怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
いやまぁ、確定的に筋違いが確定するの2クール中盤以降だと思うので、パラレっても逃げ切れるかなと(笑)
MSが3機ぐらい積めるカーゴスペースの中で男も女もてんてこ舞いである。
【てんてこ】
村祭りや祭囃子でクソ忙しい様、その太鼓の音。だそうな。
「ペイルの機体固定急げ!」
「少年は?」
「医務室運んだ!」
「ペイル艦から入電! 艦長お願いします!」
「分かった、爆破物検査優先!」
「それはこっちでやった。古い手だ……」
「スレッタ嬢任せたぞ!」
「荷物解け! 搬入は待て!」
「いやぁ、ウチの機体が迷惑掛けてすいませんねぇ」
「迷惑などありません。遭難者救助は海の時代からのシーマンシップですから。幸い機体も回収ほぼ完了。シン・セーのホルダーに後で一言声をかけてやってください」
「我が社のパイロットは?」
「今簡単な処置「それはいけない! 今高速艇で向かってますから、弊社が病院まで搬送します!」
分かりやすい連中だ。猿芝居を……海さんは宇宙の海を堪能しつつ、予定通り計画を進めている。
「こちらの箱に脱がせたパイロットスーツその他が入ってる。後で確認してくれ。きっと必要になるだろう」
「いや、いいんだ……僕にはもう明日は無い……用済みで役立たずだからな」
「そうか? 君を必要としてくれる人も居るんじゃないか?」
僕はそっと耳打ちする「ガンドアームの為に人体実験する様な連中を始末しようと調査してる人、とかな?」
「! まさか……」
「明日が無い事は分かってるんだろ? 明日を作る為には何が必要か分かるか?」
「……いや、分からない……分からないんだ……」
「ナリはデカいがやはり子供だな。命が有れば、明日は誰にも来るんじゃい!」
「エラン、決闘時に異変は? 良く身体保ったわね……」
(順番は、そうなるか……)「ファラクテ(筆者注 タイポではない)と戦った時の様な違和感があった……ガンダムの……共鳴? いや違う、あれは……」
「とりあえず休みなさい。私がなんとかするから!」
「期待はしてないよ。無理しない方がいい……どうなるかは知ってる」
「……き……希望を「捨てて無いさ。捨てられたんだよ、僕は……ハハッ! こんな日にハッピーバースデー! ハッピーバースデーだ! ハハッ……ハッハッハ……」
「強化人士4号はどう?」
「今は混乱しています、しかし「処分ね」
「いや、エランは「焼却炉の鍵はこれよ」
「いつもの事でしょう? データストームはキツいのでしょう?」
「苦しまずに死なせてあげるのも飼い主のお仕事よ」
「せめて苦しまない様に死なせてあげなさい」
ペイル社秘密基地は案外普通のペイル寮外れにあった。目出し帽を被ったどう見ても特殊部隊然とした男が2人、スタンバイしている。1人が鼻先に拳を縦に2つ乗せて首を傾げる。相方も拳を2つ鼻先に縦に乗せて首を縦に振る。
その2人の上を大型の……見たこともない大型の鳶の様な物体が通過した。そのまま上層階壁面にキックを放つと壁面は石膏ボードの様に粉砕された。
「出て来い妖怪ババァども! 妖怪仲間の天狗様が来てやったぞ!」
慌ててふためく学生の奥から、寮の世話人にしては重武装な連中が。しかし5.56mmなどで天狗が退治されてたまるか。
葉扇子で弾を弾き、名乗りを上げる。
「復讐の天使、ガンド天狗! お前らの悪事の証拠を貰い受けに参った。
男の1人が背後に走る。無言なのは良いが分かりやすくてステキだネ☆ 僕はボタンをポチりと押した。
【強化人士4号部屋】
「ハッピーバースデートゥーユー……」
4号はギョッとした。運び込まれたストレッチャー下部の荷物の中から「自分の陰気な歌声」がする! 荷物の中身は精巧なエラン……いや、強化人士4号の義体であった!
胸には雑な書き置きが。「すり替えておけ」
強化人士4号はストレッチャーの上に義体を乗せて、自身はパイロットスーツを着用して部屋の片隅に倒れた。宇宙服は簡易なフレームが組まれているので潰れないのだ。
「急いで運べ! ベルメリア先生早く!」
強化人士4号は暫くぶりに神に祈った。あの日以来神を恨みこそすれ祈りを捧げた事は無かったが、今日再び彼は神に向き合った。生きていれば、明日は来る……その当たり前の話を固く信じて。
「……やるねぇ、テングの兄貴」ストレッチャーの音がが遠くになると、音も立てずに2人の男が影の中から部屋に滑り込んで来た。
「流石切り札。で、エランはいるかい?」
「君たちは……」
「カラステングと言った所かな。来るかい?」
「……頼む」
「おっしゃ、ボーナス確定♪」
「仕事は確実に、な」
そういうと男は雑な書き置きとビーコンを袋から抜き出し、ポケットに仕舞い込んだ。
簡単な作戦だった。強化人士を速やかに回収したがるのは読めていたし、スレッタ姉さんとのガンダムデートでヘルメットを外した彼の顔は5方向から撮影済み。ヘルメット投げたのに怒らなかったのは好都合だったからだ。後は人形用意してガンド喉で声紋コピー。心が壊れたフリしてハピバス歌わせたのが効いた。
ふふふ、こちらはガンド屋だぞ。しかも僕はガンドのメルさんだ!
どうせ調べもせんと廃棄処理だろうと踏んで、移動前に強襲。慌てて運んで証拠隠滅を急ぐ筈だ。騒ぎと逆方向に向かう「訓練された奴」を追えば場所の特定は容易い。
証拠も残らぬ様にこんがり焼くのは分かってたよ。何一つ証拠は残したく無いもんな。ちゃんと耐熱性が低いガンドで組ませてもらった。
悪い奴特有の思考だが、襲ったり騙したりする事は考えても、襲われたり騙されたりする事は考えない。自分達より悪い奴は居ないと信じ込んでしまう。
僕は頃合いを見て離脱した。流石の悪党も空飛ぶ天狗に襲われるとは考えておらず……走って追いかけられる速度じゃないんだなぁ。予め監視カメラを無効化していたポイントでガンド天狗ボディ回収。
というわけで、エラン君というか強化人士4号は生存ルート行きです。あんな美味い「証拠」を見逃す手は無い。フロント宙域超えた(学園に戻るまで仕掛ける時間的余裕がある)のに仕掛けないなんてのは、なぁ?