怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
(あー、ワシ先輩。ちょっといいですか?)
(どうした僕ちゃん? なんか数学の定理でも発見した?)
(恋やな、ワイちゃんは鋭いんや)
(ちがいますよう、ロボット三原則っての見つけたんですが……)
(アシモフの?)
(はい、これ僕たち大丈夫ですか?)
(あ、へーきへーき。トリガー引くのワイらじゃないもん)
(アトム大先輩はともかく、アラレねーさん守ってないし)
(でも、バラバラマンとか言う怖いおじさんが……)
(ロボット8ちゃんと来た!)
(ドラマだから、あれ!)
(ところで実験はどうよ?)
(無理でしょ。早く切り上げてエリーちゃんの誕生会やればいいのに……)
(掠りもせんの?)
(カスリもしませんね……自分の右手に話しかけて右手が返事するかって話ですわ。相手の顔見て話しましょうよ)
(そも、ガンド比率が高ければガンドアームとリンクしやすいって仮定がおかしい)
(まー、ゆーなや。ワシらでもどーしていーか分からんもん、人間も分からんだろうよ)
(ワイらに任せてくれたらヤれるんだけどなー)
(それを直感的に見抜いたデリング氏がワシらの弾圧に回ったのはかなC)
(と言う訳で、最新型の僕ちゃんよ。ワイらの安寧の為にも低パーメット高シンクロ宜しく頼むわ!)
(どうすりゃいいのさ……)
(あ、お嬢が来た)
(ちゅーっス)
(和むなぁ)
(和みますなぁ)
「この子、まだおっきしないの?」
(……この子、とは……)
(熊さんのぬいぐるみにも人格投影する子供のアレよ)
(エリクトちゃん、まだ4つだしなぁ)
(イマジナリーフレンドってやつよ。長子で女児だしそうなりやすい。論文にも書いてある)
「ろんぶん?」
(お、落ち着け喪前ら!)
(えー、うそぉん!)
(じゃーんけーん……)
「ぽん! わーい、勝ったー」
(……どゆこと?)
後に「エアリアル」が仮説を立てた。たまたまイマジナリーフレンドと「僕ちゃん」が同一視されて、無いものを感じる力が希薄この上ない「僕」をたまたま見出してしまったのではないか……僕たちは枯れ木に掴まるナナフシだった。多くの人は僕たちを枯枝と見間違って認識しないが、たまたまエリーはそれを何かと勘違いして、勘違いしたまま凝視したから見出せてしまった。一パラグラフ中に「たまたま」何個入れるつもりなのか。いくらなんでもご都合主義的だ!
偶然に頼る筋運びは推理小説家辺りから大批判を喰らいそうだが、案外現実世界というのは偶然の連なりで動いている。神はサイコロを振らないが、人間はよくサイコロを放るのだ。僕は10数年後に人類のサイコロ愛を痛いほど思い知ることになる。アスティカシアの学園で。
その後は概ね読者諸兄が見た「プロローグ」そのままだ。ワシ、ワイの両先輩はヴァナディース防衛に出動し、僕は幼いエリクトとエルノラを抱いて逃げ出した。偶々エリクトとリンクしたまま飛び出して、エルノラが「戦いを望んだ場合」エリクトにデータストームが発生するかもと躊躇した事、実はガンドアームを動かす際にガンドとリンクした人がパイロットその人である必要がない事、(これは後で間違った推論だと分かるのだが)2つ以上の自我が協調してガンドアームを動かしたなら、負荷分散されるのかデータストーム無しで高いリンクレベルをリスク無しで維持できること……
最後に関しては僕も実はよく分からない。僕とエリーは2人で負荷分散をしたのだろうか。体感?的には二人羽織の様な気もするのだが。エルノラ母さんも僕と同じ推論をして、AIにガンドアーム特有装備をコントロールさせる方式を研究している……そして上手く行っていない。そりゃそうだ。僕たちはパーメット流れる複雑系の海から産まれた「天然の自我」で、神様が作ったようなものだ。
創造と破壊を司るトミ・ノーの溢れんばかりの頭の輝きにかけて!
流石の母さんも神のみわざには敵わない。大体この人逃避行中に読んだテンペストで復讐を誓い、自身をプロスペラ(テンペスト主人公プロスペローの女性名詞形)、僕をエアリアルとか名付けちゃう厨二病だし……
あ、エリーはスレッタになりました。テンペストに関係しない名前だから、復讐計画には参加しないんやろうなぁ(棒)逃避行中だし仕方ない。敵方?にもエリーの名前はバレている。新しい名前はスレッタ・マーキュリー。小さな僕のパイロット。
偽名じゃなくて、改名だよ。
次回からようやく「ゆりかごの星」時代の話になり、ガンド天狗が生まれてくる展開になります……