怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
漸く本編に追い付いた。以降更新頻度が低下すると推察されます。
【インキュベーションパーティー】
それは、企業戦士の
僕たちシン・セー社員もパリっとしたスーツに身を包み、優雅にパーティーに参加していた。
ターゲットは幾つかあるが、弊社の重要度的には
1.シェルユニットの小型高性能化
2.慣性制御技術
3.他社のアビオニクス関係技術の開発状況
4.エスカッシャン
担当は上から専務(胃潰瘍で休暇取ってたが仕方なく来た)、常務、僕メルクリウス、そして部長だ。特にシェルユニットは重要で、これの小型化はエスカッシャン実装時の装甲弱体化……ガンビット制御にはかなりの量のシェルユニットが必須なのだ!……を避ける為にも急務である。また、慣性制御関係もかなり弱いし、こちらはモビルクラフトにも転用できるから会社の屋台骨として良いパートナー企業を見つけたい。
ガチである。我々は今ローストビーフも目に入らないぐらいガチである(口には入れた模様) なんなら決闘よりも真剣になっている。
【シェルユニット】
「──従来の製法ではシリコンウエハーを積層して集約度を上げてまいりましたが、この度弊社で開発した三次元回路構造技術を用いれば、更に50%以上の……」
(筆者注 シリコンウエハーの積み上げは実際現代現実社会でのトレンドになってる)
「放熱処理はどうなるかね?」
「お。どーもどーも! お世話になってます、専務」(ぺこり)
「なかなか面白い事考えてるね。問題は熱処理だが……」
「(小声で)……ご覧になります? 超極細ヒートパイプ」
「ほぅ、当然そうなるよねぇ……実用化は?」
「春を目処に(にやり)」
「これは来年の夏は御社も暑くなりそうだねぇ……」
「ご予定が無ければ、発注を抑え気味にして……」
「……資料は貰えるのだろうね?」
「シン・セー様には特価をご用意しております。さ、奥へ……作動液の組成がキモになっておりまして……」
展示会まめちしき1
「表の展示より裏の商談や隠し玉がメイン」
【慣性制御機構】
「……ふむぅ」常務は新型慣性制御装置の概念説明パネルを見ている。無論これはお作法であり、見ていると説明担当の営業か技術屋が出て来るという寸法だ。
「ご興味がお有りですか?」あるに決まって居るのだが、一応聞くものである。
「いや、私シン・セーの者なんですが、弊社のパテント応用してこんなものが出来るんだなぁと……」
「ああ、シン・セーの! いつもお世話になっております。宜しければお名刺を……」
「これは申し訳ない、ワタクシ……」
ここで名刺交換して、相手が意外な大物で大慌てになるのである!(展示会あるある)
「げっ! 部長! 部長は! 常務さん来たシン・セーさんのっ!」
「いやいや、いや。先ずはこちらの製品のご説明を……」
意外と偉い人がガチ技術系だったりするパターン。偉い人より現場の開発と話したいのになー……
【パテント】
何でか知らないがシン・セー開発公社はやたらとパテントを取得して取り引き企業もかなり多い。逆説的にこの手の産業展示会などではかなり顔が利くと推察される。グループ内の企業ランクが低いのは、意図的に儲けを基礎研究などの地味で見栄えのしない分野に「投資し続けている」せいではないか。(ボブは社員に還元して貰えないものかと捻くれて星を睨んだ)
【アビオニクス関連技術】
「うぃーっす、見に来たぞー!」
「おー、メルさん。また勝ちやがったな!」
「ダリルバルデに勝てるウチがザウォート屋になんか負けるかよ! でさぁ、ジェタークはアビオニクス関係は自社でやってんの? 新作でどんなアプローチしてんのか聞いてみたいんだけど……」
「今担当が商談中だから、俺が話せる範囲で概略説明するわ──」
展示会まめちしき2
「所属違っても、同業他社の技術陣は割と仲良し。たまに同じ機構や部品の問題解決に協業することもある」
「やっぱ慣性制御技術に重点移ってんだなー」
「MSほどデカくなると、その辺がどーしてもね。
「いやぁ、ウチはMSのコンポーネント供給に開発絞ると思うよ。エスカッシャン
「テスト用での稟議は出したけど、あれなんぼするのさ?」
「今度評価機貸し出しやろうかって話出てる。ただ、コントロール用のシェルユニットがねー」
「それな、D-15のアラクネの出展見たか?」
「アラクネ……あー! 三次元回路構造の! ウチは専務が突撃中」
「あれ、使えると思うんだよな……排熱関係が厄介なんだろうが……」
「確かアラクネはウチのカーボンナノチューブ関係パテント買ってるぞ」
「ヒートパイプか冷媒通して冷却するんじゃないかなぁ……」
まさかの前後編構成に!
話の隙間が多ければこんな事にもなる。
なお、作中にヒートパイプなんていう自作PCのCPU空冷とかに使うデバイスの話が出てくるが、ヒートパイプは元々人工衛星の冷却用に開発されたデバイスであり、割と有名な「宇宙開発事業で確立されたテクノロジーの民需転用事例」だったりする。