怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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ようやく年内の仕事が終わったぞー

……大体は(涙)


ガンさん工場へ行く(後編)

【プラントクエタ RMAセクション】

「先ずはEMTからバラして測定すっぞ。治具と架台出しとけー」

ヤッさんは周囲のエンジニアに声を掛ける。なんかこう……メモ取るやつ、録画する奴……やたらスタッフ居ない?

「ヤスシ博士の公開授業だ。そらみんな観に来るさ」

傍にいたおじさんは熱心にエアリアルの解体を観ながら教えてくれた。次々とEMTが取り外され、ゲージで歪みを測定され、トルクや回転数を記録して行く。

「格闘機では無いのですね」

「水星でのレスキュー用として組んだからな。モノにぶつかる事は余り考慮してない」

「成る程、だからギアがこんな繊細に……」

「推力比が異常に高い様な……」

「単騎で水星衛星軌道から降下して軌道まで戻る必要があるからな」

「──? 水星の脱出速度ってそんなに低かったか?」

「確か……地球の1/3はあった様な……」

「だから軽量化してるんだ」

「いや、ヤスシ師匠。それはおかしい」

「手足付いてるロケットだよこれ……(驚)」

「これでダリルバルデと斬り合いしたのか(呆)」

 

 

【それはおかしい】

ゆりかごの星の描写見てると、エアリアルは水星の衛星軌道にあるフロントから地表降下して、要救助者を捕まえてから4分で軌道上まで帰還している。40トンの機体を僅か4分【未満】で秒速4.25km(水星の脱出速度。時速15300km!)まで加速できるという事になる。どーなってんだこれ(苦笑) 減速考えたら2分でマッハ12ぐらいまで加速してない?

本気で飛ぶエアリアルって、ファラクトなんか目じゃ無いバカみたいなスピードで飛べるみたいなんですが……(実は真面目に科学的な考察するとかなり変な設定は各所にあるのだが、その辺厳密にやっても面白さには繋がらない可能性が……)

 

 

見学してる技術者が「MSやガンダムだと思ってたのに、実際はロケット人間(マグマ大使)だった」とドン引きする中、機体解析は続く。

「左右のバランスは悪く無いが、気持ち左腕のヘタリが強く出ているかな?」

「流石にエスカッシャン (TM)多用しましたからね」

「EMTは水星と違って最新型使えるから入れ替えるとして、慣性制御ユニットはどの辺まで高出力化するかだな」

「……一番良いのは使わない……ですか?」

「ガンさん意外と古風だな。モーションデータをよく見ろ。あと足首や膝のストレス。スレッタはきっちり機体重量使い熟してるから、慣性制御強くしたらかなり違和感感じると思うぞ。減らすだけではなく増やす方も使えれば最高だな。スレッタによく言っといてくれ。

EMTも応答性が高くて瞬発力重視のセッティングの方が使い易かろう」

「センセイ、そんなちょこまか動く機械では力負けしませんか?」

「甘いな。機動のおこりを押さえてベクトルズラすのに長けてたらパワーはそんなには要らん。正面からぶつかり合う必要自体が無い」

「……すると……キャパシタがキモですか……」

「瞬間的な高電圧、高電力が必要だからな……松下の(注1)はおらんかー!」

「ここに。MS用のOSコンも御座います」

「ガンさんと一緒に計算進めてくれ。今の2倍は欲しい。京セラ! 京セラは!」

「複合装甲ですな。どの程度の重量で?」

「EMTと慣性質量制御機の性能による。今と同程度のレスポンス稼げる範囲で構造強度上げつつ対弾性上げるんだ」

「テスラから来てた奴いたよな、こっちで検討するぞ!」

「ロールスロイス (注2)ですが推進器は如何です? 質量が上がるなら高出力も必要かと」

 

 

どんどん惜しげもなく最新機材が投入されて行く。

カタログスペック程当てにならないものはないが、もしもそれを使いこなせるのだとしたら……単純なスペックアップは純粋に機体性能の向上には効く。後はそれを戦力化出来るかだ。良く使う部分が機能向上して、ほぼ使わない機能が低下しても全体的なフィールは向上する。その「1番良いところ」を使用者の癖に合わせて調整するのがチューンの勘所。

今までのガンダム・エアリアルは機体性能を操縦で100%近く引き出す奇跡の様なやり方で戦力を引き出して来た。純粋性能で言えばダリルバルデはおろかディランザやザウォートにも劣る。それらを優越して下す事が出来たのは、エスカッシャン (TM)を用いた戦術と、それを効果的に用いる事が出来る僕のガンビッツ制御能力による部分が大きい。

対グラスレー時のガンビッツ制御データ量を計算した事があるが、オーロラ発動時のシェルユニット⇄ガンビッツ間のデータ処理量は(単純比較は出来ないのだが)パーメットスコアとしては6(6.17〜6.35)相当。

勿論僕だってアスティカシアに来た頃のままならこんな情報量を捌き切れなかったが、経験を積んでシェルユニット内の仮想ニューロンネットを繋ぎまくりなんとか処理能力を稼いできた。地道な努力に勝るものは無いのだ。

 

ガンダムとしてパイロットによる直接制御に拘ったら、ここまでの進展は無かった。既に僕は本質的な意味において「ガンダム」では無い。





注1 松下の子
OS Conは元々サンヨーの製品だが、企業ごと松下(パナソニック)に買われました。てかサンヨー的には松下に助けて貰った体なのに、旧サンヨー系の方からは当初余り良く思われておらず(以下略)

注2 ロールスロイス
実は軍用ジェットエンジンなんかも作ってる。アドステラの時代にはロケットモーターも製品化してる模様。
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