怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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ちゃんと話せば分かるんです。
犬養毅も言っていた(撃たれたけど)


対話しよう!(前編)

【プラント・クエタ内、クワイエット・ゼロ実験区画】

 

物凄い警戒体制だと思い込んでガンド天狗に変身してきたのだが、総裁肝入り最重要実験区画なのに警備が薄い。最深部は流石に多少警備がある様だが、ミョーに警備が甘いな……とりあえず気をつけよう。

それがコンピュータや電子脳である限り、僕は僅かな接触で膨大なデータをやり取りできる。パーメットスコア6相当の処理・無害化が可能な僕はちょっとしたスパコンをデコピンでノックアウト出来るぐらい処理性能が高いのだ。ちょっと触れたらクワイエット・ゼロ君とも濃密な会話が出来ると見込んでいたのだが……

 

何考えてるんだ、デリング氏?

 

手を触れてパーメットの流れを感じながら電脳世界にダイブ。気分を盛り上げる為に古典的なサイバースペースを模したグリッドがアレなマトリクスとかサイバーパンクじみた光景を自ら構築してみたが……何というか、データが隅っこに乱雑に積まれた汚部屋じみたイメージが像を結ぶ。

あれ?

ちょっとイメージが違うなぁ。サイバーはサイバーでもブレードランナー風味と来た。酸性雨降ってるからかしら?

サイバースペース内の僕のペルソナである天狗様を合掌瞑目させてガンビッツ召喚。さぁガンビット淑女達(レイディース)、家探しするよ!

 

(((((あーい!)))))

 

鬼ごっこをする様に、隠れんぼをする様に。ガンビット達は辻々に消えては顔を出し、勝手にゴミ箱開けたり蕎麦屋で天そば頼んで「2個で十分ですよ! 分かってくださいよ!」と言わせたりなどした。

 

パーメット知性体である「僕」は、人間特有の発想の飛躍やアイデア出しは苦手だが、ロジカルな思考や状況からの類推や予測は得意である。僕自体の分身であるガンビット達を駆使してプログラムの全容を精査。シェルユニット内のプログラマブルシェーダーを組み替えて、データ構造からプログラムの方向性を投機実行しながらパイプラインで処理して行く。

データストームを抑制したガンダムを作りたい。それは分かる。だが、そのガンダムを使って目指すものは何か……

 

タイレル本社じみたピラミッド状の巨大構造物の上に立つ。無論天狗が、である。

低く垂れ込める暗雲。強力ワカモトのバルーンドローン。一条の光。地を這う機械油とその油膜を叩く酸性雨。

荒廃した地球。

整備されつつあり、取り壊されてゆくバラック小屋。真っ直ぐ伸びてゆく建築中の道路。

秩序の回復。

雷鳴。

 

 

【挿絵表示】

 

……11名の10歳児じみたガンビット淑女たちがいつの間にか天狗の横に整列して雨降ってるのに一切濡れてない様子で腕を組み、遠くを睥睨している。彼女達は空気を読まない(涙)

僕自身だから分かってしまうのだが、なんか良く分からないけど絵的にカッコいいから整列しておこう……そんな感じだ。

天狗の翼を広げてガンビットを回収。さて、クワイエット・ゼロが目指す世界とはなんぞや? デリング・レンブラン。貴方は何を目指す?

単なる武力による圧政か。

ガンダムの売上によるベネリットグループの再興か。

 

 

 

 

……郷愁、憐れみ、そして悲しみ……何故? この酸性雨はこれか!

永続を目指しつつ儚く散るイメージ。

これは……葬列? いや、葬式?

そこから始まった何か。そしてこれはアンビバレンツ?

彼は前を向いて歩いていない。未来に背を向けながら後ろ向きに歩いている。過去を見ながら未来に向かって逃げている? いや、過去から逃げているのか!

……ガンダムを禁止しなければ良かった。しかし禁止せざるを得なかった。それが愛しいものとの離別になろうとも。

 

「私が殺した様なものだ」

 

それは彼の選択ではなく、そうせざるを得なかった。彼は自ら選んでおらず、時の流れに押し流されただけ。

そして、今。

彼はクワイエット・ゼロを歓迎してはいない。流され続けて今もまた流されている。そして繰り返される離別。愛する者との訣別……これは、未来? 予想?

……ミオリネ氏? 何故デリング氏に剣を向ける? 何故避けないデリング!

 

──最後ぐらいは自分で選びたい。死に場所としての「クワイエット・ゼロが生み出すもの」ガンダムを禁止せずに済ませる為に、ガンダムを倒す剣の顕現を望む、か。

 

 

 

 

……ん〜? 

何これ?(素) ポエム?(苦笑)

その剣って、つまり……(エアリアル)

え、何それ。僕はガンダムを完成させて自分で作ったガンダム倒さなきゃいかんの?

 

(出来るんじゃないの? だって意識転送しても人間は人間だよ?)

(待ちたまえガンビット1子ちゃん。皆がついて来れない)

(クワイエット・ゼロの解説からね。あれは人をエアリアルの様なシェルユニットの中の妖精さんにする機械)

(様々な人間文化のオカルト系、ないしは神話系の技術ね。人間や神々が行えるとされてる「魂を人体から離して飛ばす」──アストラル投射って奴だぁね)

(人間の意識をシェルユニットの中に入れたら確かに処理能力的にはデータストームにも耐えられるけど、そう簡単に行くかなぁ?)

(意識のコンバートとアップロードは【セイズ】でやってるから、まぁ枯れた技術ではあるよ。でも、MSでそれやったらシェルユニットがまた複雑系の海に沈んで僕'とか僕' turboが産まれない?)

(……生まれちゃうだろうなぁ。ガンダム作ろうとしてガンダムじゃないものが出来ちゃう予感。自我の受け皿を作ろうとしたらそれはどうしても自我が入った状態で完成して……中身空っぽの植物人間にはならないだよ)

(……植物人間を作れば良いのか。いや、それって出来るのか?)

(まぁ待て。落ち着け。差し当たり近々の問題は僕のデータをこのクワイエット・ゼロに与えてもどーにもならんと言うことだよ!)

(なんで試験も実験もせずに「出来ると信じて突っ走る」のかなぁ?)

(出来るに違いないと思い込める。それも人間の特徴だね)

 

それがパンドラの箱の底に残って災厄、希望である。

 




1話じゃむりやってん。
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