怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】   作:PureFighter00

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ウチのタヌねぇはちょっと本編とは違うんだ。


ハッチングタヌキさん

「下がれ、スレッタ!」

「え?」

防御隔壁をビーム薙刀で切り裂き天狗キックで通路を作る。

「ミオリネは無事だ。避難するが良い。78番格納庫に皆集まっている筈だ」

「てっ……ててて天狗様は?」

「大体天狗の国に連れて行ったがな、ライフル中隊規模ならまだ何人か中に潜んでいる筈だ。そ奴らを天狗の国に連れて行く」

「あっああっああぁあ頭に穴がっ!」

「天狗はそれしきでは死なぬ」

僕は不敵にニヤリと笑った。

 

 

 

 

「避難時はノーマルスーツはてっ……」

「いっ……いいから早く逃げるんですよぅ! ミオパパ!」

スレッタはやたら厳しいデリング総裁を怖がらずに背中を押した。割と一杯一杯で余裕が無い彼女は天狗(ぼく)に脅されて更にテンパり訳が分からなくなっている。ミオパパ呼びに思わず警護の人間も噴き出した。

「一体何処へ……」困惑顔のデリング。あのミオリネさえ気圧される圧をことも無げに受け流すこの少女、只者ではない。

「エアリアルです! エアリアルの所に行けば安全ですっ!」

「!」インキュベーションパーティーでも会っているが、タヌーっとした写真ばかり見ていたデリングは瞠目した。危機において固まらずに動ける、更に他人まで先導出来る。これはとんでもない事だ。普通は固まり動けなくなる。年頃の少女とは思えぬ胆力!

 

「見つけたぞデ「やめなさーい!」

角から出てきたテロリストはスレッタのタックルと、すかさず放たれた回転右肘によるレバーブロウで沈黙した。スレッタはダリルバルデ戦でもその片鱗を見せているが、空間把握能力や格闘戦能力が異常に高い。

あくまでガンダムは「自分の身体のようにMSを操縦できる」ものであり、逆上がりが出来ない人間はガンダムに乗っても逆上がりは出来ない。

つまりエアリアルを操縦して出来ることは基本的にはスレッタにも出来るのだ。無論「ぼく(エアリアル)」がサポートしている以外だが。

「捕縛しておけ。後で回収だ」

「はっ!」

「な……何よ、テロリストなんて殺してしま「ミオリネさん!」

一瞬鉄拳制裁しようとしたデリングの腕が止まる。

「殺したら1つ、生かせば2つ……お母さんが言ってました!」

「はぁ?」ミオリネには意味が分かりかねた。まぁデリングや護衛も?マークをはやしまくっている。

「……進めば2つじゃないの?」

「何言ってますですか? 学校でも習いましたよ。少数で多勢を相手にする時の鉄則じゃないですか?」

デリングはマーキュリー家の教育方針に若干の不穏な要素を嗅ぎ取った。

 

 

格納庫に駆け込むとプラスペラとゴドイがクロスファイア出来る体制で入り口を狙っていた。

「みんな! 伏せて!」スレッタはミオリネに覆い被さる様にしてヘッドスライディング。護衛とデリングもそれに倣う。

パンパンと思いの外軽い音がして「彼らを追っていた」テロリストは死んだ。

「付けられてたわよ。言ったでしょ6時方向に注意せよ(Check Six)って」

「気付いてたよ! でもお母さんが必ず迎撃体勢取ってると思って……逃げながら迎撃したら被害出ちゃうし」

「とりあえず無事で良かった。さぁコンテナへ」

「ガンさん部屋? 大丈夫なの?」

「防爆仕様よ。エアリアルのコマンドHQやれる特注品なんだから!」

「……話が見えんのだが……」

「水星時代に結構ちょっかい出されてましてね……」

ミオリネが入り口に視線を向けると、ヒトだったものが倒れていた。

「ひっ!「見なくていい」デリング氏は優しく視線を遮る。

「ちゃんと死んでる筈だから安心して」

「ひっヒトが……」

「先ほど簡単に殺せと言ったな。ヒトが死ぬと言うのはこう言う事だ」

「銃撃戦は好きじゃないの。当たると痛いし」

「お前たちはそっちのゴドイと入り口を固めろ」

「エリックー、スレッタ来たわよー!」

「「エリック?」」

ミオリネとスレッタは顔を見合わせて首を傾げた。

「紹介するわね、スレッタのお兄ちゃんよ!」

「「はぁ?!」」

「……あ、ども。エラ……いや、エリック・マーキュリーです……」

旧名エラン4号はすごーくバツの悪い顔で妹に挨拶した。幸い仮面があるから表情は見えないのだが。

「アリヤさんの占い、当たってたんだ……」

「小さい頃から宇宙放射線の治療で地球にね……」

「……いや、なんでアンタが知らないのよ、お兄ちゃん……」

「色々と理由が、ネ☆」

「ご家庭の事情に土足で踏み込んだらいかんぞ、ミオリネ」

「はっ……はじめまして! お兄ちゃ……ん?」

「おー、エリックじゃないか! 大きくなったなぁ!」

「ガンさん! 知ってるの?」

「え? 天狗様は?」

「天狗の国で頑張ってますが?」

「……天狗?」

「はい、アス高でも活躍してた悪人絶対許さない天狗です(笑顔)」

「……そう言えば銃声止んだわね」

「中隊規模でしょ。そら天狗様なら……で、ご相談なんですが」

「何だ?」

「突入部隊始末したらMSが乗り込んでくるみたいです」

 

まぁ、ぶっちゃけ流石の天狗ボディMk-IIも下半身大破して天狗フライングユニットで撤退して来た。高かったのに!

 

「状況的にはアレですな。局所有利取られて防御側押し込まれてますね」

「なんでこんなに警備薄いの?」

「ヴィムかな? でも奴まだクエタにいる筈だが……?」

「ペイルにも動きは無かったわ」

「ではサリウスか? しかしサリウスならもうちょっと穏当かつ……」

「……陰険な手を使うでしょうね。誰かしら、こんな計画……」

「……あの……」オドオドと手を挙げ発言許可を求めたスレッタ姉さんに皆が注目する。

「差し詰まった問題として数的優位回復しないと不味くないですか?」

そしてその発言内容に皆がビックリした。え? そう言うキャラだっけ?

「それはそうだけど……まさかスレッタ?」

「……エアリアルじゃ、ダメかな?」

「君が出る必要はない。警備に任せるんだ」

「……その警備が押し込まれてるってハナシじゃ無かったかしら、オトウサマ?」ミオリネ氏の視線が痛いデリング氏であった。

「そも、テロリストはテロルがお仕事だから白旗通じないって習いました」

「戦争法規の外にいる連中だからな」

「でも、これ実戦よ? 決闘みたいに安全ではないわ!」

「ガンさん、イケるの? エアリアルはスレッタ守れるの?」

「……難しいハナシだけど、荒れ狂う太陽さん相手にするよりかはマシ、かな……」

「何言ってるのよガンさん! 貴方正気!?」

「正気も何も……通信途絶がどれくらい続くかも分からないんですが」

「そうだよお母さん! 警備の人呼ばなきゃ殺されちゃうよ!」

「逃げなさい、スレッタ! 逃げたら一つは残るのよ!」

「お母さん、私みんなも守りたい。エアリアルだって守ってくれる!」

「ヒトを救う機械、だしね……」

「通信途絶が妨害電波的なものなら、対ファラクト戦で使ったアレで何とか出来ないかな?」

あらし(テンペスト)? 近いとクエタにも影響出るよ?」

「やろうよ!」

「……むぅ」

「やめてよ、もう私誰も失いたくない……」プロスペラ母さんがガチ泣きしとる! 明日は宇宙に雪降るぜ!

「私もだよお母さん! だから自慢の娘たちを信じて!」

「スレッタ」「うん」

 

「「進めば2つ!」」

 

「決まり、だな……」

「アクティブディフェンス最大出力なら抜ける攻撃は無いかと」

「嫌よ、やめてスレッタ!」

「大丈夫! エアリアルがいるもん!」

 

これで燃えねばガンド・アームじゃない! 僕はメラメラとやる気を燃やして力強くうなづいた。「社長、ご決断を」

「ダメよ、絶対ダメ!」

「……デリング・レンブランがベネリットグループ総裁として許可……いや、お願いする。戦わなくてもいい。撃墜する必要はない……やって、貰えるか? 花婿よ」

あのタヌっとした姐さんが力強く応える。「ハイ! 任せてください、私たちに!」

 

──泣き虫な君はもう居ない

……いつの間にかこんなにも強く……(ホロリ)

 




ウチでは祝福が正にメインテーマなんですが。

【殺せば1つ、生かせば2つ】
士郎政宗のドミニオンで武悪が語ったセリフ。敵兵を加害して戦闘不能だが生きてる状態にすると、敵は仲間を助ける為に兵隊1人を救援に割かねばならなくなる。寡兵で戦う場合に相手側戦闘参加者を減らす為にワザと「生かす」という選択もあるよ、という話。
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