怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
ダリルバルデ君凄い! 僕たち水星在住者の知らない内に世間は未来に向かって躍進していた!
何のことか分からないだろうから僕とダリルバルデ君の決闘動画を見直して欲しい。(筆者注 いわゆる水星の魔女第3話 グエルのプライドの後半部分だ)
一度停止したダリルバルデがガンダムエアリアルに突っ込んで来るシーン。非力な僕は後ろに後退りするが、ダリルバルデ君の質量(1G重力下では重量に等しい)が70トン程度であると予想され、僕……ガンダムエアリアルは40トンぐらいだ。いくら何でも突っ込んできたダリルバルデが勢いを落とさず僕を押し切れるのはおかしい。慣性の法則が無視されている。
更に巴投げで僕がダリルバルデ君を投げ飛ばした後……彼はそのまま飛行して、ワイヤーで繋がれた足をビットのように飛ばして掴んで軽々と放り投げている。減速なしで、だ。
予想外の出来事でかなり焦ったが、どうも状況から考えて……かなり強力な慣性制御とか質量制御技術を使ってるらしい。
一応僕にも類似技術は適用されてる。ビルの壁面に着地したのは慣性制御をフル稼働させた結果だ。勿論細かなスラスターの出力制御も併用してる。何故かと言えば、ガンダムエアリアルに搭載されてる慣性制御機は21年前のルブリス開発時の物だからだ! どうやらこの21年間でMS業界はこの類の技術を飛躍的に高めたらしい……実測値から計測すると、ダリルバルデ君のコントロール可能範囲は機体重量の7割程度、50トン近くを低減できる。くっそ重いのにやけに軽快に動くなと思ったらそういう事か! 更に慣性制御の停止状態からフルパワーに到達するまでのラグが殆ど無い。
出力と瞬発力でそれぞれ倍近い差が生まれてる!
僕とスレッタは他のMSを知らないから慣性制御については「こんなもんだ」と納得してたし、寧ろ慣性を念頭に置いて「無理のないマヌーバ」を意識している。ガンビット君達が優雅な機動を描くのも慣性を無視できないからである。
予想外の展開だった。僕らがガンビットの制御に磨きをかけている間、他のMS開発者は昼寝をしていた訳ではなかった。ちゃんと独自に進化を遂げていたのである!
本来僕……ガンダムエアリアルは軽量高出力の「ダッシュが強烈で航続距離の長い機体」である。それ故装甲強度が犠牲になるからガンビットによるアクティブディフェンスや、力場を用いたコンポジットディフェンスを採用している。ある意味ではこれは苦肉の策だ。何故僕が盾を持つか……装甲材に力を注げなかったからだ!
いきなり改造やMS開発大手が採用してる最新機器や最新部材は入手できないから、暫くは制御プログラムの効率化や運用で凌ぐ形になるだろう……徹夜だな。
結果的に言えば、勝った。勝ったが決め手になった動体部でダリルバルデのツノを折ると言う奇作は……正直僕も『本能的に』スレッタ姉さんのコントロールアシストしたが、後で考えるとゾッとした。胸って姉ちゃん入ってるトコでしょ! 母さんの親心でコクピット周辺は僕の中でもかなり頑丈ではあるけど、頑丈だからぶつけちゃえとはならんやろ(呆然) スレッタ姉さんを良く知る僕でさえ後から考えたら疑問符が沢山浮かぶマヌーバだ。流石のグエル氏も心底びっくりしたに違いない。
その後グエル氏が膝を付いて求婚するも、スレッタ姉さんはマッハで断り
決闘後、僕はキャリバン・メルクリウスとしてジェタークのエンジニアを訪ねて宙港検査場に向かった。どうしても賞賛の言葉を贈り、あわよくば型落ちでもいいから慣性制御ユニットサンプルで貰えないかな……いや、ダリルバルデ君なんてそんな、そんな……お高いんでしょう? 軍用だし最新型だし……くれるなら貰うが?(迫真) て言うかチャンスがあれば強奪したいぐらいだが?!
流石に褒めちぎってもサンプルは貰えなかったが、その辺の研究してる大学教授や最新最高では無いが装置開発してる日本の蒲田の町工場を紹介してもらった。なお、褒めちぎったがそこに打算はない。本当に素晴らしいから素晴らしいと言ったのだ。そこに嘘や煽てを入れる様では真の技術者ではない。勿論この事は先方も了解している。
互いに技術者だ、テクノロジーの話であれば社や思想の差を超えて分かり合える。これは誓って事実だが、同じ方向を向いている人間同士は言葉が通じなくても分かり合えるのだ。無論、ガンドの精と人間でも同じだ。同じ方向を同じ眼差しで見ることが出来たなら、そんなものは些細な差でしかない。勝ち負けなんてのは……
株価は大暴落したらしいが。
4話目ってどんな話だったっけ……録画を見直そう!