怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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多分皆が思うのと逆の奴ー

【前回のおはなし】
エラン(本物)「おかしい、本編ではこうはならなかった筈だ……」
ミオリネGT「公式が勝手にやってるだけよ!」
エラン(本物) 大惨事の予感。


血祭りの塔

【前回引きでテーブルは凍りつきました】

 

(あれ? この間って、何?)

シャディクは俺またやらやらかしちゃいました顔をするなどした。なろう系では良くある事である。

「ぃ……いや、その、エランさんは最近笑う様になったし、その……」

「確かに空気おかしいわね、前にスレッタを寮に誘った時とは別人みたい」(ジト目)

「す……水星ちゃんに関わるとみんな……変わるから……」

「何よ? スレッタが悪いって言うの?」

(君が一番変わったよ、ミオリネ──) シャディクは天を仰いだ。

「い……いい、変化、だと……ぉもぃ……マス……」

(わざ)とらしく腕時計を確認するエラン(本物)

「あ、そろそろじかんだ(棒) スレッタさん、一緒に行こう!」

早く逃げ出したい気持ちがモロバレな辺りが本物の残念極まる部分である。しかし、ここで上手く切り抜ければ本編展開に……

 

「待ちなさいよ、エラン。Sit down!」

 

……戻らなかった。本作のミオリネGTは伊達じゃない。

 

「はい」エランは子犬の様に従順に椅子に座り直した。

「直前にエアリアルにファラクト壊されたペイルがホルダーの紹介? 私には『これから意趣返ししまーす!』としか思えないんだけど? まさか、よねぇ?」

「そっ……そんなことは「あるよね? 正直に白状なさい」

 

強い。絶対に強い(確信)

 

「ぁぃ……」

「またガンダムだ論争? 何度同じこと繰り返す気? バカなんじゃない?」

「いや、ミオリネ。今回はファラクトがガンダムだって話で……」

「なんでペイルがガンダム作ってるのよ? どーなってるのウチのグループ? ウチのクソ親父グループの統制も出来ないの? しかも肝心のガンダム、エアリアルにボロ負けしたじゃない? あ、ガンダムより強いからガンダムだってハナシ?」

「……」

「……」

エランとシャディクは沈黙した。いや違うんだ、今回はガンダム間の共鳴とか混濁が……とシャディクもエランも弁明しようか一瞬悩んだのだが、今ミオリネGTに伝えたら多分論破される──更に良く考えたら、共振だの混濁だののエビデンスはあるのか。それ、ひょっとして自白頼りの強弁ではないのか。そもそもそんな現象についてコンセンサスが存在しているのか?

──やがて2人は、今回もミオリネGTに論戦でフルボッコにされる未来を幻視した。ならば今何言っても無駄であり、自分は無傷なまま4人のCEOに頑張って貰えば良いのではないか──そう考えた。已む無い話ではある。

「ミオリネさん、もう貴方しかスレッタさんを守れる人は居ない……頑張ってくれ」エラン(本物)は完全に諦めた。

「行こう、水星ちゃんを守る戦いに!」シャディクは華麗に手のひらを返した。ハメる側だった癖に。

 

 

「──つまり、シン・セーのエアリアルはガンダムなのです!」

響き渡る勝ち誇った声、明らかに悪意のある演出ライティング。狼狽える子狸スレッタを前に勝ち誇るペイル社CEO4人衆!

 

「ドレス姿の女子高生を高台に上げて、下から鑑賞とはいいご趣味ね?」

傍に(かしず)くシャディクからマイクを受け取ったミオリネGTは良く通る声でいいジャブを一発キメた。

「スレッタ、パンツ。見えてる」

「ひぃぃいっ! 嫌っ! もう嫌っ!」

「手すりも無し、安全帯も無し。ペイル社は労働安全衛生って概念ご存知なのかしら? まぁ社内で勝手にガンダム作られてしまうガバガバ監査だから仕方ないのかしら?

先ずは私の花婿をお立ち台から降ろして貰いましょうか?」

演出担当は素直にミオリネGTの声に従った。だから言ったのに……激ヤバですよ、知りませんよって。

 

「歪んでるのは顔や身体だけだと思ったら、考え方や根性まで歪んでるのね。バカと煙は高いところが好きだって言うけど、貴方たちのバカさ加減は天井知らずってトコかしら?」

「何を言っても無駄よ、既に言質は……」

「スレッタ。グエル先輩と1回目に戦った時は変な感じした?」

「? ……してない、です……」

スレッタは話の意味をあまり良く理解していない。

「じゃあ、2回目の時は?」

「……そう言われれば……変には、感じた……かな?」

スレッタヌキは花嫁の誘導にあっさり引っかかった。その違和感はダリルバルデに積まれた中途半端なAIに対して感じたモノなのだが。ふんわりと「違和感」などとしたら──スレッタはこう答えてしまう。

「誘導尋問よっ! 汚いわ!」

「あなた方がやった事じゃない。ウチの花婿は素直なの。腹芸も出来ないぐらいにね。それじゃやり方変えるわ……そも、そのガンダムの共振とかって何? パイロットに言質取りに行ってるから予想付くけど、数値データや定量的なデータない奴よね、それ。あったらそのクソデカスクリーンに映すんでしょうし」

「グッ……」

「そも、ガンダムの共振なんてのがあるのだとしたら、事前にそれを知り得たペイル・テクノロジーはガンダムを2体以上生産・保有してる訳よねぇ?

……何ファラクト1機廃棄して話まとめようとしてんの? まだあるんでしょ? ガンダム。全部出して廃棄しなさいよ。しかも2機以上保有してるのに共振に関するエビデンスを示せない……そんなざっくりとした話でガンダム認定とかやめてくれないかしら? 意趣返しにしても雑過ぎるわ」

「いや、あれはガンダムに違いない」

「あら、シャディクのお父様。お久しぶりですね。

ガンダムにかなりお詳しい様ですが、モノを知らないこの小娘にガンダムの定義と要件を教えて頂けますか?」

「ガンドフォーマットを使ったMSは全てガンダムだ!」

「前回の茶番劇の際にエアリアルは調査されてますが、エアリアルのコクピット周りにガンドフォーマット由来の機構や装置……見つかりました?」(ニッコリ)

「うっ……」

「大体ですよ、学園にMS持ち込む時にコクピット周りの仕様確認する筈でしょ? 私もエアリアル乗った事がありますが、私でも動かせはするぐらいキチンとMSフォーマット通りのレイアウトでしたよ?」

「何っ!」

「お父様、最後までお聴きになって下さるかしら?」(邪悪な微笑み)

 

ミオリネGTが顎でお立ち台操作役に合図をすると、彼は彼女の意を汲みミオリネの台をゆっくり持ち上げてゆく。

 

「馬鹿者、止めろ! 止めるんだ!」

「お父様? 他人様の娘さんの時は気にせず、愛娘相手だと狼狽するのはみっともなくてよ? 

ワタシ、頭の悪い人に上から見下ろされるの嫌いなの。貴方たち、頭が高いわよ?」

 

意を汲んだ操作マンは4CEOの台を降下させた。ライティング担当はミオリネGTにスポットライトを当てる。もう、主役はこちら、だ。

 

「頭のよろしい会場の皆様はご存知だと思いますが、それが何であるか確認する為には定義が必要になります。大昔……アドステラの遥か前……博物学の時代から続く科学的思考の基本、ですよね? インキュベーションパーティーにご参加頂いている皆様には釈迦に説法だと思いますが」

和かな顔で煽る煽る!

「ところがこの度、我がグループの御三家という重鎮が科学の科の字もご存知ない様子で私の花婿を虐め倒す……さぞかし皆様落胆したのではないでしょうか?」

ミオリネGTは会場を睥睨する──

「ここはインキュベーションパーティー。新技術や新しいサービスで起業しようとする雛鳥たちのゆりかご……皆さんも熱い科学の心を持っている筈……嫌な時間でしたわねぇ?」

 

ここに来て3社首脳は失策に気が付いた。ハメられた訳ではないがハメられた。ここはロジカルシンキングが支配する理系の地──いつものやり方では、聴衆からの支持が得られない……っ!

冷たくペイル社4CEOを見下ろすミオリネGTは汚物でも見るかの様な酷薄な目をしている。シャディクはこの目を知っていた。妙にしおらしい言葉と冷たい目──相手を完膚なきまでに叩き潰すと覚悟を決めた、あの目だ……脳裏にかつての出来事が蘇る。

 

お立ち台は魔女を焼く為の塔から、ミオリネGTという美しいヴァルキリーに供物を捧げる祭壇と化した。




1話当たりの文字数、2000ぐらいにまとめようとしてたんだけど、書ける時はたくさん書いてもよかですか?
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