみよう!