怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
ラララ牛丼〜牛丼〜
ネギ抜きダクダク〜
牛丼〜牛丼〜
お豆じゃない肉〜
牛丼〜牛丼〜
生卵に合う〜
牛丼〜牛丼〜
紅生姜も好きー
嫌疑不充分かつ解体調査を快諾した事により、僕は一足先に無罪放免となった。大体人間の何倍もの高速思考と敵の思考を読み切ったガンビット操作が可能な「僕」に論戦を挑むのが間違いだ。こっちは「今晩はどこの牛丼にしようかなぁ」と熟考に熟考を重ね、オリジナルの牛丼讃歌を作ってても余裕で論戦に勝てる。
で、携帯端末返してもらって晩飯に牛丼特盛ネギ抜きダクダクを片手にガンダムエアリアルの解体作業を見学しに来た。一生懸命ガンダムエアリアルを分解しているが、別に子供の死体が埋まってたり脳髄がカートリッジ化されて入ってたりはしない。特にブラックボックスも無い。
ガンダムエアリアルの特異点は、それ自身に自我がある事。それはハードウェア調べてもシェルユニット調べても出て来ない。僕自身もワイ氏やワシ氏から聞いてそう推論しているのだが、シェルユニットが臭い程度の事しか分からない。本人も知らないものをどうやって探し出すというの?
そも人間の自我や魂だって、どこにあるか突き止められて無いでしょ? いくら調べてもアドステラ122年段階の科学では「魂や自我の所在」は誰にも分からないのだ(牛丼美味いなぁ)
「なんも怪しい所がねーじゃねーか!」
「僕に言わないでよ。疑ったのそっちじゃん!(そろそろ卵入れるかな……)」
「隠し立てすると為にならんぞ!」
「ちゃんと組み直すならネジ一本まで分解してもいーっすよ。学生にメンテナンスさせるから組み立てはやり易くなってまーす♪」(もぐもぐ)
「え? メンテスタッフ居ないの?」
「スレッタお嬢の友達作りの為に、シャチョーから可能な限りスタッフ送らない様指示出てまーす。困ったら友達を頼り、お友達沢山作りなさいねーって」
「なんでそんな雑な機体でホルダー瞬殺出来るんだよ!」
「シン・セー開発公社の新製品。次世代ドローンのエスカッシャンが凄いんじゃないかなー?(営業スマイル)」
「あんなに凄いのガンダムしか無いだろうに」
「ガンダムより凄いの作っちゃいかんのか?」
「そんなもんが……」
「あるでしょ、そこに」かき混ぜた卵に塗れた割り箸でエアリアルを指す。
「なんならガンダム持ってきてくださいな。エアリアルとエスカッシャンあったらガンダムでも潰して見せますわ。パイロットに変なことせずに、ね」(ここで紅生姜の乱入だ!)
「何でレスキューMS如きが……」
「あのさぁ」僕は一旦箸を置いて立ち上がった。
「人を殺す兵器作るのと、人を救う為の装置を作るの。開発者がやる気出すのどっちだと思う?」
「……」
「もちろん僕も技術者の端くれだから、自分が作ってるもんが洗練されていくのは楽しいさ。でもね、その洗練の先に人の死があるか、生があるかって……考えないか? 僕はこのプロジェクトに関わり、スレッタのお嬢と共に数々のレスキューこなして人を救って来た。残念ながら救えなかった命もあった……だから果てなく追求したよ、もっと早く、もっと強く。そしてもっと優しく、もっと丁寧に……人の命がかかってるからな。殺したいんじゃない、救いたいんだ!」
「…………」
「そら、喜んでサビ残するわ。休日出勤も仕方ないさ。救う為に工夫を重ね、新しいアイデアを具体化して特許取って公開し、もっと、もっと、更にもっと!
その結晶がエアリアルだよ。殺して終わりの戦闘機械なんかに負けるつもりは無いね」
これで涙の一つも垂らせばカッコいいのだが、僕はまだ涙の流し方を知らない。仕方ないので紅生姜を混ぜてカラフルになった牛丼を頬張る事にした。牛丼は全てを克服する……水星にも畜産が蘇り、大豆ミートでない牛肉が流通する様になればなぁ(切実な願望)
気が付けば、ハンガー内のスタッフが沈痛な面持ちで僕を見つめていた。仕事サボって牛丼見つめても分けてやんないからね。
ラ ララ
牛丼〜牛丼〜
ネギ抜きダクダク〜
牛丼〜牛丼〜
お豆じゃない肉〜
牛丼〜牛丼〜
生卵に合う〜
牛丼〜牛丼〜
紅生姜も好きー
はー。食った食った♪
エアリアルはレスキューMS。まぁ実際ど田舎の水星には敵も攻めて来ないので間違いではない。