怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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流石にボロっボロなのでエアリアルはドンブラコとプラント・クエタに行く事になりました。

【クエタ Quetta】
10の30乗の事だよ!(2022年制定) つまりプラント・クエタは超巨大工場って事で、辞令受けてからキャリバン・メルクリウス氏は目を爛々と輝かせて実際赤外線をあちこちに向けて放っていた。
工場、工場、だぁーい工場♪


ガンさん工場へ行く(前編)

プラント・クエタ!

ベネリットグループが誇る超巨大プラント!

 

夢はひろがる (ソレ) 南へ西へ (ヨイサ ヨイサ)

科学技術の あこがれ乗せて

今日も宇宙(そら)から 宙港(みなと)から (ヨイショ)

工場〜 工場〜ぉ だぁ〜い工場〜 (サテ)

行くぞ宇宙の 果てまでもっ! ソレ

果てまでも〜♪

 

足でタップダンスしながら上半身は大東京音頭を踊るという離れ技を披露しながら僕は冷徹に自分自身(ガンダムエアリアル)の改修計画を練った。なんと今回! ペイルテクノロジーの4人のCEO様のご厚意によりっ! 修理改修代金はタダ! 無料! ロハ!

ィイヤッホーっ!

 

こんなに嬉しい事はない(歓喜)

 

 

(無論、無理を通した魔女が暗躍した)

 

やっぱアレだね! 神様は実在するね! 

清く正しいガンド天狗様に神は恩寵を垂れ賜う! Αλληλούια(ハレルヤ)

 

「──ガンさんがあんなにあんなに浮かれてるの初めて見た……」

「大丈夫なのスレッタ? エアリアルがサンバカーニバルモードになっても知らないわよ……」

「そんな事はないよ(断言) エアリアルにサンバカーニバルのお姉さんみたいな尻尾が付いても、それはガンビットだろうから!」

──ガンビットそんなに増やしても制御しきれないけど。

「治るの、エアリアル……」

「勿論治るよ! まっかせなさーい!」

「いや、元の形にって事よ? エアリアルはスレッタの大事な家族なんだから変にグレさせたりしないでよ?」

エアリアル=僕なんですが、それは。

「真面目な話、EMTやらシェルユニットは新型に替えるし構造材や装甲は変えられる範囲で替えはするよ。但し重量バランスや機動性に直結するからシルエットは余り変わらない。運用データを最初から積み上げる訳にも行かないからね」

「エアリアルの大切な経験だからね!」

「……正直な話、私はエアリアル強化必要ないと思ってる。ガンドはもっと別の使い方があるんじゃない?」

「それは計画中の貴女の会社でやる事ですよ。シン・セーもバックアップするよ、ミオリネさん」

「……とりあえず再生医療の現場には必要かなって」

 

ミオリネGT氏はエアリアルのガンドフォーマットを見て、とりあえず元の医療用義肢開発に立ちかえる様にした様だ。アドステラ122年時点での医療の現実を少し話そう。

読者諸兄の時代と比べると、マイクロマシンやナノテクを応用した医療分野はかなり進歩しているし、iPS細胞を利用した自己の細胞由来の移植に関しては完全実用化段階にある。それなのに何故ガンドの様な義肢が必要かというと……高度医療に掛かる医療費が天文学的な値段になってしまったのだ! (ナノマシンは未だ研究所レベルの存在で一般化はしていない。強化人士4号には用いられている様だが)

例えばAS122の今であれば、プロスペラ母さんの右腕一本ぐらいなら3年ぐらいかけて細胞培養して再建できる。価格は何とお手頃2億ちょい。わぁやすい(白目)

3年間クローニングを常時監視して人つきっきりだし、再生した腕をくっつけて更にリハビリが必要だからね。更に若い人なら再生も早いが、年寄りはそもそも回復力が低下するからマイクロマシンなんかも併用しないといけない。最先端治療あるあるだなんだけど、最先端であるから被験者は少ないし金も掛かる。幸いな事に義肢が必要になる事自体がレアケースだから逆に需要がそんなには無いのだ。結果、再生医療はやたら高額なままである。(どちらかと言うと、iPS細胞によるクローニングは内臓系に適用される傾向がある。大質量の四肢を培養するのは時間がかかり過ぎる)

そこを考えるとガンドは安い。個々人向けにカスタマイズが必要なのは読者諸兄の時代の義肢と同じだが、基本パーツや構造を規格化した事で工場生産できるのが強い。コストは1/10以下だ。血液や肉体みたいに適合型や免疫系の事を考えずに済む。(勿論人体とガンド義肢の接合部では色々と問題があるが、ナノテクノロジーによる人体と親和性が高い高分子素材やマイクロマシンによる問題解決は100年以上前に実用化されている)

そして、ガンドがイマイチ普及しなかった理由だが……ちょっとお手数だが「水星の魔女 prologue」に出た若き日のカルド博士とエルノラ・サマヤの写真を検索してみて欲しい。カルド博士が白髪になる前の写真だ。

今ではプロスペラ母さんの身体もデカく頑丈になったから違和感がないが、若き日のエルノラの身体には()()()()()()()()()()()のである。

あくまで発展途上だったから、ではある……小型化が難航して不恰好になってしまうのだ。今ではかなり改善していて女性用、特に少女向けのガンドはかなり細めに出来る様になった──それでも醜いと拒否する人は少なくない。思春期というのは難しいものだ。特にガンド義肢に軟らかな皮膚や筋肉を模した外皮を付けると僕の様に細マッチョ気味の体型になりがちだ。子供や幼児向けガンドは夢のまた夢という有様だし、幼児期に今のガンドを装着すると身体の発達・筋肉のつき方などがアンバランスになってしまうだろう。

MSサイズであれば問題は少ないが、それを1/10サイズにシュリンクするとなると「まだ問題は山積している」 技術の洗練に果てはない。

命を救う技術としては完成しているガンドであるが、残念ながら生活を豊かにする技術としては満足できる範疇にはない──これがAS122年段階でのガンドの実情だ。

やっぱり生身は凄えや。神様が作っただけはある。

 

「──それでも、やらないと発展しないしなぁ」

「メルさん? 一体何を?」

「あ、ちょっと別のこと考えてた。安価にガンド義肢提供する為にリースを考えてるんだっけ?」

「……まだ高いのよ。ガンドは」

「どれくらいなら買えるかな?」

「百万以下じゃないかと考えてるわ。地球で普及を目指すなら」

ニワトリタマゴ問題だが、義肢が必要になる事故を起こすと四肢欠損により失職したり収入が低下する可能性は高い。すると義肢を購入できず……と負のスパイラルが発生するのだ。そこをリースで対応して、更にガンド義肢を利用している人を積極雇用する。そのガンド義肢の利用者をガンド製造や販売側に回して……これでサイクルを作る。

「私もクエタ行って視察するかな……」

 

畑も工場も、作物や製品を通じて未来を作る。




技術として完成する事と普及は別の話なの。
ガンドを普及させる為には市場という畑を耕す必要があり、肥料や水や雑草抜きが必要なんよ。
実際、特許工法開発した会社を一つ知ってるが、市場耕してそれで食える様になるまで5〜6年かかってる。
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