怪傑! ガンド天狗!!!【一回完結】【アディショナルタイム】 作:PureFighter00
【純喫茶マウンテンのスカイツリーパフェ】
実在する。全高634mmでスカイツリーの1/1000の高さだが、63cmってデカ過ぎない?
流石に筆者も食ったことは無いが、食レポや写真を見る限りはフルーツ多用で甘さがキツい訳でもなく、割合完食しやすい模様。別に大食いメニューでは無いから完食しても賞金が出たりはしない。
空に聳える白嶺のパフェ……
純喫茶マウンテンのスカイツリーパフェを評するなら、こんなところであろうか。
旧時代の電波塔としては最大クラスの東京スカイツリーであるが、軌道エレベータという規格外の高層構造物が完成して以降は些かノルスタジックな響きを持っている。そも軌道エレベータは大地から生えているのではなく、厳密には浮いているのであるが。
「──」
「……(ゴクリ)」
発注者2人は無言で【見上げている】。テーブル高が約90cmとして、そこから更に60cm先にその頂きがある。その高さはソフィの目線より上にあり、プルの身長を遥かに凌駕している。
「残してもみんなで食べるから無理しなくていいぞ」
「案外少ないかも……」
アリアとリリッケが相反した話をしているが、これはリリッケが正しい。
高さはあるが体積はそれほどでは無い。これなら寧ろカラオケパセラのハニトーの方が辛そうだ。というか、parfaitという「完璧な(デザート)」という意味を持つパフェが完食し難い訳もなく。
2人は視線を交わすと、争う様に白嶺へのアタックを開始した。
先ずは頂上付近のクリームを攻略だ。甘さは控えめだが盛りは多い。このクリーム部を攻略しつつ、中腹のフルーツで口直しをして行くのが定石であるが、小さな挑戦者達は余りに、余りにこの手の食べ物を食した経験がなかった。実際皆無である!
ソフィ選手は中腹のフルーツ攻略を開始した。ここでまさかの「素手で摘んで齧る」攻撃! まるで獣! 手がクリーム塗れになるのも厭わず野生解放! これは速い!(もっとお上品に食べましょう)
「私、ちょっとはした無さには自信があるんで」
ソフィが口に付くクリームを指で拭い、その指を舐めながら胸を反らす。はしたないという言葉の意味を勘違いしている可能性がありそうだ。
「ぐぬぬぬ、水星魂見せてやる!」
水星はジジババ天国だから、こんな高カロリーなもの食べません!(というか、オシャレなカッフェーも無ければ生クリームも3ヶ月ぐらい前に発注しないと取り寄せが効かない)
「でも……このままじゃ勝てない……おじさーん、スプーンもう一つ!」
「何いっ!」
眉の前でスプーンをクロスさせて両手で構える。プルのその構えは伝説の2丁喰い……
「馬鹿な、それで早食いしようっていうのか!」
「左手じゃ上手く掬えねぇぞ!」
ふふんとプルは不敵に笑った。僕たちガンドロイドには利き手はないっ!
【2丁喰い】
土山しげるの漫画、喰いしん坊!に登場するハンター錠二というフードファイター(大食い戦士)の必殺技。特に熱い麺類を食す際に、両手で箸を二膳持ち、片方ずつ麺を引き上げて冷ましながら食べるという……あれ?
そう、別にパフェで2丁喰いする必要は無かった。お口は一つしかありませんし。そもそも早食いしなきゃいけない理由もない。
「パフェに親でも殺されたのか、君らは(苦笑)」
シバが頼んだ小倉ホットケーキを食い終わるより先、リリッケが楽しみながらバナナパフェを半分まで片付けて、ミオリネが抹茶モンブランをもう少しで片付け終わる頃、ソフィはパフェを飲み干した。
高く掲げられたパフェグラス、勝ち誇ったその顔(頭にクリームが垂れている)、負けたっ!という顔のプル(ストローでちゅうちゅうしている)
「足りないからって、私のクリームあんみつはあげないからね」
ノレアはどこまでもクールであった。
「おねえちゃんには勝てなかったよ……」
「チビの癖に中々やるじゃん、危ない所だったよ」
いつの間に、戦いになっていたのやら。
「見どころがあるな、舎弟にしてやってもいいぜ! あたしはソフィ。ソフィ・ブロネ」
「LPプルです、おねえちゃん!」
ノレアはソフィの頭をおしぼりでゴシゴシ拭いていた。
「あー、これ結構腹に溜まるな。昼飯どうする?」
「ちょっとオープンキャンパスでも見ながらお散歩します?」
「へ? この後貴族のナポリタンとお雑煮食べるんじゃないですか?」
ホルダーの胃腸は異次元に繋がっていた。
【カラオケパセラのハニトー™️】
カロリー云々より、飽きる。大体ネタで頼んで味が単調だから飽きてしまう(完食が辛くなる)のが欠点だったが、最近は追いソースで味変して食べ残し削減に舵を切った模様。似た食い物はバブル期のディスコやクラブで始まったらしいが、現在ではカラオケパセラの有名メニュー。(「ハニトー™️」で商標登録している)