怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
本作は水星の魔女が週に1度しか観れないストレスで作成されています。
「安全性についてはどの程度検証されているのか?」
「データストーム引き起こす要因としてはパーメット流量がキモである事は13年前に既に知られておりましたな」専務はまだ戦闘モードを解いていない。珍しくガチな顔をしている。
「回路的には完全に切り離していますから、そこは問題ありません。本当は大規模治験を実施して確認したいところですが、機体は一つしかありませんので……」
「金星に行くまでの間に、被験者集めてサクッとやりました」
「え? メル君?」
「へ? 専務? 聞いてないです? 社長命令で……」
「嘘! エアリアルに乗せたの! 私のなのに!」
「スレッタちゃん、あれはシン・セー開発公社の動産だからね」
「やだ……うちの子だもん!」
「MSを個人所有は……(金額的に)」
「エアリアルはシン・セーの社員だと思ってね」家族であっても社員である。まぁ、中の人である僕が実際シン・セー社員だし。
「では何がエアリアルを動かしているのだ!」
オドオドと挙手するスレッタ姉さん「わたし……ですケド……」
「あのスォーム兵器だ! あれは何とガンドフォーマットで繋がっているのだ!」
「AIですが(さも当たり前の様に)」
「メルクリウス技師の言う通り、AIとガンドフォーマットで繋いでますよ?」
「何度も説明してるんだけどなぁ」
「聞きゃせんよな。論文も出して特許も取ってるのに」
「何故プログラムと「あー、成程成程、そこですか! 簡単な話ですよデリング総裁。僕たちは脳から信号取り出してガンド義肢動かしてるんですよ。言わばマン・マシンインターフェイスのプロですわ。脳科学にも詳しい」
「だったら擬似的な脳を模したプログラムやデバイスはレベルを問わねばなんぼでもやりようがある」
「エアリアルってのはあの機体内にあるAI……そいつの名前です」
「ほら、やっぱりドローンだった」
「シン・セー嘘つかない」
「本当にドローン、だと……」
部長の目が怪しく光る。これは……とんでもない所からご商売の芽が出てきたぞ! (絵面が悪代官と越後屋になっているのは秘密だ)
「新商品ですよ、エスカッシャン
「何故あれほど意のままに使える──」
「デリング総裁はベネリットグループ運営するに当たり、些事まで自分で決済するのですか? プロジェクトが大きくなればなる程責任や権力を移譲して分割管理するの当たり前じゃないですか。もちろん、教育や対話は必要ですがね」
「そんな事してたらその内別口のデータストームで死にますよ」
会社運営に例えて話すと理解が早いな。流石総裁。
「どの機体にも装備できるのか……」
「機体側にインターフェイスが必要なのと、完熟訓練が必要ですがね。もちろん導入支援は致しますよ」
「タンデム機の様なものか。完熟訓練はどれくらい必要だ?」
「スレッタ嬢並みなら6年」
「6年?!」
「新米パイロットを一人前にする様なものです。寧ろ短いと言ってもいい。まぁ、プロ軍人なら半分の3年ぐらいまでには短縮できるでしょう。その辺の教育ノウハウの蓄積は今後の課題です」
「……幾らだ?」
すっと部長がスマホを取り出し、電卓アプリで計算を始める。
「常務」
「うむ」
「あくまで概算で正式なお見積りは後ほど」
スッと部長が携帯端末をデリング総裁にお見せする。
「……分かった。追って連絡する」
「あくまで試験運用という事でお願いします。来春にバージョンアップを予定しておりますので」
「ちょっといいですか?」
ほう? ミオリネ氏?
「これ、兵器にしかなりませんか?」
「ほう……」常務と専務が和かに笑う。聡いな、ミオリネGT氏。
「これ、もっと使い方ありますよね? 本命はそっち?」
「……例えば、どんな?」
「これ、もっと小さくなります? 分解や結合が自由に出来て、機能の組み換えが……」
「シェルユニット次第、ですなぁ」
「デリング総裁は良いお子さんをお持ちだ」
「何かアイデアがあるのか、ミオリネ」
「余りにも応用範囲が広くて頭が混乱してる……」
見えてきたな、僕たちの見据える未来が。
「ゆっくりお考えください。我々はこのテクノロジーを軍事専用とは考えていません。最終的には民需転換してやらないと市場は取れませんからね」
「軍事は足掛かりか。良いだろう」
「先ずはモビルクラフト辺りからですかな」
「ガンさん、ガンさん……エアリアル使って何するの?」小声でスレッタ姉さんが聞いてくる。僕は微笑みを湛えてこう答えた。
「スレッタさん、エアリアルは未来を切り拓くんだよ。心は常にフロンティアにある……それがシン・セーさ!」
軍事という分野で研究開発し、その結果を安価に市場へと撒いていく。人殺しや破壊だけではつまらない。人間は壊すことより作り上げることを好むから世界はここまで発展したのだ。その基本を忘れたら会社は大きくならない。
デリング氏もこの方向性には概ね賛同してくれた様だ。軍需産業が儲かったのは遠い昔の話で、戦争が不経済だと気が付いた資本家は基本的には戦争や紛争を避けたがる。特に今のこの時代の様に人口が溢れて宇宙域まで拡大した状況では「戦争をやってる暇はない」本当はね。
勿論人は武器を手放して肩を互いに組んで歩けるほど器用ではないから、武器自体の需要がなくなることはないが……鉄砲の弾や爆弾よりもパンとワインが、温かな食事が、楽しい喜劇やサーカスが求められるのは数千年の歴史が証明している。そっちの需要は兵器産業よりもずっとずっと大きい。
「で、弊社の真意をご理解頂いた所で……場を改めてお話ししたい事が一つ……」
「なんだ?」
「
なお、水星の魔女本編とは異なり本作では徹底的に暗い展開は無い模様。
書く事ないので筆者が喜ぶ事書いとくぜ!
1. もりもり読まれる事
2. 誤字修正報告
実は評点は重視してない。筆者氏もWeb小説よく読む派だが、ランキング固執勢力の暗闘により良作が埋もれるという事例を多数見ており、実はランキング制度好きじゃないの。
大体評点に関しても個々人の評価軸差が激しいので「この評価1はどんな評価1なのか」当人の傾向見て類推しなきゃいかんやないか。
口ではなんと言おうと、なんだかんだでPVやUAが伸びるのは「皆気になるから読んでる」訳で、大衆食堂のおっちゃん的に「残さず食って笑顔で帰ってくれるのが最大の賛辞」だと思ってますよ。お気に入りにしたりここ好き押してもらったり、それぞれのアクション見て勝手に喜んでるから皆は好き勝手に拙作を読めば良かろうなのだ!
まぁ、読者の大部分はなんも反応せんもんだしね(真顔)